IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等のみなさまが、労働生産性向上を目指し、業務の効率化やDXなどに向けたITツール(ソフトウェア、サービスなど)の導入をする際に利用可能な補助金です。
IT導入補助金は、年度内に複数回の募集が行われていますが、2023年度はいつが最終になっているでしょうか?
また、締切までにはどんな準備が必要でしょうか?
この記事では、IT導入補助金2023の申請期限や事前準備についてご紹介します。
目次
申請期限は申請枠・類型によって異なる
IT導入補助金には、ITツールを導入する目的やそのツールによって、申請枠・類型が複数あります。
申請枠・類型ごとに、補助額や補助率、要件が異なるだけでなく、申請受付・締切のタイミングも異なります。
通常枠(A・B類型)
業務の効率向上や売上増加を支援するために、自社の課題やニーズに合ったITツールの導入費用の一部を補助するものです。
様々な業務プロセスの生産性向上につながるソフトウェアやその導入関連費を、対象経費として申請できます。
- 補助額:A類型 5万円以上150万円未満 / B類型 150万円以上450万円以下
(類型は、ツールが対応する業務プロセスの種類数によって決まり、A類型1種類数以上、B類型4種類以上) - 補助率:1/2以内
申請受付・締切のタイミング
IT導入補助金2023通常枠は、おおよそ1ヵ月に1回のタイミングで締切が設定されています。
2023年12月6日時点で、交付申請の最終締め切りは「2024年1月29日 (月) 17:00」(10次締切分・最終回)となっています。
セキュリティ対策推進枠
2022年から新たに設けられた枠で、近年ますます増加するサイバー攻撃の潜在的な危険性に鑑み、サイバーインシデントによる多岐にわたるリスクを軽減するための申請枠です。
対象となるツールは「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスで、利用料(最大2年分まで)を対象経費として申請することができます。
- 補助額:5万円以上100万円以下
- 補助率:1/2以内
申請受付・締切のタイミング
IT導入補助金2023セキュリティ対策推進枠は、おおよそ1ヵ月に1回のタイミングで締切が設定されています。
2023年12月6日時点で、交付申請の最終締め切りは「2024年1月29日 (月) 17:00」(10次締切分・最終回)となっています。
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
インボイス制度対応も見据えたデジタル化の推進につながる4つの機能「会計・受発注・決済・EC」を有するソフトウェアに特化した申請枠です。ソフトウェアと、それらの機能をサポートするハードウェアの導入費用を一括して、対象経費として申請可能です。
ソフトウェア
【対応する機能が1機能以上】
- 補助額:(下限なし)~50万円以下
- 補助率:3/4 以内
【対応する機能が2機能以上】
- 補助額:(下限なし)~350万円以下
- 補助率:50万円以下の分につき 3/4 以内 / 50万円超350万円以下 2/3 以内
ハードウェア
- 補助額:PC、タブレット等 10万円以下 / レジ、券売機 20万円以下
- 補助率:1/2 以内
申請受付・締切のタイミング
IT導入補助金2023デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、おおよそ1ヵ月に2回のタイミングで締切が設定されています。
2023年12月6日時点で、交付申請の最終締め切りは「2024年1月29日 (月) 17:00」(17次締切分・最終回)となっています。
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)
取引関係における「発注者」がインボイス制度に対応したITツール(受発注ソフト)を導入し、「受注者」である中小企業や小規模事業者に無償でアカウントを提供し利用させる場合、その導入にかかる一部の費用が補助される申請枠です。
- 補助額:(下限なし)~350万円以下
※受注側のアカウント数のうち、中小企業・小規模事業者等の利用が占める割合を乗じて算出します - 補助率:中小企業・小規模事業者等が申請する場合 2/3以内 / その他の事業者等が申請する場合 1/2以内
申請受付・締切のタイミング
IT導入補助金2023デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)は、おおよそ1ヵ月に1回のタイミングで締切が設定されています。
2023年12月6日時点で、交付申請の最終締め切りは「2024年1月29日 (月) 17:00」(7次締切分・最終回)となっています。
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
複数の中小企業や小規模事業者が連携してITツールやハードウェアを導入することで、地域DXや生産性向上を図る取り組みに対し、支援が行われる申請枠です。
ITツールの導入のほか、効果的に連携するためのコーディネート費や、取り組みに対して助言を行う外部専門家への謝金なども、補助対象経費となっています。
この申請類型は、他の申請枠と制度等に一部異なる点があり、注意が必要です。
補助額、補助率なども含め、IT導入補助金公式サイトの案内をよくご確認ください。
申請受付・締切のタイミング
