デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)には様々な手続きがあり「何をいつまでにしなければいけないのかわからない」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、「交付申請」「実績報告」「効果報告」の3つについての「スケジュール例」を、各手続きの締切日から逆算形式で解説していきます。
※この記事でのスケジュール例は、当サイトを運営するG1行政書士法人が過去のサポート事例から、余裕をもって申請していただくための「目安」をご紹介するものです。実際の手続きに際しては、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)公式サイトの情報を確認の上、申請者とIT導入支援事業者の双方で調整の上、進めていただきますようお願いいたします。
目次
デジタル化・AI導入補助金の手続き全体の流れ
スケジュールや締切日を理解するためにも、まずはデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の大まかな流れを理解しましょう。
- 事前準備:デジタル化・AI導入補助金について理解する
デジタル化・AI導入補助金にはどのような要件があり、対象となるツールはどういったものなのかを把握しておく必要があります。
公募要領などを熟読し、自社の導入するツールが補助金対象になるか、十分に確認しておくことが大切です。 - 申請前準備:申請に必要なオンラインアカウントや資料を取得
デジタル化・AI導入補助金はオンラインで申請を行うため、それに必要な各種アカウントと、提出必要な書類を取得しておきます。 - 交付申請:オンラインで提出
交付申請はオンライン上で入力する形となりますので、申請情報を作成し事前準備した情報・書類とともに提出します。 - 審査・交付決定(採択)
交付決定したら、申請した事業実施(ITツール導入)に着手することができます。 - 事業実績報告:ITツールの導入について証憑を提出
交付申請の内容の通りに事業実施およびITツールの導入が完了したことを事務局に報告するのが実績報告です。
実績報告内容の検査を受け、補助金交付額が確定すると補助金が振り込まれます。 - 事業実施効果報告:ITツールの利用状況と効果について情報提出
デジタル化・AI導入補助金を利用して導入したITツールを、その後も継続的に活用しているか、生産性向上に役立てられているかなどを報告します。
事業全体のスケジュールは「交付申請の締切日」で決まる
全体の流れの「3. 交付申請」以降の各手続きは、それぞれ実施期間や締切日がありますが、それらは「3. 交付申請」をいつ行うか(=どの締切日の募集回で交付申請を行うか)によって、あらかじめ決まります。
「5. 事業実績報告」までのスケジュールは、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の公式サイト「事業スケジュール」に公表されています。
※本サイトでもスケジュールを解説していますので、こちらの記事もご覧ください。
また、「6. 事業実施効果報告」は公募要領および効果報告の手引きに対応内容やスケジュールが記載されています。
事業者の方にとっては、手続きの細かな締切日時以前に「ITツールをいつ導入できるのか」「補助金はいつ入金するのか」が非常に重要だと思いますので、まずは全体の流れとスケジュールを把握してから、ご自身の「交付申請の締切日」を決めましょう。
ご自身の「交付申請の締切日」が決まったら・・・【交付申請】
ご自身がデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の交付申請を行うタイミングの「締切日」が決まったら、その日から遡って、いつまでにどんな手続きを進めるとよいかを見ていきましょう。
1か月前:IT導入支援事業者との打ち合わせ
交付申請の締切日1か月前までには、ITツールやサービスの提供事業者(IT導入支援事業者)との打ち合わせを済ませるようにしましょう。
まずはIT導入支援事業者と導入したいITツールの選定を行います。
IT導入支援事業者がデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象として事務局に登録しているツールの中から、自社の課題・ニーズに合ったものを選びます。
ITツールが決まったら、そのITツールが申請できる申請枠・類型を確認し、申請要件、審査項目、必要書類などについて、申請者・IT導入支援事業者間で、しっかりと共有・理解しましょう。
また、そのITツールをどのように活用してどんな成果を得たいかも、事前に打ち合わせておきましょう。
そしてこの時点で、交付申請やその後の各手続きの実施期間、締切日を確認し、進行スケジュールを立てておきましょう。
3週間前:書類と各種オンラインアカウントの取得
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)には、申請にあたって取得を求められる書類やオンラインアカウントがあります。
発行に時間がかかるものもありますので、交付申請締切日の3週間前には準備を始めておくようにすると安心です。
以下、必要なものを確認していきましょう。
◆必要書類
【法人の場合】
- 履歴事項全部証明書
- 直近期の法人税の納税証明書(その1またはその2)
【個人事業主の場合】
- 運転免許証(裏表)または運転経歴証明書または住民票
