「業務を改善し、生産性の向上を図りたいが何をしたらいいかわからない」
「事務作業を効率化したいが、どうしたら良いんだろう」
「競合他社との差別化を図りたいが、うまくいっていない」
このようにお考えのエステサロン経営者の方はいらっしゃいませんか。
そのお悩み、ITツールを使えば解決できるかもしれません。
この記事では、エステサロン業界の方がIT導入補助金を利用して導入できるITツールの例や、それらのITツールを導入するメリットをご紹介していきます。
目次
エステサロン業界の現状
株式会社矢野経済研究所の「エステティックサロン市場に関する調査(2024年)」によると、エステサロン市場は2020年から4年連続で売上高が減少となる見込みであり、この傾向は2024年も続くと予測されています。
エステサロン市場がマイナスで推移している背景には「これまでのメインターゲット層である女性客の施術売上が減少している」といった要因が挙げられます。
この理由は一概には言えませんが、不景気に伴って利用1回あたりの客単価が下がっているという背景があると考えられています。
一方、コロナ禍のリモートワークの普及で、自身の顔を見る機会が増えたことから美意識が向上した男性が増加し、メンズエステ市場は拡大の動きを見せています。
トレンドの移り変わりが激しく生活必需品ではない分、経済情勢などの煽りを受けやすいエステサロン業界ですが、どのように流行や世間の動向を抑え市場を発展させていくかという点が、今後の業界繁栄の鍵となりそうです。
エステサロン業界の課題
エステサロン業界の現状についてお伝えしましたが、では具体的にはどのような問題を抱えているのでしょうか。
今回は当法人がご支援させていただく中で、業界全体、また事業者単位で共通して伺うことの多い問題を紹介いたします。
人手不足
エステサロン業界の課題としてまず挙げられるのが人手不足です。
人材が足りていないというお悩みは他業種の中小企業・小規模事業者の方においても伺うことが多い課題ですが、エステサロン業界もその例に漏れません。
エステサロン業界で人手が不足している理由は多岐にわたりますが、「給与などの待遇面が求職者の希望に合わない」「体力が必要な仕事で負担が大きい」「女性のエスティシャンが多く、結婚や出産などライフステージの変化に伴った退職が少なくない」といった要因が挙げられます。
「離職により従業員が不足し、接客数が減り売上も減少」→「十分な売上がないため、従業員の賃金を中々上げられない」→「結果、就業希望者が一層少なくなる」
という悪循環に陥らないよう、
- 限られた人材で顧客対応をうまくこなすために、どのように業務を効率化するか
- どのようなサービス提供方法によって、売上を拡大させていくか
- 賃金を上げるなど、どれだけ待遇面や就労条件を改善し人材の定着を図っていくか
といったことが人手不足に絡む、より具体的な課題になっています。
競合他社との差別化
競合他社とどのように差別化を図るかという点も、エステサロン業界の課題の一つです。
エステサロンは新規参入する事業者も多く、事業継続のためには競合他社にはない独自性をどのように確立していくかという点が重要になってきます。
競合他社との差別化に当たっては、「顧客のニーズを適切に把握し、自社ならではの付加価値をどのように提供するか」といった点が鍵と言えます。
価格競争の激化
激しさを増している価格競争も、エステサロン業界を悩ませる種の一つです。
前述のとおり、競合他社との差別化が求められるエステサロン業界ですが、サービスや施術内容で優位性を確立できない場合、価格で差異化を実現しようとする事業者が多くなる傾向にあります。
しかし、このような価格競争に巻き込まれてしまうと、施術費を安価に設定し過ぎたため思うように利益が出ず、経営が立ちいかなくなってしまうという本末転倒な結果になりかねません。
無理な価格競争を避けるために、「自社のブランディング強化や顧客満足度向上のための施策を行い、リピーターや新規顧客獲得を目指す」など、価格以外の強みで事業の価値を高める施策などを事業者の方からお伺いします。
ITツール導入でできること
ここまででエステサロン業界が抱える様々な問題をお伝えしましたが、それではこれらの課題に対し、どのようなITツールが導入できて、そしてどのようなメリットがあるでしょうか。
ITツールを使い業務のデジタル化を進めることで、
- 新たなサービスの提供が可能になり、自社の独自性を高められる
- それまで人手を割いていた部分を削減し、その時間をお客様対応に充当することで顧客満足度の向上を目指せる
- データの収集を効率的に行い顧客のニーズを適切に把握することで、売上アップを見込める
といった効果が期待できます。
近年は来店顧客が自ら機械を使ってエステや脱毛などの施術が行える形態の店舗も増えていますが、それでもなおエステサロンは作業量の多い業界です。
だからこそ、ITツールの利用が業務の効率化にプラスに作用する余地は大きいと言えるでしょう。
導入するITツールの例
「ITツールを導入する意義はわかったけど、エステサロン業界で使われるITツールってどんなものがあるのかな」と感じる方もいらっしゃるかと思います。
ここからは、具体的なITツールの説明をしていきます。
POSレジ
ITツールの例としてまず挙げられるのが、POSレジです。
POSとはポイント・オブ・セールの略で、お客様と金銭の受け渡しが生じた時点で商品の販売情報を収集、管理する機能を有しているレジのことをPOSレジと言います。
