「業務の生産性を上げたいが、どこから見直せばよいのか分からない」
「余計な工数を省くためには何をしたらいいんだろう」
このようにお悩みの歯科医院の方はいらっしゃいませんか。
そのお悩み、IT導入補助金を使ってITツールを取り入れることで、解消できるかもしれません。
この記事では、歯科医院の方がIT導入補助金を活用して導入することができるITツールの具体例や、IT導入補助金の活用によって得られるメリットについて解説していきます。
目次
歯科医院の課題
歯科医院は医療インフラの一つであり、人々の暮らしに欠かせない存在であることから今後も需要が絶えることは無いと考えられている一方、様々な課題を抱えているのも確かです。
ここでは、当法人が補助金申請の支援をさせていただく中で、業界全体、または各事業者様からよく伺う課題を解説します。
人手不足
歯科医院の課題としてまず挙げられるのが人手不足です。
人手と一口に言っても、歯科医院の場合は歯科医師から歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手など役割が多岐にわたるため、なぜ人的リソースが足りていないのかを一概に述べることはできませんが、
- 少子高齢化のためそもそもの成り手がいない
- 業務内容と報酬などの待遇が釣り合っていないと感じる労働者が多い
- 女性の従業員が多く、出産などライフステージの節目に伴う退職者が少なくない
といった点が共通していることが多いです。
このような人手不足に対しては、
- 人的リソースに制約がある中でも業務を効率的にこなせるよう工夫する
- 従業員が快適に勤務できるよう、「シフトの融通性を高める」「福利厚生の充実を図る」など職場環境の整備に努め、人材の定着を目指す
といった施策を講じることが人手不足解消の鍵となっています。
患者ニーズの変化
これまで歯科医院は主に虫歯治療のために利用されてきましたが、予防意識の向上や定期検診の普及により、昨今では虫歯の患者は減少傾向にあります。
一方、虫歯や歯周病を事前に予防するために通う人や、ホワイトニングや歯列矯正など審美性を追求するための治療をしたいという層は増加しており、このような患者ニーズの変化に適応していけるかという点も、多くの歯科医院が抱える課題となっています。
市場内でのシェア争いの激化
現状全国の歯科医院の数はコンビニよりも多いとされており、特に都市部ではシェア争いが激しくなっています。
このことから、
- 予約システムや決済を電子化し、患者にとって利用しやすい環境を構築する
- 専門性に優れた治療や独自のサービス提供を行い、競合と差別化を図る
といった方法で利用患者を確保するための取り組みをされていることを、事業者の方からよくお聞きします。
歯科医院がITツールを導入するメリット
それでは、歯科医院がITツールを導入することでどういったメリットが期待できるでしょうか。
ITツールを導入し、業務をデジタル化することで、
- これまで手作業で行っていた業務の手間が減少することで、無駄な人件費を抑えられ人的リソース不足の解消に繋がる
- 売上や在庫など把握しづらかった情報が可視化でき、経営の見直しや改善に役立てることができる
- 業務効率化で捻出できた時間を、新しいサービスを提供するための施策考案や、従業員の研修などに割けるようになる
- 導入するITツールの種類によっては院内だけではなく患者側の利便性も向上でき、利用者の増加が望める
といった効果を見込むことが可能になります。
導入するITツールの例
ここからは、歯科医院で導入されることの多いITツールの具体例を解説していきます。
電子カルテ
電子カルテは、紙ベースで記入・管理していたカルテを電子化したものです。
患者のデータを一元的に管理できることから、
- 必要な情報をすぐに検索・共有できるため、従業員の業務負担や患者の待ち時間を低減できる
- カルテの記入作業が省力化される
- 院内の省スペース化に繋がる
といった利点があります。
また、検査データや会計ソフトなど他の媒体との連携が可能な電子カルテを選べば、相乗的な業務効率化を図ることもできます。
電子カルテの詳細については、以下の記事も併せてご覧ください。
【クリニック・歯科医院】IT導入補助金が使える「電子カルテ」とは
会計ソフト
会計ソフトは、収支の把握や帳簿の作成といった会計業務を電子化できるITツールで、経理や売上分析の自動化・効率化が実現できます。
それまで財務情報の入力や確認に充てていた工数や人的ミスの削減なども見込めるため、従業員の作業負担を緩和することも可能です。
会計ソフトの詳細は、こちらの記事もご覧ください。
【経理・会計】IT導入補助金で導入できる「会計ソフト」とは | G1-info
予約管理システム
予約管理をシステム化することで、予約の受付や情報の管理を自動化することができ、受付業務の作業負担を減らすことが可能になります。
また、ツールによってはリマインド通知なども行えるため、患者の無断キャンセルによる来院機会の損失防止も期待できます。
さらに、患者にとっても電話などを使わず、また歯科医院の営業時間外であっても好きな時に予約ができるようになるため、利便性や利用機会の向上に繋がります。
在庫管理システム
歯科医院では、診察に必要な機器や薬品などの在庫は常に確保しておく必要がある一方で、人力や手作業での在庫管理は大きな労力を要します。
そこで、在庫管理システムを導入することによりツール上で在庫状況をリアルタイムで確認できるようになり、メーカーによっては備品の自動発注まで可能になるものもあります。
