過去のIT導入補助金に採択され、補助金の交付を受けたことがある場合、「補助金をもらえて助かった、また利用したい!」と考える方は多いと思います。
また、不採択となってしまった方や、採択されたけれど辞退せざるを得なくなった方でも、再度チャレンジしたい!と考える方も少なくないのではないでしょうか。
大丈夫です。一定の条件を満たせば、いずれもIT導入補助金2023に申請が可能です!
このページでは、それぞれの場合においてどんな条件や注意点があるのかを説明します。
目次
過去のIT導入補助金で「交付を受けた場合」
過去のIT導入補助金で交付を受けたことのある場合でも、下記の条件を満たせば、再申請可能です。当法人がサポートさせていただいたお客様の中にも、過去に申請・採択経験があり、2回目も採択されたという実績があります。
2回目以上(複数回)申請できる「条件」
下記いずれかの条件を満たすことで、IT導入補助金2023での申請が可能です。
別の枠で申請する
IT導入補助金には3つの枠がありますが、その枠が異なる場合、同じ年度内でも、申請が並行する場合であっても、申請可能です。3つの枠は対象となるITツールによって異なります。
- 通常枠(A・B類型):業務効率化・売上アップといった、経営力の向上・強化につながる幅広いツールが対象
- デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型):会計・受発注・決済・ECのいずれかの機能を持つソフトウェアが対象
- セキュリティ対策推進枠:独立行政法人情報処理推進機構が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているいずれかのサービスが対象
ITツールについて詳しくは「IT導入補助金の ITツール」に掲載しています。
交付決定から12ヶ月以上あけて申請する
過去に交付を受けた同じ枠で、IT導入補助金2023に申請する場合、交付決定日から12ヵ月以上経過していれば申請可能です。「申請締切日」や「採択日」ではなく、「交付決定日」であることに注意してください。
別の事業者として申請する
申請中または採択・交付を受けた事業者とは別の事業者として申請する場合、同じ年度内でも、申請が並行する場合であっても、新たに申請可能です。例えば、下記のような場合です。
- 個人事業主として申請中または採択・交付を受けた方が、代表を務める法人を申請事業者として申請する場合
- 法人として申請中または採択・交付を受けた方が、代表を務める別の法人を申請事業者として申請する場合
2回目以上(複数回)申請する時の「注意点」
2回目以上の申請を行う際、申請そのものは可能であっても、審査を通過し採択されるためには、注意点があります。
公募要領に変更・追加がある場合がある
申請年が異なる場合はもちろん、同じ年の異なる回に申請する場合も、都度公募要領の内容の確認が必要です。
例えば、IT導入補助金2022のデジタル化基盤導入類型の公募要領には、初回発行の後12回の修正・追記が行われています。軽微なものも含むため、必ずしも要件や審査基準に影響するものばかりではありませんが、ご自身の申請タイミングに合わせ、修正・追記の履歴がないか、事前に確認を行いましょう。
また、IT導入補助金2023年の申請からは、各枠共通の申請要件に「みらデジ経営チェック」の実施が追加されています。
その他、年度によって補助金の事業目的そのものが微妙に変化することもあります。事業目的を理解し、それに沿った事業を計画することが、採択の可能性を上げる重要なポイントになりますので、こちらも必ず確認しておきましょう。
(通常枠の場合)要件の目標値が高くなる
通常枠(A・B類型)では、労働生産性の向上率(1年後3%以上、3年後9%)を目標値として計画・申請し、それに対しても審査を受けます。過去3年間(IT導入補助金2020~2022)に交付を受けている場合、この伸び率の設定が1年後4%以上、3年後12%に引き上げられます。
誤って1年後3%以上、3年後9%で計画申請すると、要件を満たさない申請となってしまいますので、注意が必要です。
(デジタル化基盤導入枠が関連する場合)審査で減点される
過去の申請時の申請枠がデジタル化基盤導入枠の場合や、過去は別枠で今回がデジタル化基盤導入枠の場合、いずれも減点の対象となります。交付決定を受けたものだけでなく、IT導入補助金2023において別枠で申請中の場合も、減点対象です。
更に、減点対象の申請の申請ITツールが、今回申請するITツールと同一の機能(会計・受発注・決済・EC)の場合、更に減点となります。
過去のIT導入補助金で「不採択・取下げした場合」
過去のIT導入補助金で不採択となった場合や、採択決定後辞退し申請を取下げた場合も、2回目以上(複数回)の再申請が可能です。
2020年以前にIT導入補助金を申請された場合、採択率が非常に低い時期があったため、IT導入補助金は審査が厳しいと諦めていた方も多いかもしれません。最近のIT導入補助金は比較的採択率も高く、手続きもかなり簡略化されているため、是非再チャレンジしてみてください。
不採択になった場合の注意点
過去に不採択となった経験がある場合、2回目以上の申請にあたり、それ自体が減点対象になるということはありませんが、申請する回の公募要領や関連資料を熟読し、それに沿った申請を行うことが必要です。
ご自身だけでは難しい場合、当法人のような外部支援者や、多数の採択事例を持つIT導入支援事業者に支援を受け、第三者の目で内容をチェックしてもらうこともおすすめです。
要件を満たしているか?
IT導入補助金に申請し採択を受けるには、要件を満たしていることが必須です。要件は申請枠ごとに異なり、また事業者としての要件だけでなく、申請するITツールや、事業計画の目標に対しても要件が設定されています。
提出書類は正しいか?
交付申請に必要な書類は、公募要領に定められた通りのものを用意し、正しく提出する必要があります。代替書類や期限切れのものは一切認められません。また、全体がスキャンされていないなど不完全な書類も申請が受理されない、または不採択となる場合がありますので注意してください。
法人の場合
- 履歴事項全部証明書(発行から3 ヶ月以内のもの)
- 税務署で発行された直近分の法人税の納税証明書(「その1」若しくは「その2」)
個人の場合
- 運転免許証(有効期限内のもの)、運転経歴証明書若しくは住民票 (発行から3 ヶ月以内のもの)
- 税務署で発行された直近分の所得税の納税証明書(「その1」若しくは「その2」)
- 税務署が受領した直近分の確定申告書B の控え
申請内容は正しく、分かりやすいか?
申請時に入力する情報(事業者に関する基本情報や財務情報、経営状況、計画数値、ITツールの内容・金額など)に誤りがある場合や、申請内容に合理性・一貫性がない、審査項目・審査事項をふまえた申請内容になっていない(審査者に分かりやすい記載になっていない)場合、不採択となることがあります。
取下げした場合の注意点
過去に採択を受け、その申請を取り下げた場合は、その次の申請回以降に申請可能です。同じ事情で取下げをすることのないよう、十分に計画を立てた上で申請しましょう。
まとめ
以上のように、一定の条件や注意点をふまえることで、IT導入補助金を2回目以上(複数回)申請し、採択を受けることが可能です。
ただし、一見条件や注意点を網羅していると考えられる申請内容であっても、必ずしも採択が保証されるわけではありません。
G1行政書士法人では、IT導入補助金のIT導入支援事業者・ITツール登録から、交付申請、採択後の実績・効果報告まで、多数の実績(採択件数2,262件、2022年採択率90.9%)に基づきサポートを行っています。各種申請前の注意点・手続き説明から、交付申請時の申請内容の作成サポート(ヒアリング、データ作成)まで、きめ細やかな対応を心がけています。
また、どのITツールを選んでよいか分からないという中小企業・小規模事業者様へは、IT導入支援事業者のご紹介も行っています。
是非お気軽に、お問い合わせください。