- 直近年の所得税の納税証明書 (その1またはその2)
- 直近年の確定申告書
※必要書類について、代替書類は一切認めらていませんので、ご注意ください。
◆各種オンラインアカウントの取得
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の申請はオンラインで行うようになっています。
オンライン申請にあたっては予め以下の取得が必要です。
- 「GビズIDプライム」アカウントの取得
- 「SECURITY ACTION 自己宣言ID」の取得
1.「GビズIDプライム」アカウントの取得
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の交付申請は、専用の「申請マイページ」上で行いますが、このマイページにログインする際に必要なのが、「GビズIDプライム」というアカウント(ID・パスワード)です。
取得していない場合は、GビズID公式サイトから新規取得してください。
GビズIDプライムの取得にあたっては、マイナンバーカードを所有していれば、オンライン上での情報入力だけで最短即日で取得できますが、マイナンバーカードがない場合は、書類郵送による取得申請が必要になります。
申請書とともに印鑑証明書(印鑑登録証明書)を郵送後に事務局の審査・確認を挟むため、郵送による申請の場合は取得までに1~2週間ほど要します。
また、申請内容に不備や問題があった場合は、確認と再郵送などそれなりに時間がかかる場合もあるので、交付申請の締切日を考慮して早め(3週間前くらい)に取得申請を行っておきましょう。
申請後は、事務局よりメールが届きパスワードを設定すればGビズIDアカウント取得完了となります。
2.「SECURITY ACTION 自己宣言ID」の取得
SECURITY ACTION(セキュリティアクション)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する、中小企業自らが情報セキュリティ対策へ取り組むことを宣言する制度です。
その宣言を行うことで取得できるのが「SECURITY ACTION 自己宣言ID」です。
自己宣言IDの取得は、ITツールの導入にあたって少しでも情報漏洩などのリスクを減らすため、申請する場合は必須要件となっています。
手続きは「SECURITY ACTION自己宣言」公式サイトからオンラインで行います。
宣言内容によって「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかを選択し、自己宣言IDを取得することができますが、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、どちらを選択しても要件を満たすため交付申請可能です。
10日前:申請マイページ開設・入力事項の把握
必要書類やオンラインアカウントの取得が完了後、IT導入支援事業者が申請者を「申請マイページ」へ招待します。
申請者に届いた招待メールに記載されているURLより、申請者自身が申請マイページの開設を行います(メール受信後72時間が経過するとURLが無効になってしまうため、受信後は速やかに開設手続きをしましょう)。
申請マイページの開設後は、説明・設問に従って情報を入力していく流れとなり、入力事項は大まかには以下のようなものがあります。
- 自社に関する基本情報
- SECURITY ACTIONの番号(4から始まる11桁の番号)
- 直近1期分の財務情報(1円単位まで)
- 経営状況についての設問回答
- 必要書類の添付
- 労働生産性指標(実績と計画)※IT導入支援事業者側が入力
- ITツールに関する情報 ※IT導入支援事業者側が入力
- 賃金(最低賃金、給与支給総額)引上げに関する情報
申請マイページの開設や、どういった内容を記載しなければならないのかの確認は早めに行い、記載内容の検討・確定は交付申請締切日の1週間くらい前までに済ませておくと安心です。
申請マイページの入力は、申請者・IT導入支援事業者のどちらか一方だけで進めることはできず、両者で連携を取って進めることになりますので、やりとりに時間がかかってしまう可能性も考慮し、できるだけ前倒して準備をしておきましょう。
3日前:申請マイページ入力・提出
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の申請締切は、「日時」で指定されています。
時刻を少しでも過ぎるとその締切回では申請受理されません。
前述の通り、申請マイページの入力は申請者だけで行うわけではなく、申請者とIT導入支援事業者でそれぞれに必要事項を入力し、申請情報を作り上げ、最終的に申請者が提出する、という流れになっています。
- 申請者:自社に関する諸情報を入力
- IT導入支援事業者:申請者の入力内容を確認後、ITツールの情報を入力
- 申請者:賃金引上げや労働生産性に関する情報を入力し、これまでの入力情報を最終確認、事務局へ提出
また、直前になって、入力した情報に誤りを見つけて修正が必要になった、仕事の都合でパソコンを開けない、スマートフォンに認証コードが届かないなどの問題が発生・・・という可能性もゼロではありませんので、なるべく早めに申請を提出しておくことをおすすめします。

交付決定(採択)を受けたら・・・【事業実施と実績報告】
無事に補助金申請が採択されて交付決定したら、いよいよITツールの導入、事業実施です。