これにより、在庫切れや無駄な廃品処理を回避しつつ、労働生産性向上を見込むことができます。
レセプト管理システム
レセプトは医療機関が健康保険組合に提出する月次の診療報酬明細書です。
レセプト処理にあたっては、診療報酬を正確に請求するためにも不備や抜けの無い管理が求められますが、手作業で完璧な対応をするのは非常に骨が折れ、また過大な時間を要します。
そこで、レセプト管理システムを使うことで、電子カルテや保険点数の情報との連携や、レセプトデータの自動作成などが可能になり、レセプト処理業務の効率化や人的ミス削減を図れるようになります。
自動精算機
自動精算機とは、会計業務を自動化できるシステムです。
文字どおり患者自身で会計精算を行えるため、従業員が対応することなく無人で支払いを完結させることができます。
そのため、人的工数や釣銭の渡し間違いといったミスの削減に役立つだけではなく、患者にとっても会計の待ち時間が減り、利便性が向上するというメリットがあります。
ITツールの導入にIT導入補助金の活用をおすすめする理由
歯科医院の労働生産性向上に寄与するITツールは数多くありますが、このようなツールを導入する際に活用いただきたいのがIT導入補助金です。
ここからはIT導入補助金の概要や、当法人がIT導入補助金の活用を推奨している理由を解説していきます。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、ITツール(ソフトウェアやサービス等)の導入を通じて、中小企業・小規模事業者の生産性向上やデジタル化推進を支援することが目的の補助制度です。
申請枠や類型は、導入するITツールの種類によっても異なりますが、2025年のIT導入補助金においては以下の申請枠・類型が設けられています。
- 通常枠
- インボイス枠(電子取引類型・インボイス対応類型)
- 複数社連携IT導入枠
- セキュリティ対策推進枠
IT投資の自己負担額を抑えられる
当法人がIT導入補助金の活用をおすすめする主な理由として、「IT投資の自己負担額を抑えられる」というものがあります。
前述のようにIT導入補助金には様々な申請枠や類型があり、補助額や補助率、対象となる費用はそれぞれ異なるものの、最大で450万円の補助を受けることができ、補助率も1/2~4/5と高めの設定となっています。
IT導入補助金を活用すれば限られた費用の中でもITツールの導入が可能となるため、
「生産性を上げたいが、予算の関係でITツールの導入に踏み切れない」という方にこそ、ご活用いただきたい制度です。
申請はIT導入支援事業者にフォローしてもらえるので安心
IT導入補助金には「IT導入支援事業者と共同で申請手続きを行う」という他の補助金とは異なるスキームになっています。
IT導入支援事業者とは、IT導入補助を申し込む中小企業・小規模事業者に対してITツールの導入や販売、運用関連の相談から、実際の申請作業や採択後の諸手続きまで、総合的にサポートする事業者のことです。
手間が増えるのではないかと感じる方もいるかもしれませんが、実際には「どのITツールを自社に取り入れるべきか」などを随時打ち合わせしながら進められたり、申請手続きに関しても丁寧にサポートしてもらえることが多いため、
・補助金申請を初めてするので進め方がわからない
・パソコン操作に慣れていない
といった方にもご利用いただきやすい仕組みとなっています。
ただし、IT導入補助金で申請することができるのは「IT導入補助金事務局に事前登録済のIT導入支援事業者が提供するITツール(ソフトウェア、サービス等)」のみであるという注意点があります。
そのため、ITベンダー・サービス提供事業者やITツールを選ぶ際は、IT導入補助金事務局へ登録されているかあらかじめ確認するようにしましょう。
なお、当法人でIT導入支援事業者をご紹介させていただくことも可能ですので、「どこのIT導入支援事業者に頼めば良いのかわからない」と悩まれている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
他の補助金と比較すると手続きがシンプル
「補助金の申請は大変そう」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、IT導入補助金は申請に必要な書類が比較的少なく、申請作業もオンラインで自分が作業可能のタイミングで行える仕組みになっています。
更に入力内容や申請の流れもシンプルでわかりやすいため、忙しくて時間の確保が難しい方でも、日常業務に支障をきたすことなく取り組んでいただける補助金であると言えます。
IT導入補助金を活用して実際に業務効率改善や生産性向上を叶えた事業者様も多数いますので、気になる方はぜひ当法人の採択事例集もご覧ください。
まとめ
今回は歯科医院を経営されている方に向けて、IT導入補助金の内容や活用をおすすめする理由などを解説しました。
「ITツールを導入して労働生産性を上げるために、IT導入補助金を使ってみたい!」とお考えの歯科医院の方は、ぜひG1行政書士法人にご相談ください。
G1行政書士法人では、IT導入補助金が始まった当初から、歯科医院の方はもちろん様々な事業者様の申請をサポートしてきました。
累計4,500件以上の圧倒的な対応実績とナレッジを活かし、採択に向けて事業者様ごとに最善のご提案とサポートを提供しています。
IT導入補助金の活用を検討している中小企業・小規模事業者の方、ITベンダー・サービス事業者の方は、お気軽に当法人までお問い合わせください。