IT導入補助金の申請を検討されている方、採択率や採択結果、採択事例が気になっていませんか?
せっかく時間と労力を掛けて申請するなら、確実に採択されたいですね。
この記事では、IT導入補助金の採択率や採択されるためのポイントを詳しくご紹介していきます。IT導入補助金の申請を検討されている方、IT導入支援事業者として申請のサポートをされている方はぜひご覧ください。
当サイトを運営するG1行政書士法人では、IT導入補助金の公募初年度から申請サポートを行っており、過去2,262件(2023年5月31日現在)の採択実績があります。
IT導入補助金について多くの採択事例をご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
目次
IT導入補助金の採択率は?
IT導入補助金とは、自社課題やニーズに適したITツールを導入する際に経費の一部を補助してくれる中小企業や小規模事業者・個人事業者様のための制度ですが、残念ながら全ての申請が採択されるわけではありません。
まずは、過去の採択実績から算出したIT導入補助金の採択率と、公表されている採択基準についてご紹介します。
過去の採択率と推移
IT導入補助金2023で公開されている2022年5月27日~2023年3月23日までの申請数・交付決定数(採択結果)を元に算出すると、採択率の平均は以下の通りです。
- 通常枠A類型:58.1%
- 通常枠B類型:50.5%
- セキュリティ対策推進枠:96.6%
- デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型:82.1%
- デジタル化基盤導入枠複数社連携IT導入類型:66.6%*
*申請数0だった複数社連携IT導入類型4次締切分を除いて計算
各募集回の採択率について詳しくみると、通常枠の採択率は約41%~約70%、セキュリティ対策推進枠は95%以上、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入型)は77~88%で推移していることが分かります。
参考:一社)サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金2023 公式サイトより算出
採択基準と審査プロセス
IT導入補助金の外部審査員会の審査によって採否が決定されますが、各枠組みの公募要領に主な審査項目と加点項目が記載されています。
例えば、デジタル化基盤導入枠 (デジタル化基盤導入類型)の場合は下記のようになっています(公式サイトより一部抜粋)。
<主な審査項目>
審査項目 |
審査事項 |
事業面からの審査項目 |
〇自社がインボイスにも対応するための、生産性向上にもつながる効 果的なITツールを導入しているか 〇自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を 持っているか |
政策面からの審査項目 |
〇生産性の向上及び働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業 に取り組んでいるか 〇国の推進するセキュリティサービスを選定しているか 〇以下、「加点項目について」3)にある賃上げに取り組んでいるか |
<加点項目>
- 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画(IT導入補助金の申請受付開始日が当該計画の実 施期間内であるものに限る)の承認を取得していること。
- 交付申請時点で地域未来牽引企業に選定されており、地域未来牽引企業としての「目標」を経済 産業省に提出していること。
- 以下の要件を全て満たす3年の事業計画を策定し、従業員に表明していること。
・事業計画期間において、給与支給総額*1を年率平均1.5%以上増加
(被用者保険の適用拡大*2の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用 に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
・事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30 円以上の水準にする。 - 導入するITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定していること。
- 令和 4 年度に「健康経営優良法人2023」に認定された事業者であること
- 「地域 DX 促進活動支援事業」における支援コミュニティ・コンソーシアムから支援を受けた事業者であること
- 介護保険法に基づくサービスを提供する事業所で、介護職員等特定処遇改善加算を取得しているものを運営している法人
- 応募申請時点で、以下のいずれかに該当すること。(※第2次締切回より加点対象)
- 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定(えるぼし1段階目~3段階目又はプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている者又は従業員数 100 人以下であって、「女性の活躍推進データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
- 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみん又はプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた者又は従業員数 100 人以下であって、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
引用:一社)サービスデザイン推進協議会 IT導入補助金2023 公式サイト
審査項目と加点項目を十分に考慮し、効果的な申請書を作成できるかどうかがIT導入補助金の採択へ向けたキーポイントになります!
IT導入補助金で不採択にならないための対策は?