ただし、この事業実施にも手続きに関する様々な決まりがあり、その完了報告となる実績報告にも締切があります。
ITツール契約・導入まで:事業実施・実績報告の手引きを確認
まずは申請者とIT導入支援事業者で、事業実施やその報告に関する注意点を確認しておきましょう。
事業実施とは、ITツールの契約を行い、導入と支払いを完了させて申請事業を開始することを指します。
最初の注意点としては、決められた「事業実施期間」内に事業を実施・完了し、実績報告を行わなければならないことです。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、事業実施期間は「交付決定後」から開始と定められています。
そのため、交付決定より前にITツールの契約や支払いを進めてしまうと、補助金が受け取れなくなってしまいますのでご注意ください。
また、契約、請求、導入、支払いなど各手続きは、「事業実施・実績報告の手引き」に定められた通りに行う必要があり、それに従って行われていない場合も補助金が受け取れなくなってしまうことがあります。
実績報告提出時には、全てのITツールの導入が完了し、ITツールの利用・ 運用を開始している必要があります。
ITツールを適切に導入し、利用・運用を開始した後に実績報告を行います。
せっかく交付決定を受けたのに、手続きを始めてからルール違反に気づいた・・・というようなことがないように、あらかじめ事業実施・実績報告の手引きをよく確認しておきましょう。
1週間前まで:必要書類が揃っているか確認
実績報告は、申請したITツールの契約・納品・支払いなどが全て完了した報告となり、事務局の指定する証拠書類を提出する必要があります。
提出が必要な証拠書類は以下のようなものですが、詳細は申請した年度ごとに異なりますので、手続きの際はご自身が申請された年度の手引きを確認するようにしてください。
-
- 請求書(請求明細書)
- 支払証憑
- ソフトウェア利用の証憑
- 補助金を受け取る口座の資料
- [セキュリティ対策推進枠の場合]契約書または利用申込書
- [ハードウェア導入の場合]納品書および導入後の写真
実績報告締切日の1週間前までには用意しておくといいでしょう。
実績報告に関する詳細は、以下の記事もご覧ください。
【IT導入補助金2025】実績報告の詳細と提出必要書類を解説
締切当日まで:申請マイページ入力・提出
提出必要書類を揃えたら、補助事業者(申請者)が申請マイページ上で実績報告の作成(入力・資料添付)を行います。
その後、IT導入支援事業者による内容の確認や必要情報の入力完了後、補助事業者(申請者)が提出します。
提出期限までに実績報告が提出されなかった場合は補助金を受け取ることができません。
ここまでの労力を無駄にしないためにも、締切日までに実績報告を行うよう留意してください。
補助金受け取り後に必要な・・・【効果報告】
補助金が入金した後にも「事業実施効果報告」という手続きを行うことが補助を受けた方の義務となっています。
事業実施効果報告(効果報告)とは、申請枠・類型ごとに内容が決められており、ITツールの継続利用や賃金引上げ状況、生産性向上に係る数値目標の状況などを報告するものです。
効果報告する数値の集計対象期間とその報告期間(受付開始~締切)は、申請年度や申請枠・類型ごとに異なります。
詳細は「事業実施効果報告の手引き」や、事務局からの案内をよくお確かめください。
集計対象期間終了まで:効果報告に必要な情報の収集
効果報告に必要な情報は下記のようなものですが、詳細は申請枠・類型ごとに異なりますので、手続きの際は、ご自身が申請された年度の手引きを参照するようにしてください。
- 営業利益
- 人件費
- 減価償却費
- 従業員一人当たりの年間の平均労働時間
- 給与総支給額
- 事業場内最低賃金(時給換算)
- ITツール利用状況キャプチャ
- セキュリティ対策状況
- インボイス対応状況
効果報告の詳細については、下記の記事もご覧ください。
IT導入補助金の効果報告とは?しないとどうなるか、報告期限や流れを解説!
締切当日まで:申請マイページ入力・提出
補助事業者が申請マイページ上で、効果報告の作成(必要な数値・データ、ツールの利用状況・効果等入力)を行います。
IT導入支援事業者が上記の内容を確認した後、補助事業者が事務局へ効果報告を提出する必要があります。
効果報告を期間内に行わなかった場合は、申請枠・類型によっては補助金の返還が求められたりペナルティが生じる場合もありますので、必ず対応するようにしましょう。
まとめ
今回は、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の「交付申請」「実績報告」「効果報告」について、各手続きの締切日から逆算したスケジュール例を解説しました。
大まかなスケジュールを早めに把握し、ポイントを理解しておくことで、手続きを円滑に進めることができます。
また、各手続きは締切が設けられているため、締切ギリギリに焦らないようにするためにも、今回ご紹介した内容を念頭に置いて、余裕をもって必要書類の準備や事前確認などを進めるようにしていただければ幸いです。
当サイトを運営するG1行政書士法人では、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の申請を検討されている事業者とITベンダーであるIT導入支援事業者様を繋ぎ、申請書作成・申請サポートを提供しています。
累計4,500件以上の申請サポート実績がありますので、お気軽にご相談ください。







