電子廃棄物リサイクル業界は近年の電子機器の普及や環境意識の高まりなどにより、急速に拡大しています。一方で、電子機器の複雑性や多様性により、リサイクルプロセスが困難になっています。また、労働者の確保や技術・スキルの継承、作業環境における健康リスクといった問題も出てきています。そのような問題に対して、デジタル技術の導入が不可欠と考えられています。例えば自動分別やデバイスの分解作業の自動化により、作業効率が向上し、業界全体の生産性向上が期待されます。また、デジタル化・IT化においてはフロント部門に限らず、バックオフィス部門でも対応していくことが必要です。
このような状況の中、小規模企業や個人事業主者様がIT導入時に直面する課題として、「資金不足」「人材不足」「情報収集不足」がありますが、そんな事業者様におすすめしたいのが「IT導入補助金」です。
IT導入補助金を利用することで、費用負担を減らせるだけなく、ITツールを販売するITベンダー（IT導入支援事業者）より、一貫してサポートを受けることがで、人材面・情報収集面においても負担を軽減することができます。また、ITツールを販売する事業者様は、この補助金の「IT導入支援事業者／ITベンダー」に登録いただくことで、顧客に補助金活用のご提案ができるようになり、実質負担費用に対してより大きな投資効果を期待できるITツールの提供が可能になります。
このページでは、当法人が実際にサポートし採択された事例をもとに、IT導入補助金の活用例をご紹介します。
電子廃棄物リサイクル業者の会計システム導入採択事例（マネーフォワード）
令和4年度補正予算(2023年)ＩＴ導入補助金を活用した事例を紹介しています。
今回は、請求書発行業務のデジタル化対応に取り組みつつ、会計業務における工数削減・経営状況の把握により今後の事業の安定化を実現するために、ＩＴ導入補助金を活用して会計システムを導入された事例になります。
業種：電子廃棄物リサイクル業
従業員数：2人
事業年数：20年
直近の売上傾向：前年度30％増
直近の収益状況：営業黒字
事業上の強み
これまで取引先に対して信頼と実績を積み上げ “継続して取引してもらえる会社“を作り上げてこられました。また、社会全体として、持続可能な資源管理の観点からリサイクル業が注目されており、そのことも事業を継続していく上での強みとなっています。
事業上の強みポイント
小規模な事業者として小回りがきくことを活かし、取引先一社一社に丁寧な対応をされていたことで、多くの信頼を獲得し、継続した取引が出来ていることが事業を進めていく上での大きな強みとなります。
導入目的
インボイス対応の可能な会計システム導入
課題内容
今回の事業者様の主な取扱商品である電子基板は、新型コロナウイルスの影響による需要の不確実性と経済的な制約を受け、製造量が減少傾向にあり、今後の売上減少懸念がありました。売上拡大を目指していく上では新たなサービス展開が必要ですが、そのための業務効率化が課題となっていました。また、2023年10月からのインボイス制度への対策を講じていなかったことから、今般の事業環境の変化に対応できていない状況が続いていました。
会計システムの導入で解決できる課題ポイント
請求書発行が可能な会計システムを導入することでインボイス制度へ対応でき、会計管理業務のデジタル化により業務効率を高め、会計管理業務の工数削減を実現できるようになります。また、毎月の経営状況をリアルタイムで把握できることにより、会計管理の観点から正確な現状分析が可能になることで、効果的な施策の立案・実行に活かすことができます。
【その他、リサイクル業界のお客様からよく聞くお悩み・課題例】
- リサイクルプロセスが複雑であり業務過多が生じている
- 顧客データを管理して販促に活かしたいがノウハウがない
- バックオフィスでの業務過多により本業の人員が不足している
課題解決内容
上記のように、コロナ禍以降の売上減少やインボイス制度への対応について課題がある中、会計管理システムへの先行投資が行えない状況が続いていましたが、『煩雑化している会計管理を整備し、財務状況を迅速に把握することで、売上増加の為の新たな取り組みに繋げていきたい』といった目標を達成する足掛かりとして、今回、ＩＴ導入補助金を活用し、会計管理システムの導入に向けて取り組む事が可能となりました。
会計システム導入のポイント
事業者様の課題であったインボイス制度へのスムーズな対応に加えて、会計管理のデジタル化によって業務効率化やリアルタイムでの経営状況の把握が可能になったことで、本業に注力し新たなサービス展開を推進し、売上拡大や新規顧客獲得に取り組めるようになりました。
今回導入された会計システム：マネーフォワード
クラウド会計システムを提供するマネーフォワードはバックオフィス全体の効率化をサポートしており、会計ソフトと給与計算ソフト等を連携して自動化し、手入力ゼロを目指しています。
【経理・人事労務】IT導入補助金で導入できる「マネーフォワード」とは
今回のIT導入支援事業者様について
G1行政書士法人では、IT事業者様からのご依頼を受け、申請者である事業者様の採択率を向上させるべくIT導入補助金に関する経験と専門知識を活かしたサポートを行っています。また、採択後にIT事業者様にとって負担となることも多い、数年に渡る事業報告についてもご支援させていただいくことも可能です。
今回のIT事業者様からは、「お客様への説明が行き届かない部分のフォローや、顧客の課題を的確に引き出すためのヒアリングをしてくれたので申請書作成をスムーズに進めることができた」「必要書類・申請情報についてもチェックしてもらい、不備を事前に修正できたので助かった」と嬉しいお声を頂戴しております。
まとめ
こちらの事業者様は取引先一社一社に対して丁寧な対応を行い、今までの信頼と実績を積み上げて来られましたが、様々な事業環境変化への対応が追い付いておらず、今後の売上減少懸念もお持ちでした。そんな中、今回のIT導入補助金を活用した会計システムの導入により、業務効率化と経営状況の正確な把握が可能となり新たなサービス展開への取り組みがしやすくなりました。また、適格請求書の発行にも対応した会計システムの導入により、自社や取引先のスムーズなインボイス制度対応への大きな一歩となりました。
当サイトを運営するG1行政書士法人は、IT導入補助金を活用して「事業を拡大・安定化したい」「新しい事業に取り組みたい」と考えている企業様とITベンダー様を繋ぎ、採択に向けてIT導入補助金の申請を支援しています。3,000社以上の採択事例をもとに、丁寧にサポートいたします。ご相談は何なりと、遠慮なくお問い合わせください。
