顧客対応・販売支援に関わる業務担当者の方々で、接客の効率改善・生産性向上にお悩みの方!
そのお悩み、IT導入補助金を活用したITツールの導入で、解決できるかもしれません。
IT導入補助金では、中小企業・小規模事業者の方々の顧客対応・接客に関するお悩み(人材不足、人材育成、コスト削減、提案力向上、業務効率化)の解決につながるITツール(ソフトウェアやサービス等)が、補助の対象になっています。
こうしたITツールの一つとして、オンライン接客(遠隔接客)システムがあります。
この記事では、オンライン接客システムを導入したい事業者の方に対しては、どんな機能やメリットがあるのか、またオンライン接客システムを開発・販売しているベンダー・サービス事業者の方には、どんな機能があればIT導入補助金の対象となり得るのか、解説していきたいと思います。
目次
オンライン接客システムの種類と機能
オンライン接客システムには、店舗での利用を想定したもの、WEBサイト上など店舗以外での利用を想定したもの、両方に使える汎用的なシステムが存在します。
システムによって機能の有無は異なりますが、多くのものに共通している機能は、以下のようなものです。
通話機能
通話機能には、ビデオ通話・音声通話・テキストチャットなどがあり、シーンや顧客に合せて、最適なコミュニケーションを選択します。
店舗での利用を想定したものであれば、店内の状況をモニタリングして来店者に声をかけたり、逆に来店者側から呼び出しを受けたりすることもできます。
一対一だけでなく、複数者間での通話が可能なものも多く、専任の担当者に取り次ぎが必要になった場合などに便利です。
システムによっては多言語サポート機能として、ビデオ通話の内容を自動翻訳・文字起こしし、遠隔対応者と来店者双方に表示できるものもあります。
更に、アバター設定ができるものもあり、様々な働き方や対応者に合せた使い方ができます。
予約機能
予約機能は、店舗以外でオンライン接客をする際に便利な機能です。
遠隔対応者が対応可能な時間をユーザーに公開し、予約を取ったうえで通話が可能です。予約から通話までをひとつのシステム上で提供・管理できるため、ユーザー側の利便性を向上しオンライン接客利用の促進につながるほか、対応漏れを防ぐ効果も期待できます。
予約機能と連動して、予約時にアンケートを入力してもらう機能や、予約のリマインダーを自動送信できるものもあります。
また、遠隔対応者のスキルと空き状況に応じて、自動的に、適切な人員に対応を振り分けられるシステムもあります。
これらの機能を活用することで、オンライン接客前後の手続きや、人員配置を効率化することが可能です。
画面共有機能
画面共有機能では、商品説明やデモンストレーションを行いやすくするために、遠隔対応者側から画像や動画、PC上の画面等を共有することが可能です。
店舗での利用を想定したものの中には、店頭に設置したセルフ端末をリモートで確認したり操作したりできるシステムもあります。
こうした補助機能を利用することで、対面接客をオンライン化するだけでなく、説明の一部を画像や動画で自動化したり、より高度な接客の仕組みを構築することが可能です。
対応者サポート機能
遠隔対応者をサポートする機能としては、例えば、通話画面と一緒にマニュアル等のメモを表示する機能があります。
この機能を利用することで、対応者の知識や習熟度等に依存しない、高い品質の接客が可能になります。
更に高度な機能を持つシステムでは、予めシナリオ設定しておくことで、対応の一部を自動化できるものもあります。
管理機能
管理機能には様々な種類がありますが、一般的な機能としては、遠隔対応者の管理機能や予約管理機能、通話のモニタリング・記録機能などがあります。
また、各通話内容や所要時間、対応者等の記録を集計し、システム上で自動的に分析・レポート作成ができるものもあります。
店舗での利用を想定したシステムでは、複数店舗管理機能を持つものもあり、待機画面で各店舗の様子モニタリングしたり、来店のあった店舗について通知を受けることができます。
これらの機能を利用することで、少ない人員で複数店舗の接客に対応したり、対応結果を分析して、接客品質や商品・サービス品質の向上につなげることが可能です。
その他の機能
