「業務効率を改善したいが、何から手を着けたら良いかわからない」
「不要な作業コストを減らし、労働生産性を上げるためにはどうしたらいいんだろう」
パン屋を営んでいる方で、このようにお悩みの方はいらっしゃいませんか。
そのお悩み、IT導入補助金を活用してITツールを導入することで、解決できるかもしれません。
この記事では、パン屋を営む方がIT導入補助金を活用して導入できるITツールの例や、IT導入補助金を活用することによるメリットについて解説していきます。
目次
パン屋の課題
パン屋を含めたパン業界は孤食・個食の増加や食生活の欧米化などの影響で、市場規模は安定した動きを見せていますが、いくつかの課題を抱えているのも事実です。
ここでは、当法人が補助金申請のサポートをさせていただく中で、業界全体、また事業者様ごとに伺うことが多い課題を解説していきます。
人材不足
パン屋の課題として代表的なものが人材不足です。
パン屋で人材が不足している理由は事業者ごとに様々ですが、
- 少子高齢化のため若年層の成り手が少ない
- 肉体労働が多い
- 労働時間が早朝から夜遅くまでと長時間にわたる傾向があり、労働条件が厳しい
といった背景が関係していることが多いです。
そのため、
- 限られた人員で業務をこなしていくために作業を効率化する
- 「シフトの融通が利くようにする」「福利厚生を手厚くする」など従業員が快適に働ける職場づくりを行い、人材定着を図る
といった施策を取ることが、人材不足解消の打開策となっています。
原材料価格の高騰
原材料価格が高騰しているというのも、パン屋が抱える大きな課題です。
ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとした国際情勢や円安の影響で、小麦粉や乳製品など原材料の仕入れコストが高騰しています。
また、原材料価格以外にもガソリン代の値上げなどの影響で物流費もかさんでおり、パンの製造に必要な経費が膨らんでいることから多くのパン屋の経営を圧迫しています
このような状況に対しては、
- 業務プロセスを改善し不要な人件費やコストを削減する
- せっかく仕入れた食材を無駄にしないよう最大限有効活用し、また廃棄コストを抑えるためにフードロスが出ないよう工夫する
などの方法でコストを減らす、または投資した分のコストを無駄なく使用する取り組みをされているとお聞きします。
市場競争の激化
パン屋は大手のチェーン店などはもちろん、スーパーやコンビニも競合になり得ます。
またパン屋自体の数も多く、市場における競争が厳しくなっている状況です。
こうした競争の中で生き残るには、自店ならではの魅力を打ち出すことが大切です。
顧客のニーズを適切に汲み取りつつ、独自性のあるパン作りやサービス提供を行っていけるかどうかが、競争力強化の鍵になります。
パン屋がITツールを導入するメリット
それでは、パン屋がITツールを導入することでどのようなメリットが見込めるでしょうか。
ITツールを導入し、業務のデジタル化を進めることで、
- 今までマニュアルで対応していた作業を減らせるため、余計な人件費を削減したり、人材不足の問題を解消することが出来る
- 売上や在庫状況などこれまで管理しづらかった情報が可視化できるため、経営改善につなげられる
- 業務効率化で生まれた時間を、新商品・サービス開発のための時間に充当できるようになる
といった効果を期待することができます。
導入するITツールの例
ここからは、パン屋で導入され得るITツールの例を解説していきます。
POSレジ
POSレジは、商品の販売時に金銭のやり取りが発生したタイミングで、その取引情報を自動的に記録・管理できる機能を備えたレジシステムのことを言い、売上や在庫、顧客情報の管理や売上レポートの自動作成が可能です。
パン屋はその事業形態柄、商品の種類が多く価格も細かく設定されていることが一般的ですが、POSレジを導入することで商品や価格等を事前にシステム内に登録しておけるため、入力ミスなどのヒューマンエラーも防止できるようになります。
さらに、蓄積されたデータを活用することで商品の売れ筋なども容易に把握できるようになるため、新たな施策やフードロス削減といった経営改善にも役立てることができます。
POSレジを始めとしたIT導入補助金で対象となるレジの詳細に関しては、以下の記事もぜひご覧ください。
インボイス対応のレジ購入に使える【IT導入補助金】対象レジ、申請方法など解説
会計ソフト
マネーフォワードやfreeeといった会計ソフトも、労働生産性を高めるうえで有効なITツールです。
会計管理を手作業や紙ベースで行っている事業者は現在においても少なくありません。
会計ソフトを導入することで、記録をデジタル化できるのはもちろんのこと、帳簿やレポートの自動生成、会計士や税理士との情報共有もスムーズに行えるようになり、経理業務や売上分析に割いていた時間を削減できるようになります。
また、複雑な会計知識がなくても使いやすい設計となっており、家計簿感覚で入力できる点から、専任の経理担当がいない小規模事業者にも適しています。
会計ソフトについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【経理・会計】IT導入補助金で導入できる「会計ソフト」とは
在庫管理システム
在庫管理システムは文字どおり在庫の管理を行えるITツールで、在庫の状況を即時把握できるため、何がいくつ、どこに保管されているのかを適切に把握することができます。
在庫管理を適切に行うことで食品ロスを削減でき、さらに在庫数の管理・記入ミスといったヒューマンエラーの防止や業務の効率化を見込め、作業の無駄を省くことが可能です。
加えて、在庫に関する正確なデータも集められ、「どの材料がよく使われて、どの商品がよく売れるのか」といった顧客ニーズの分析の精度も上げられるため、経営状況の把握や新商品・サービス開発に向けた計画の立案にも役立ちます。
