新型コロナウイルスの感染拡大は、人々のライフスタイルに大きな変化を引き起こしましたが、特に飲食店における利用者の意識には顕著な変化がありました。衛生や安全性への意識の高まり、テイクアウトやデリバリーの利用増加、非接触・キャッシュレス決済の利用、人が密集した店内への抵抗感などといった顧客の意識変化に対し、飲食店側もサービス提供方法やオペレーション上の工夫を求められるようになりました。それに伴い、デジタル化による業務効率向上、注文や決済プロセスの自動化(セルフ化)、 在庫や売上のデジタル管理、データ駆動型のマーケティング戦略など、技術革新が進められています。
しかし、特に小規模事業者や個人事業主の方においては、資金的な課題に加え、デジタル化に対応可能な人材や、情報収集面での課題が伴うことも多いものです。
そこで活用できるのが「IT導入補助金」です。2017年の開始以降、飲食店を含む多くの事業者に利用されてきたこの補助金は、ITツールを販売する事業者の方にとっても、補助金の活用提案による新たな販売機会を生み出すきっかけとなっています。
このページでは、当法人が実際にサポートし採択された事例をもとに、IT導入補助金の活用例をご紹介します。
飲食店(肉料理居酒屋)のPOSレジ・会計システム導入採択事例
令和4年度補正予算(2023年)IT導入補助金を活用した事例を紹介しています。
今回は、注文の電子化による店内業務効率化と、メニューやテーブル別の売上分析、会計業務の効率化を推進するために、IT導入補助金を活用しPOSレジと会計システムを導入された事例です。
都道府県:沖縄県
業種:飲食業
従業員数:11人
事業年数:6年
直近の売上傾向:前年度10%増
直近の収益状況:営業赤字
事業上の強み
こだわりの調理法により仕上げた肉料理を中心に、見た目も華やかな様々な料理とお酒を一緒に楽しめるお店として、近隣住民やお勤めの方々に人気の肉バルです。
事業上の強みポイント
ディナーだけでなくランチ営業もされており、お惣菜・お弁当・オードブルのテイクアウトもされているため、様々な機会に利用されやすいことも強みになっています。
導入目的
インボイス対応の可能なPOSレジと会計システム導入
課題内容
コロナの影響で主力のディナータイムの店内滞在時間が短くなり、1組あたりの売上が低下していました。そのため複数のサービス提供方法やメニュー開発に取り組んでいましたが、取り組みを継続し拡大していくには、業務の効率化と最適な人員配置が必要でした。また、新たな施策を積極的に売っていくための売上分析の迅速化・高度化も課題でした。
POSレジ・会計システムの導入で解決できる課題ポイント
飲食店での利用に特化したPOSレジと、そのデータと連携可能なクラウド会計システムを新たに導入することで、まずは注文受付を電子化し、オーダー対応にかかっていた人員の再配置が可能になりました。また、売上管理をメニューや時間帯別に行うことができるようになり、新メニューやサービスの開発もしやすくなります。更に、会計システムとのデータ連携で会計業務の工数を削減しつつ、より迅速な経営状況の把握・正確な現状分析が可能になることで、効果的な施策の立案・実行に生かされます。 インボイスへの対応も更にスムーズに行えるようになりました。
【その他、飲食業界のお客様からよく聞くお悩み・課題例】
- デリバリーやテイクアウトに対応するための余力がない
- 顧客サービスに人手を要し、柔軟な人員配置が難しい
- オーダーミスや提供ミスが発生している
- 在庫管理がアナログで、過剰発注・品切れが起きている
- 多くのお客様に来店していただいているが、それを資産として生かし切れていない
課題解決内容
上記の通り、継続的な事業拡大・新サービスの開発に向けて業務効率化が課題である中で、思うようにデジタル投資が行えていない状況でしたが、『こだわりの調理法と安全な食の提供を維持しつつ、積極的に新しい販売方法やメニュー開発に取り組むことで、自店への来店客を増加させるだけでなく、地域により多くの人の流れを呼び込んでいきたい』という目標の実現に向かって、今回IT導入補助金を活用することとなり、POSレジと会計管理システムの導入に至りました。
POSレジ・会計システム導入のポイント
事業者様の課題であった業務効率化に加えて、電子化した注文データをテーブル別・メニュー別に集計・分析し、新商品や新メニューの開発にも生かすことができます。もちろん、多様な決済方法にも対応可能です。また、会計システムと連携することで、インボイス制度へもスムーズに対応しつつ、煩雑化していた会計業務の効率化を進めることができるようになります。
今回導入されたPOSレジ:飲食店特化型POSレジシステム
今回導入された飲食店特化型POSレジシステムには、様々なキャッシュレス決済に対応可能な会計機能や、テーブルやメニュー別の管理・分析機能、ハンディ端末からの注文受付機能、テーブルごとの注文管理機能などが搭載され、飲食店にとって使いやすく便利な機能が充実しています。複数店舗の一括管理も可能です。
今回のIT導入支援事業者様について
G1行政書士法人では、クライアント様のIT導入補助金採択率向上を希望するIT導入支援事業者(ITベンダー)様からのご依頼を受け、申請手続きに関するサポートを行っております。また、採択後にIT導入支援事業者様にとって負担となることも多い、事業実績報告や事業実施効果報告についても、多種多様の対応実績に基づきアドバイスさせていただいくことが可能です。
今回のIT導入支援事業者様からは、「申請情報に必要な顧客の課題や目標を的確に引き出してくれたので、申請までスムーズに進めることができた」「必要書類・申請情報についてもチェックし、不備を事前に修正できたので助かった」というお声を頂戴しました。 結果、採択につながったことで、無事ITツールを導入していただくことができ、お客様にもお喜びいただけたようです。
。
まとめ
こちらの事業者様は、調理法にこだわった肉料理を中心に、多彩なメニューとお酒が楽しめる肉バルとして、地域の多くの方々に利用されていましたが、今後継続的に新たな取り組みを行っていくにあたり、店内オペレーションや会計管理の効率化を課題とされていました。 今回その状況に対するひとつの解決策として、飲食店向けのPOSレジと、それとデータ連携が可能な会計システムを導入するため、IT導入補助金を活用した事例をご紹介しました。
長期的なビジョンとしては、新しい商品やサービスの提供を積極的に行うことで、新たな需要を創造し、地域の活性化にもつなげていきたいと話しておられました。
当サイトを運営するG1行政書士法人は、IT導入補助金を利用して事業を拡大したい・安定化したい、また、新規事業に取り組みたい企業様と、その活動をサポートするITベンダー様をつなぎ、IT導入補助金の申請支援を行っています。3,000社以上の採択実績から分かりやすくご説明し、採択に向けてサポートさせていただきます。お気軽にご相談ください。
【飲食店の方向け】IT導入補助金を使って導入できるITツールとそのメリット