IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等のみなさまが業務効率化や売上アップ、セキュリティ対策、インボイス対応を見据えた企業間取引のデジタル化などを実現するためのITツール導入をサポートする補助金制度です。
補助対象となるITツール・IT事業者は事前に登録が必要な制度となっており、最新となるIT導入補助金2023の登録受付は2023年3月20日(月)から開始されています。
また、対象のITツールを導入して補助金を受けたい中小企業・小規模事業者等の申請も、2023年3月28日(火)より受付を開始しています。
今回は、IT導入補助金が始まった当初から申請サポートをおこなっているG1行政書士法人が、活用できれば中小企業・小規模事業者等のみなさまにとって非常に有効な制度であるIT導入補助金2023の申請スケジュールや最新情報および予測などを中心に解説しますので、ぜひご一読ください。
目次
IT導入補助金2023最新の申請締切スケジュール
2023年3月28日(火)より申請受付が開始されたIT導入補助金2023には、前回のIT導入補助金2022と同様に、目的別に3種類の枠(※)が用意されています。
そんなIT導入補助金について、2023年7月7日時点で公表されている申請締切スケジュールは以下の通りです。
申請枠 |
通常枠 |
セキュリティ対策推進枠 |
デジタル化基盤導入枠 |
1次締切 |
2023年4月25日(火)17:00 |
2023年4月25日(火)17:00 |
2023年4月25日(火)17:00 |
2次締切 |
2023年6月2日(金)17:00 |
2023年6月2日(金)17:00 |
2023年5月16日(火)17:00 |
3次締切 |
2023年7月10日(月)17:00 |
2023年7月10日(月)17:00 |
2023年6月2日(金) |
4次締切 |
2023年7月31日(月)17:00 |
2023年7月31日(月)17:00 |
2023年6月20日(火)17:00 |
5次締切 |
2023年8月28日(月)17:00 |
2023年8月28日(月)17:00 |
2023年7月10日(月)17:00 |
6次締切 |
2023年10月2日(月)17:00 |
2023年10月2日(月)17:00 |
2023年7月31日(月)17:00 |
7次締切 |
2023年10月30日(月)17:00 |
2023年10月30日(月)17:00 |
2023年8月28日(月)17:00 |
8次締切 |
未公表 |
未公表 |
2023年9月11日(月)17:00 |
9次締切 |
未公表 |
未公表 |
2023年10月2日(月)17:00 |
10次締切 |
未公表 |
未公表 |
2023年10月16日(月)17:00 |
11次締切 |
未公表 |
未公表 |
2023年10月30日(月)17:00 |
12次締切 |
未公表 |
未公表 |
2023年11月13日(月)17:00 |
引用:(一社)サービスデザイン推進協議会、凸版印刷株式会社 各IT導入補助金2023 公式サイト
※デジタル化基盤導入枠には、「複数社連携IT導入類型」と2023年6月20日(火)より交付申請受付が開始された「商流一括インボイス対応類型」もありますが、本記事では割愛します。
2023年11月までの締切スケジュールも公表されましたので、ITツールの導入を検討している事業者のみなさまは、引き続き積極的に活用していく事をおすすめします。
IT導入補助金2023スケジュール上の注意事項
IT導入補助金2023では、前期と後期で事務局の運営主体が変わります。
2023年7月31日までに申請・採択された補助事業者とIT導入支援事業者は「前期事務局」が担当、以降は「後期事務局」が担当となります。
そのため、交付申請だけでなく、IT導入支援事業者登録やITツール登録の申請についても、それぞれ別の窓口から、別の期限内に手続きを行う必要があるなど、注意が必要です。
IT導入補助金では、申請者とIT導入支援事業者が協働して申請を行う形式になっており、手続きはIT導入支援事業者側からスタートするため、特にご注意が必要なのはIT導入支援事業者の方になります。
IT導入支援事業者登録の申請・採択タイミング、ITツールの申請・採択タイミングによって細かく条件が異なるため、この記事では分かりやすいように、あくまで大まかな区切りでご説明します。
詳しくは、凸版印刷株式会社「IT導入補助金2023 令和4年度第二次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業」サイト上の案内をご確認ください。
また、これからIT導入支援事業者登録・ITツール登録をされたい方は、お気軽に当法人までご相談ください。

(7月11日時点)既に、IT導入支援事業者・ITツール登録が採択されている
前期事務局で7月31日までの交付申請が可能です。
また、後期事務局では8月1日以降に交付申請が可能です。
ただし、ITツールを6月23日17時の締め切り以降に前期事務局で申請した場合、後期事務局には登録されず、8月中旬以降後期事務局にて再度登録申請手続きが必要となります。
(7月11日時点)現在、IT導入支援事業者・ITツール登録が審査中である
前期事務局で採択された場合、7月31日までの交付申請が可能です。
また、後期事務局では8月下旬以降以降に交付申請が可能です。
(7月11日時点)これから、IT導入支援事業者・ITツール登録を申請する
8/1以降に後期事務局で手続きが必要です。後期事務局ホームページの開設をお待ちください。
IT導入補助金2023今後のスケジュール予測
最終締切の予測
2023年7月7日時点で、10月30日(月)までのスケジュールが公表されています。
IT導入補助金では、一定期間ごとにスケジュールが更新され、公表されていきます。
最終締切の参考としては、前回のIT導入補助金2022の最終締切は以下の通りでした。
申請枠 |
通常枠 |
セキュリティ対策推進枠 |
デジタル化基盤導入枠 |
最終締切 |
2022年12月22日(木)17:00 |
2023年2月16日(木)17:00 |
2023年2月16日(木)17:00 |
例年は11月~12月に最終締切が設定されている制度でしたが、前回のIT導入補助金2022の締切スケジュールは、例年と比べてかなり延長が繰り返されました。
IT導入補助金2023でも、昨年程ではないにしても、ある程度は延長される可能性はあると考えられます。
締切間隔の予測