POSレジの導入により在庫管理や売上分析、顧客管理や売上報告書の作成などができるようになり、それまで手作業で行っていたこれらの業務をデジタル化・自動化することで、人手不足解消や業務の効率化の推進に役立てることができます。
また、売上等の分析結果が容易に可視化できるためメニューやサービスの改善にも取り組みやすくなり、顧客満足度の向上にも有効です。
POSレジに関しては別記事にも解説がありますので、ぜひ併せてご覧ください。
インボイス対応のレジ購入に使える【IT導入補助金】対象レジ、申請方法など解説電子カルテ
電子カルテとは、これまで紙媒体で記入していたカルテを電子データ化したものです。
病院やクリニック、歯科医院等医療業界はもちろん、昨今はエステサロン等でも使用できる電子カルテもあり、顧客情報の一元管理が可能です。
そのため、電子カルテを導入することによって
- 確認したいデータを探しやすくなり、それまで情報を調べるのに要していた時間を短縮できる
- カウンセリングシートやカルテの記入作業を効率化できる
- お客様の施術歴のチェックがしやすいため、より一人一人にあったサービスの提案が可能になり、顧客満足度向上が見込める
- 従業員間での情報共有が容易になり、労働生産性向上に繋がる
といった効果を期待できます。
会計ソフト
労働生産性の向上には、マネーフォワードやfreeeといった会計ソフトの導入も効果的です。
業種や職種を問わず一般的に経理業務はまだまだデジタル化が進んでいないケースが多く、今日においても手作業や紙管理で会計業務を行っている事業者は少なくありません。
しかし、会計ソフトを導入すると、単に記録がデジタル化するだけでなく、帳簿の自動作成や自動仕訳、社内外の効率的なデータ連携等が行えるようになり、人的ミスの削減や経理業務の生産性向上、及び経営状況の即時把握に役立てることができます。
また、簿記や会計の知識がなくても、家計簿のような形で入力ができることや、システムによっては決算書作成機能などもあることから、専門の経理担当がいない小規模事業者の方にもおすすめです。
会計ソフトについて詳しく知りたいという方は、ぜひ以下のページもご確認ください。
【経理・会計】IT導入補助金で導入できる「会計ソフト」とは顧客管理システム
顧客管理システムとは、その名のとおり顧客の情報を一元的に管理できるシステムのことで、CRM(Customer Relationship Managementの略)とも呼ばれます。
顧客管理システムが有する機能はメーカーにより異なりますが、例えば次のようなものが挙げられます。
- リード管理(潜在顧客育成・潜在顧客選別)
- 予約受付・管理
- 顧客管理(属性、購買・対応履歴など)・分析・販促・アフターケア
- 外部ツールとの連携
上記の機能を活用することにより、「潜在顧客へ効果的にアプローチすることができ、新規顧客の獲得に繋がる」「予約リマインド機能により直前のキャンセルが減り、営業機会の損失を防げる」「施術後のメッセージ自動送信等アフターフォローが容易になり、顧客満足度向上を図れる」などの効果が期待できます。
顧客管理システムの具体例については当法人の別記事に詳細の記載がありますので、ご興味のある方はぜひこちらもご一読ください。
【CRM・SFA】IT導入補助金で導入できる「Salesforce」とは予約受付・管理ソフト
予約受付・管理ソフトとは、お客様から予約を受け付け、かつその管理を行うシステムのことを言います。
通常エステサロンは様々なコースを提供していることが多く、「Aコースであれば50分、Bコースであれば80分、またはCコースであれば120分」など、接客時間がそのサービス内容により異なる場合がほとんどです。
そのため予約の受け付けに際してはダブルブッキング等を防ぐため細心の注意を払う必要がありますが、人の手でこれらの管理を行うのは容易ではなく、またヒューマンエラーが発生する恐れもあります。
そこで、予約の受付や管理を自動で行えるシステムを利用することで、24時間365日いつでも予約を受け付けることができるようになり、それまで電話予約応対に費やしていた時間も削減することが可能となります。
また、システムの方で予約状況をリアルタイムで管理できるため、オーバーブッキングや日時の取り間違いといった人的ミスも防ぐことができます。
なお予約受付・管理ソフトで実現可能な事項の詳細は、下記にも記載があります。
【サービス業界】IT導入補助金で導入できる「予約システム」とはMEOツール
MEOツールも、業務効率改善・生産性向上を推進したい事業者の方にご利用いただいています。
MEOとはMap Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略で、地図アプリ上の検索結果の中で自店舗の情報が上位に表示されるように効率化・高精度化させるためのITツールのことをMEOツールと言います。
- 店舗情報の管理
- 口コミの管理
- 分析・レポート
- 外部媒体との連携
MEOツールの機能は大きく分けて上記のようなものがあります。
具体的な効果としては
- 口コミへの返信の自動作成や管理ができるため、口コミ対応の工数削減や顧客満足度の向上を見込める
- 自社の各種SNSや公式サイトなどとMEOツールを連携することで1つの投稿を連携先にも同時反映することができるため、情報発信における人的コストを低減させながらオンライン上の知名度向上に繋げることが可能である
といったものが期待でき、近年注目を集めています。
