IT導入補助金は採択が決定した後にITツールの支払いを申請者が先に行い、必要手続き後に補助金が振り込まれる後日精算形式です。
IT導入補助金の利用を検討している方の中には、補助金が振り込まれるまでの資金繰りが不安な方もいるかと思います。
そのような時に活用できる資金調達手段として「つなぎ融資」があります。
この記事では、IT導入補助金の利用に伴ったつなぎ融資について、その詳細を解説していきます。
目次
つなぎ融資とは
つなぎ融資とは、補助金が振り込まれるまでの間、一時的に不足する資金を短期的に補うことを目的とした融資です。
一般的に、補助金は採択や交付決定したらすぐに受け取れるというものではなく、例えばIT導入補助金の場合であれば、交付決定日からおおよそ4か月~8か月後に振り込まれるスケジュールになることもあります。
多くの補助金は実際に補助事業を行った後に支払われる仕組みとなっているため、申請者はまず自分で補助事業を実施するための費用支払いを負担する必要がありますが、中にはこれによって資金繰りが苦しくなるケースも存在します。
こういった場合に、補助金を受け取るまでの資金繰りを支える方法として活用されるのがつなぎ融資です。
「補助金が実際に入金するまでの資金繰りに自信が無いため、補助金申請をためらっている」という方も、つなぎ融資を活用することで資金のやりくりの心配をすることなく、補助金に挑戦していただくことが可能になります。
また、補助金が交付決定している時点で、経営計画の内容がある程度の基準を満たしていると評価されていることになるため、つなぎ融資の場合は金融機関からの信頼が得やすく通過率が比較的高いというのもポイントです。
なお、つなぎ融資を提供している主な金融機関としては、日本政策金融公庫や銀行、信用金庫などがあります。
つなぎ融資を利用するメリット
IT導入補助金においてつなぎ融資を利用する代表的なメリットとしては、以下が挙げられます。
スピーディーに資金確保できる
つなぎ融資の場合、資金使途がはっきりしており、短期返済の見通しが立っているため審査にかかる時間が短くなり、その分資金調達も比較的スピーディーに行えることが多いです。
安心して返済計画を策定できる
IT導入補助金の入金が見込まれているため、返済ができなくなる懸念を低減させながら返済計画を策定することができます。
事業の停滞を回避できる
つなぎ融資の利用により「一時的な資金不足のため、新規事業の着手や事業分野の拡大に資金を割けない」といった事態を回避することができます。
つなぎ融資を利用・返済するタイミング
IT導入補助金が交付されるまでの大まかな流れは下記となっています。
①申請
②採択・交付決定
③補助事業実施(ITツールの契約、支払い等)
④実績報告
⑤補助金交付(入金)
つなぎ融資の利用を検討している場合は、①の申請前から金融機関へ事前に相談しておくとその後の手続きを円滑に進めることができます。
また、IT導入補助金を交付してもらえることが決まった後にITツールの支払いを済ませることになりますが、この時に手元の資金だけではやりくりが苦しくなるケースが発生します。
よって、IT導入補助金でつなぎ融資を利用する場合、③の補助事業実施(ITツールの導入)の時点で融資に申し込むことが一般的です。
その後に実績報告を行い、問題が無ければ補助金が入金される流れとなりますので、つなぎ融資の返済は⑤補助金交付(入金)の後に滞りなく行いましょう。
※IT導入補助金が入金されるまでの詳細は以下の記事をご覧ください。
<IT導入補助金はいつ入金される?入金までの流れや注意点をご紹介!>
つなぎ融資を利用する際の注意点
IT導入補助金に申し込む際の資金繰り方法として有効なつなぎ融資ですが、利用する場合はいくつか注意したい点もあります。
事業スケジュールとつなぎ融資のスケジュール
IT導入補助金におけるつなぎ融資は、補助事業を実施する際に必要になることが多いため、このタイミングで資金を確保できるようきちんと事業のスケジュールを確認しておくようにしましょう。
また、IT導入補助金が振り込まれた後スムーズに返済が行えるよう、つなぎ融資の返済スケジュールもしっかりと把握しておくことも大切です。
つなぎ融資の申し込みに当たり必要な書類を早めに用意しておく
つなぎ融資に申し込む際は、次のような書類の提出が必要になることが多いです。
●IT導入補助金の交付決定通知書
●事業計画書
●決算書や確定申告書
実際にITツールを導入して補助事業を実施するとなると、そちらで手一杯になるケースもありますので、あらかじめ準備できそうな書類は可能な限り早めに用意しておくと安心です。
また、上記以外の書類の提出が求められる場合もありますので、どういった書類が必要になるかは早い段階で確認しておくようにしましょう。
借入金額が補助金額を超えないようにする
つなぎ融資はあくまで補助金が入金されるまでの資金繰りを安定させることが目的ですので、補助金を受け取った後のつなぎ融資の返済負担が重くなってしまっては本末転倒です。
このため、つなぎ融資の借入金額はIT導入補助金で交付してもらえる想定の金額を超えない範囲に留めることが大切です。
つなぎ融資はどこに相談ればいい?
「IT導入補助金を利用する際につなぎ融資も使いたいが、どこに相談すればいいのかわからない」という方もいるかと思います。
つなぎ融資の相談窓口も様々ですが、主な相談窓口としては以下が挙げられます。
金融機関
つなぎ融資の相談先として一般的なのは金融機関です。
日頃から取引しているメインバンクがある場合は、その銀行に相談するのも一つの方法です。
また、つなぎ融資に精通していたり、積極的に取り組んでいる金融機関が近くにある場合は、そちらに相談してみるのも有効です。
IT導入補助金の申請サポートを提供している専門家
IT導入補助金を申請する際、専門家から別途サポートを受ける場合は、その専門家につなぎ融資の相談をしてみるという方法もあります。
補助金申請のサポートを提供している専門家は補助金に関連する全般に精通していることが多く、金融機関との仲介などにも対応してくれる場合があるからです。
なお、当サイトを運営するG1行政書士法人もIT導入補助金ご利用時のつなぎ融資に関してご相談を承ることが可能ですので、興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、IT導入補助金の利用に伴ってつなぎ融資を利用する場合の詳細について解説しました。
つなぎ融資を活用することで、IT導入補助金が入金されるまでの資金繰りを円滑にすることが可能です。
「IT導入補助金を使ってみたいが、補助金を受け取るまでの資金繰りに不安がある」という方は、ぜひつなぎ融資のご利用もご検討いただければと思います。
また、つなぎ融資に関するご相談はG1行政書士法人でもお伺いすることができますので、お気軽にご相談ください。
G1行政書士法人では、IT導入補助金開始当初から様々な事業者様の申請サポートを行ってきました。
累計実績4,500件以上の業界屈指の対応実績と高い専門性をもとに、採択獲得に向けてベストなご提案をさせていただくことが可能です。
IT導入補助金を活用したい中小企業・小規模事業者の方や、ITベンダー・サービス事業者の方は、お気軽に当法人へご相談ください。