前回のIT導入補助金2022では、通常枠はおおむね1ヶ月ごと、セキュリティ推進対策枠およびデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)はおおむね2週間ごとに締切が設けられていました。
現在公表されているスケジュールを見ると、通常枠およびセキュリティ推進対策枠については、3次まではおおむね1ヶ月ごとでしたが、3次と4次の間隔が3週間に短縮されています。また、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)はおおむね3週間ごとになっています。前回スケジュールも考慮すると、IT導入補助金2023の締切間隔は以下と予測します。
申請枠 |
通常枠 |
セキュリティ対策推進枠 |
デジタル化基盤導入枠 |
申請締切 |
おおむね3週間~1ヶ月ごと |
おおむね3週間ごと |
IT導入補助金2023申請枠の概要
IT導入補助金2023の申請枠は3種類用意されており、申請枠ごとに目的や対象ツール、補助額、補助率など要件に違いがあります。
それぞれの目的および概要について解説します。
通常枠(A類型・B類型)
IT導入補助金の通常枠(A類型・B類型)は、業務効率化や売上をアップするためのITツールの導入経費の一部を補助することが目的とされています。
種類 |
A類型 |
B類型 |
補助額 |
5万~150万円未満 |
150万~450円以下 |
補助率 |
1/2以内 |
|
プロセス数※1 |
1以上 |
4以上 |
ITツール要件(目的) |
類型ごとのプロセス要件を満たすものであり、 |
|
賃上げ目標 |
加点 |
必須 |
補助対象 |
ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・ |
※1:「プロセス」とは、業務工程や業務種別のこと
引用:(一社)サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金2023 公式サイト
セキュリティ推進対策枠
IT導入補助金のセキュリティ推進対策枠は、サイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減するためのITツールの導入経費の一部を補助することが目的とされています。
補助額 |
5万~100万円 |
補助率 |
1/2以内 |
機能要件 |
独立行政法人情報処理推進機構が公表する |
補助対象 |
サービス利用料(最大2年分) |
引用:(一社)サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金2023 公式サイト
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
IT導入補助金のデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を目的に導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助することが目的としてされています。
種類 |
デジタル化基盤導入類型 |
|
補助額 |
(下限なし)~350万円 |
|
内、~50万円以下部分 |
内、50万超~350万円部分 |
|
機能要件 |
会計・受発注・決済・EC |
会計・受発注・決済・EC |
補助率 |
3/4以内 |
2/3以内 |
対象ソフトウェア |
会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト |
|
賃上げ目標 |
なし |
|
補助対象 |
ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・ |
引用:(一社)サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金2023 公式サイト
前回のIT導入補助金2022採択状況
IT導入補助金2023は、前述の通り3種類の申請枠が用意されています。
前回のIT導入補助金2022とほぼ同要件となっており、申請数や採択率なども似たような状況になることが予測されます。
そこで、前回のIT導入補助金2022の採択状況をまとめます。
IT導入補助金2022採択状況
申請枠 |
申請数 |
交付決定数 (採択数) |
採択率 |
|
通常枠 |
A類型 |
23,426 |
13,621 |
58.1% |
B類型 |
669 |
338 |
50.5% |
|
セキュリティ推進対策枠 |
297 |
287 |
96.6% |
|
デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型) |
45,836 |
37,639 |
82.1% |
|
IT導入補助金2022合計 |
70,228 |
51,885 |
73.9% |
引用:(一社)サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金2023 公式サイト
通常枠は採択率が50%台でしたが、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は80%台、セキュリティ推進対策枠にいたっては、補助金としては異例の採択率96.6%という結果でした。
通常枠は以前から設置されている申請枠で、前々回のIT導入補助金2021でも同水準の採択率でした。
しかし、セキュリティ推進対策枠およびデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の二枠は、IT導入補助金2022から新設された申請枠で、セキュリティ対策やインボイス対応も視野に入れたデジタル化など、今が旬の課題に対する補助目的であるため、高採択率になったと考えられます。

まとめ
今回はIT導入補助金2023のスケジュール予測や申請枠の概要などをお届けしました。
ITツールの導入を検討している中小企業・小規模事業者等のみなさまは、IT導入補助金2023をご活用ください。
G1行政書士法人では、IT入補助金初期からIT導入支援事業者の申請サポートを行っており、累計採択実績は2,000件超、IT導入補助金2022の採択率は90%を超えています。
行政書士としての専門知識と、長年積み重ねたノウハウにより、当法人で申請サポートしている事業者は、公表される採択率より高い実績を残しています。
IT導入補助金を使いたい中小企業・小規模事業者等の方、またはIT導入支援事業者としての登録を検討しているIT事業者の方はお気軽にお問い合わせください。