MEOツールについては以下の記事でも開設していますので併せてご覧ください。
【店舗集客】IT導入補助金で導入できる「MEOツール」とは労働生産性向上にはIT導入補助金の利用がおすすめ
ここまでで、ITツールの利用が労働生産性向上に有効である旨をお伝えしました。
しかし実際には「費用面であまり余裕が無い」「どんな風にツールの導入を進めたら良いかわからない」といった方もいらっしゃると思います。
そのような方にぜひご活用いただきたいのが、IT導入補助金です。
ここからは、IT導入補助金の概要と、当該補助金を使用するメリットを紹介していきます。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が生産性向上を図るにあたって、業務効率化やデジタル化推進に向けたITツールの導入を支援することが目的の補助金制度です。
申請枠・類型ごとに異なる事業目的が設定されており、2024年度のIT導入補助金においては以下の枠が用意されています。
- 通常枠
- インボイス枠(電子取引類型・インボイス対応類型)
- 複数社連携IT導入枠
- セキュリティ対策推進枠
少ない自己負担でツールの導入が可能
IT導入補助金を使用する大きな利点として「ITツール導入における費用を抑えることができる」というものがあります。
補助額・補助率・対象経費(対象ツール)はどの申請枠・類型を利用するかによって異なりますが、全体で補助額は最大でなんと450万円、補助率は1/2~4/5になっています。
これは例えば補助率が2/3の類型を利用した場合、ITツール導入における自己資金を1/3に抑えられるということになり、本来ITツールの投資に充てるつもりだった予算を広告費や人件費など、他の用途に使用することができます。
申請が採択され補助金が交付されれば、自己負担額の軽減とIT投資の両方の実現が可能ですので、労働生産性を向上させ事業の持続可能性を強化したい事業者の方にぜひご活用いただきたい制度となっています。
申請作業はIT導入支援事業者がサポートするので安心
IT導入補助金の大きな特徴が、「IT導入支援事業者と共同で申請作業を行う」という点です。
IT導入支援事業者とは、IT導入補助金を申請する申請者(中小企業・小規模事業者)に対して、ITツールの説明や導入、運用方法の相談等のサポート、及びIT導入補助金の申請や実績報告等の事務局に提出する各種申請・手続きのフォローを行う事業者のことを指します。
IT導入補助金は必ずIT導入支援事業者と連携して申請作業をしなければならず、申請者単独で申請することはできません。
ここが他の補助金とIT導入補助金の大きく異なる点になります。
逆に言うと、どのようなITツールを導入するべきか等を随時相談したり、各種手続きを行う際も適宜フォローを受けたりしながら作業を進めることができます。
「補助金の申請をするのが初めてなので、どのような手順を踏まなければいけないのかいまいちわからない」
「パソコン作業等に不慣れなので、自分だけで申請を進めるのは不安」
という方も安心できる仕組みと言えます。
ただし、申請することができるITツールは、事前にIT導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供するITツール(ソフトウェア、サービス等)のみとなっている点に注意が必要です。
よって、ITベンダー・サービス事業者やITツールを選ぶにあたっては、IT導入補助金事務局への登録があるかを事前に確認することが大切です。
なお、G1行政書士法人ではIT導入支援事業者のご紹介もしております。
「普段利用しているITサービス事業者がIT導入支援事業者に登録していない」
「新規での依頼を検討しているが、どのIT導入支援事業者に頼むべきなのかわからない」
という方は、ぜひ当法人にご相談ください。
他の補助金より手続きがシンプル
「補助金が便利なのはわかったけど、そうは言っても申請手続きが複雑で難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、IT導入補助金は用意が必要な書類が少なく、基本的にオンライン上で手続きが完結するようになっており、申請時に入力すべき内容も非常にシンプルに設計されています。
そのため「日々の業務で忙しく、補助金申請のためにあまりリソースが避けない」という方にも挑戦していただきやすい制度となっています。
IT導入補助金を利用して業務の効率化、労働生産性の向上を実現した事業者様が多数いらっしゃいますので、「どのような規模の、どのような事業者が申請し、採択されているのかな」と気になった方は、当法人の採択事例集もぜひご覧ください。
まとめ
今回はエステサロン業界の方に向けて、IT導入補助金を利用するメリットをご説明しました。
2024年も売上高が下落基調であると予測されているエステサロン業界ですが、ITツールの力を活用し、人的コストや作業工数をうまく削減し労働生産性の向上を図っていきたいですね。
そのためにもぜひIT導入補助金のご利用をご検討ください。
当法人では、エステサロン業界の方はもちろん、多岐にわたる業種のお客様の申請サポートに携わらせていただいており、累計採択実績は採択件数4,451件、2023年度採択率は91.6%を達成しています。
また、実績報告や効果報告、各種手続きについても多数の経験があり、採択後もきめ細かなアフターフォローが可能です。
IT導入補助金の申請を希望される事業者の方や、ITベンダー・サービス事業者の方は、当法人までお気軽にお問い合わせください。