IT導入補助金の申請を検討している事業者様にとって、不採択にならないための対策はとても重要です。この章では、より採択率を高めるための具体的なポイントを4つお伝えします。
効果的なITツールを選択する
導入するITツールは、業務の効率化、生産性の向上、顧客対応の改善など自社課題・ニーズを解決できるものを選びましょう。
また、IT導入補助金の採択へ向けては、補助金の事業目的に沿った機能を持つITツールの選択もキーポイントになります。
それらのためには、申請者とIT導入支援事業者が十分にコミュニケーションを行い、IT導入補助金の事業目的や申請者の事業内容・課題、導入するツールをどう生かしていけるのかを理解しておくことが大切です。
基準に合致する計画を策定する
IT導入補助金では、労働生産性や賃金の引き上げに関する目標数値の基準が設定されており、申請類型によってはその達成が必須要件にもなっています。
それらの基準を満たす申請書を作成するためには、自社の現状やITツール導入の目的、予算、スケジュールなどをふまえ、各目標を達成するための取り組みを計画する必要があります。
また目標設定に際しては、根拠に基づいた信頼性のある数字を示しましょう。
過大な数字を提示すると、実現性に疑問が持たれる可能性があります。そのため、現実的で実現可能な範囲内の中から高い目標を設定し、具体的な事業計画を作成することが重要です。
申請内容のクオリティを高める
申請内容のクオリティは、採択の可否に大きく影響すると考えた方が良いでしょう。
IT導入補助金では申請書の字数が限られるため、自社の特長・将来性・社会貢献性や自社課題を的確に分析し、端的にアピールする必要があります。
自社の事業に補助金がなぜ必要かを明確にし、自社の現状を分析した上で補助金を受けることが今後の事業展望にどれ程の影響を生むか強調しましょう。
当サイトでは、過去の採択事例を基に事業上の強み・課題分析からITツールによる課題解決までポイントを紹介しています。ぜひご覧ください。
申請の不備を防ぐ
交付申請時には、公募要領を必ず熟読し詳細要件を理解したうえで、不備のないように手続きを進めましょう。
申請内容に不備があるために不採択になるケースは、意外と多いのが現状です。要件を理解していないために起こる不備のほか、基本情報の入力誤りや提出書類の誤りなど、単純な不備も不採択の原因となることがあります。
入力の間違いや漏れ、提出書類の情報と入力情報が一致しない、などには注意が必要です。例えば、住所の番地の入力漏れや、申請時の基本情報と履歴事項全部証明書に記載されている事業目的や役員情報が一致していないなどのミスには十分に気を付けましょう。
また、提出書類の不備も問題となります。申請時にはいくつかの公的書類を提出する必要がありますが、必要な書類が欠けていたり、要件を満たしていなかったりすると不採択になる可能性があります。
申請日から3ヶ月以内に発行された証明書であるか、納税証明書は税務署が直近で受領したものであるかなど、要件を満たしているかを必ず確認しましょう。
さらに、提出のために書類を電子化する場合には、全ての用紙が正確にデータ化されているか、文字が読み取れない不鮮明な箇所がないかを確認することも大切です。
IT導入補助金の採択結果はいつ分かる?
IT導入補助金の採択結果が発表される日(交付決定日)は事業スケジュールとして事務局より事前に日時が公表されており、過去の日程をみてみると概ね締め切り日から約1か月の期間が設けられています。
交付決定後は、事務局から『申請マイページ』を通じて申請者とIT導入支援事業者の双方に通知されますが、補助事業は「交付決定通知」受領後に開始する必要がある点に注意しましょう。交付決定の前に契約・導入したことで発生したITツールの経費は補助対象になりません。
まとめ
IT導入補助金の採択率と採択基準、採択を目指す上でのポイントをご紹介しました。IT導入補助金の採択には、適切な計画の策定や申請内容の質が大切ですが、特に初めて申請を検討されている場合は「難しく感じた」という方もいらっしゃるかもしれません。
当サイトを運営するG1行政書士法人はIT導入補助金の開始直後から蓄積している申請実績と知見により、申請書作成から実際の申請業務まで包括的なサポートを提供しています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。