その他の機能としては、 ビデオ通話中に、画面上で商品購入・カード決済ができる機能を持つシステムもあります。
この機能を利用することで、店舗以外でのオンライン接客時にも、来店時と同様にその場で購入まで導くことができ、コンバージョン率を向上させることができます。
また、ウェブサイトと連携させて利用するシステムの場合は、GoogleAnalyticsと連携し、通話からコンバージョンまでのユーザー行動をトラッキングできるものもあります。
IT導入補助金の対象となるオンライン接客システムの要件
IT導入補助金の対象となるオンライン接客システムの要件としては、大前提として、IT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に事前登録されたものである必要があります。
IT導入支援事業者とは、IT導入補助金の事務局に事前審査を受け、登録されたITツールを提供するベンダーやサービス事業者のことをさします。
ITツールとしての登録要件
ITツールの登録要件の前提として、ITツールに含まれる「ソフトウェア」が、ツール登録要領で定義されているプロセス(業務プロセスまたは汎用プロセス)の中からいずれか1つ以上に該当する必要があります。
また、実際にIT導入補助金の申請を行う際は、汎用プロセスだけのソフトウェアの申請ができないため、基本的には「業務プロセス」の1つ以上に該当する必要がある、ということになります。
オンライン接客システムは、業種共通プロセスの「顧客対応・販売支援」または汎用プロセスの「汎用・自動化・分析
ツール」に該当します。
ただし、1つのプロセスの中で幅広く業務をカバーするソフトウェアであることも必要で、単一の処理を行う機能しか有しないものは、対象にすることはできません。
また、特定の顧客向けに限定され一般市場に販売されていないものや、スクラッチ開発が伴うソフトウェア、ホームページ制作ツールやブログ作成システム等で制作した簡易アプリケーション、ホームページと同様の仕組みのものも対象外です。
その他、対象要件には細かな項目がありますので、詳しくはツール登録要領をご確認いただくか、G1行政書士法人までお気軽にご相談ください。
オンライン接客システムの補助額・補助率・補助対象経費
IT導入補助金におけるオンライン接客システムは、通常枠に該当します。
※通常枠でも補助額150万円以上が認められるツールは、前述の「該当するプロセス数」が4種類以上である必要があるため、オンライン接客システムにおいて対象となるツールは、ほぼないものと考えられます。
通常枠の補助額は5万円以上150万円未満、補助率は対象経費の1/2以内です。
例えば、200万円のITツールを導入する場合、100万円まで補助を受けることが可能です。
補助対象経費は、ソフトウェア購入費やクラウド利用料、導入関連費としてオプション(機能拡張やデータ連携ツール、セキュリティ対策実施にかかる費用)と役務(導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートに係る費用)です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、顧客対応・販売支援に関するお悩み解決(人材不足、人材育成、コスト削減、提案力向上、業務効率化)につながるITツールとして、オンライン接客システムを導入したい事業者の方に対して、どんな機能やメリットがあるのか、またITツールを開発・販売しているベンダー・サービス事業者の方には、どんな機能があればIT導入補助金の対象となり得るのか、ご紹介しました。
ただ、ITツールの登録やIT導入補助金の申請に関しては、様々な要件や注意点があり、この記事だけではご説明しきれないことがたくさんあります。
これからITツールの登録をお考えのITベンダー・サービス事業者の方や、補助金申請を希望の事業者様は、ぜひG1行政書士法人にご相談ください。
G1行政書士法人では、IT導入補助金のIT導入支援事業者・ITツール登録から、交付申請、採択後の実績・効果報告まで、多数の実績(採択件数4,451件、2023年採択率91.6%)に基づきサポートを行っています。各種申請前の注意点・手続き説明から、交付申請時の申請内容の作成サポートまで、きめ細やかな対応を心がけています