IT導入補助金2023デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)は、おおよそ1ヵ月に1回のタイミングで締切が設定されています。
2023年12月6日時点で、交付申請の最終締め切りは「2024年1月29日 (月) 17:00」(5次締切分・最終回)となっています。
申請するための事前準備
導入するITツールの選定
まずは、導入したいITツールがIT導入補助金の対象になるかどうか、確認しましょう。
IT導入補助金の補助対象となるのは、以下の条件を満たしたITツールです。
- IT導入補助金事務局に登録されたITベンダー・サービス事業者=「IT導入支援事業者」が提供するものであること
- 上記「IT導入支援事業者」が、事前に事務局に登録済みのITツールであること
既に取扱業者が分かっている場合は、その業者に問い合わせ、IT導入補助金の対象となるか確認してみましょう。
取扱業者が分からない、まだ決まっていない場合は、公式サイト「ITツール検索」で、予算やツール名、対象業種などを指定して検索可能です。ECサイトや予約システム、会計ソフトなど、一部のサービス・ソフトウェア取扱業者については、当法人でもご紹介可能です。
IT導入補助金の申請は、「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請する仕組みになっています。
IT導入補助金において「IT導入支援事業者」は、中小企業や小規模事業者などと連携し、ITツールの説明、導入、運用方法に関する支援を提供し、補助金の申請や報告手続きのサポートを行うパートナーの役割を担います。
「IT導入支援事業者」からどのようなサポートが受けられるか、申請・採択実績はどうかなどについても、予め確認できると安心です。
申請に必要な書類などの取得
IT導入補助金を申請するには、事前に取得が必要な書類やオンラインアカウントがあります。取得には時間が掛かるものもありますので、余裕をもって準備を進めましょう。
gBizIDプライムアカウント
IT導入補助金の申請には、gBizIDの「プライム」アカウントが必須です。
申請には、2つの方法があります。
- 書類郵送申請(取得まで約1週間):
申請には、印鑑(登録)証明書と、登録印鑑で押印した申請書が必要です - オンライン申請(即時発行):
個人事業主のみが対象、マイナンバーカードが必要です
いずれの場合も、gBizIDの公式サイトから手続きを開始します。
セキュリティアクションの自己宣言ID
「セキュリティアクションの自己宣言」とは、情報セキュリティ対策に主体的に取り組むことを自己宣言する制度です。
オンラインで事業者情報を登録し、画面の指示に従って宣言を行うことで、利用者番号と自己宣言IDが発行されます。
IT導入補助金を申請する際に必要なのは、4から始まる11桁の番号「自己宣言ID」のほうです。
みらデジ経営チェック
「みらデジ経営チェック」は、経営課題解決に向けた”気づき”を見つけていただくための、オンラインチェック&サポートツールです。
オンラインで利用者登録を行い、画面に表示される質問に回答することで、自社の経営課題・デジタル化の進捗状況をセルフチェックすることができます。
IT導入補助金2023において、申請要件の一つとして、「みらデジ経営チェック」を事前に実施し、gBizIDプライムアカウントと連携していることが必要です。
必要書類の取得
必要書類は、法人と個人事業主で異なります。
法人
- 履歴事項全部証明書(登録申請期日より遡って3カ月以内のもの)
- 税務署発行の法人税の納税証明書(その1またはその2、※直近のものに限る)
個人事業主
- 本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、住民票)
- 税務署発行の申告所得税及復興特別所得税納税証明書(その1またはその2、※直近のものに限る)
- 確定申告書※税務署にて受領されていることが確認できるもの
申請手続き
準備が整ったら、いよいよ申請手続きです。IT導入補助金の申請手続きは、全てオンラインで行います。
IT導入支援事業者から「申請マイページ」開設の招待を受け、そこへ必要な情報を入力し、提出します。
必要な情報には、申請者の基本情報や導入したいITツールに関する情報だけでなく、どのようにITツールを活用するのか、事業をどのように変えていきたいかの説明や、労働生産性向上に関する計画数値、各種加点項目に関する申告などが含まれます。
申請締切当日になって、何を入力したよいか分からない!といったことがないように、早めに申請マイページを開設し、必要情報を確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、IT導入補助金2023がいつまで続くか、申請期限や事前準備についてご紹介してきました。
ただ、細かい手続きや個別の条件などについて、ご不明な点もあるかと思います。その際は是非、G1行政書士法人にご相談ください。
G1行政書士法人では、補助金を申請されたい事業者様、自社のクライアントに補助金活用を提案されたいITベンダー・サービス事業者様、両方のサポートを行っています。
IT導入支援事業者・ITツール登録から、交付申請、採択後の実績・効果報告まで、多数の経験と実績(採択件数2,262件、2022年採択率90.9%)に基づきサポートいたします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。