原価管理システム
パン屋の経営を適切に行うには徹底した原価管理が重要になりますが、パン作りには様々な材料が必要であり、これらを全て正確に把握・分析するのは簡単ではありません。
このような時にパン屋の方から利用されることが多いITツールが、原価管理システムです。
原価管理システムとは、人力では難しい原価の計算や予算と実績の照合、収益の分析などを効率的に行えるツールで、「原価計算システム」という名称でも知られています。
原価管理システムにより仕入れコスト・製造経費・労務費など複数の費用項目を多角的に分析できるため、コスト削減のために着手すべきポイントが明確になり、原価率の改善や製造工程の見直し、フードロスの抑制など、生産管理全体の最適化にも繋がります。
勤怠管理システム
パン屋ではシフト勤務制を導入しているケースも多いですが、この場合従業員の勤務時間や休日などをそれぞれ管理する必要があり、勤怠管理が煩雑になる傾向にあります。
こういった状況に対して勤怠管理システムを導入することで、従業員の出退勤状況や労働時間を自動で即時把握することが可能になり、勤怠管理に割く労力の大幅な削減や労働生産性の向上を図ることができます。
勤怠管理システムの詳細については別記事にも解説がありますので、併せてご確認ください。
IT導入補助金で導入できる「勤怠管理システム」とは
ITツールの導入にIT導入補助金の活用をおすすめする理由
パン屋の労働生産性向上に役立つITツールは数多くありますが、こういったツールの導入時に当法人がおすすめしているのがIT導入補助金です。
そこで、ここからはIT導入補助金の概要と、当該補助金の活用をおすすめしている理由を解説していきます。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者の方の労働生産性を向上させるべく、業務効率化やデジタル化を推し進めるためのITツール(ソフトウェアやサービス等)導入を支援することを目的に設置された補助金制度です。
申請枠や類型は、どういったTツールを導入したいかによっても異なりますが、
- 通常枠
- インボイス枠(電子取引類型・インボイス対応類型)
- 複数社連携IT導入枠
- セキュリティ対策推進枠
上記の申請枠・類型が用意されています。
少ない自己負担でIT投資が可能
当法人がIT導入補助金の活用をおすすめする理由の一つは、「少ない自己負担でIT投資を図ることが出来る」という点にあります。
前述のとおりIT導入補助金には複数の申請枠や類型があり、それぞれ補助額や補助率、対象となる費用は異なりますが、全体では最大で450万円までの補助を受けることができ、補助率も1/2~4/5と高めに設定されています。
IT導入補助金を活用すれば、限られた予算の中でもITツールを導入しやすくなり、生産性向上を目指す事業者の強い味方となります。
「費用面がネックでITツールの導入をためらっている」という方にこそ、ぜひご利用いただきたい制度です。
申請作業はIT導入支援事業者にサポートしてもらえるので安心
IT導入補助金が他の補助金と異なる特徴の一つとして、「申請をIT導入支援事業者と一緒に行う必要がある」というものがあります。
IT導入支援事業者とは、IT導入補助を申請する中小企業・小規模事業者に対してITツールの導入や販売、運用に関する相談から、実際の申請作業や採択後の手続きまで、幅広くサポートする事業者のことです。
IT導入補助金では、申請者が単独で申し込むことはできず、このIT導入支援事業者と共同で手続きを行う必要があります。
一見すると手間に感じるかもしれませんが、実際には「どのITツールが自社に合っているか」などを相談しながら進められたり、申請手続きについても丁寧なサポートを受けられたりするため、
- 補助金申請が初めてでどうしたら良いかわからない
- パソコン操作に不安がある
といった事業者様にも安心してご利用いただける仕組みとなっています。
ただし、IT導入補助金で申請対象となるのは「IT導入補助金事務局に事前登録されたIT導入支援事業者が提供するITツール(ソフトウェア、サービス等)」に限られるという注意点があります。
このため、ITベンダー・サービス事業者やITツールの選定時には、IT導入補助金事務局に登録されているかを前もって確認するようにしましょう。
なお、G1行政書士法人ではIT導入支援事業者のご紹介もできますので、「どこのIT導入支援事業者に依頼すれば良いかわからない」とお悩みの方は、どうぞ当法人までお気軽にご相談ください。
他の補助金に比べると手続きがシンプル
「補助金の申請は手間がかかるのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
IT導入補助金については、他の補助金と比べると必要な書類が少なく、また、申請作業もオンラインで完結する仕組みになっています。
入力項目も分かりやすく、手続きがシンプルに設計されているため、「日々の業務で忙しく、まとまった時間が取りづらい」といった事業者様でも無理なく取り組んでいただきやすい補助金であると言えます。
実際にIT導入補助金を活用して業務の効率化や生産性向上を実現した事業者様も多数いますので、当法人の採択事例集もぜひ併せてご覧ください。
まとめ
今回はパン屋を営む方に向けて、IT導入補助金の概略や利用するメリットを解説しました。
「ITツールを使って業務を効率化するために、IT導入補助金に申請してみたい!」
とお考えの事業者様は、ぜひG1行政書士法人までお問い合わせください。
G1行政書士法人では、IT導入補助金開始当初からパン屋の方を始め多くの事業者様の申請支援を行ってきました。
累計4,500件以上の対応実績と高い専門性を活かし、採択に向けて最適なご提案とサポートを行っています。
IT導入補助金を利用したい中小企業・小規模事業者の方、ITベンダー・サービス事業者の方は、当法人までご遠慮なくご相談ください。