IT導入補助金の申請を考えている方にとって、必要書類の正確な把握、準備はスムーズに手続きを進めるために重要です。
特に、納税証明書は複数の種類があり、なにを取得して提出すべきか迷う方も少なくありません。
この記事では、申請に必要となる納税証明書を始めとした必要書類と取得方法、注意すべきポイントについて解説していきます。
IT導入補助金の申請に必要な書類一覧
IT導入補助金の申請では、法人と個人事業主で異なる書類が求められますので、必要な書類を事前に準備しておくことが大切です。
法人の場合に必要な書類
1.履歴事項全部証明書
・交付申請日から3ヶ月以内に発行されたものが必要です。
2.法人税の納税証明書(その1またはその2)
・直近期の分が必要です。
※一期の決算を迎えている必要があります。
・都税・県税事務所ではなく、税務署で発行されたものが必要です。
・電子納税証明書の場合は、交付請求時にPDF形式にて発行されたフォーマット(窓口発行の納税証明書と同一フォーマット)のみ有効です。
※XML形式で発行された納税証明データシート等は認められません。
個人事業主の場合に必要な書類
1.運転免許証または運転経歴証明書または住民票
・住民票は登録申請日から遡って、3か月以内に発行されているものが必要です。
・運転免許証は登録申請日が有効期限内のものが必要です。
・運転免許証の裏面に変更履歴が記載されている場合は、裏面も提出してください。
2.所得税の納税証明書 (その1またはその2)
・直近年分のものが必要です。
・税務署で発行されたものが必要です。
・電子納税証明書の場合は、交付請求時にPDF形式にて発行されたフォーマット(窓口発行の納税証明書と同一フォーマット)のみ有効です。
※XML形式で発行された納税証明データシート等は認められません。
3.確定申告書の控え
・直近年分のものが必要です。
・税務署にて受領されていることが確認できるものに限ります。
納税証明書の種類
以下の表は、納税証明書の種類とその内容です。
納税証明書の種類 |
証明内容 |
対象 |
その1 |
納付すべき税額、納付した税額、未納税額などを証明 |
法人および個人事業主 |
その2 |
所得金額を証明 |
法人および個人事業主 |
その3の1 |
未納の税額がないことを証明 |
法人および個人事業主 |
その3の2 |
個人事業主の申告所得税、復興特別所得税、地方消費税、消費税を証明 |
個人事業主 |
その3の3 |
法人税と消費税および地方消費税を証明 |
法人 |
その4 |
証明を受けようとする期間に滞納処分を受けていないことを証明 |
法人および個人事業主 |
IT導入補助金の申請において必要となるのは、直近分の「その1」または「その2」です。
納税証明書の取得方法
納税証明書の取得方法は、オンライン取得と書面取得の2つの方法がありますので、それぞれ解説します。
オンラインでの取得方法
パソコンやスマートフォンを使用して、国税庁の「e-Tax」システムを通じてオンラインで請求する方法です。
e-Taxログイン後、3つの受け取り方法が選べます。
1.窓口受取
e-Taxを使って請求後、税務署の窓口で受け取る方法です。
「納税証明書の交付請求(署名省略分)」を選択のうえ、必要事項を入力して送信してください。
2.郵送受取
e-Taxで請求し、郵送で受け取る方法です。
電子証明書が必要となり、選択項目は「書面交付用」です。
3.電子納税証明書(PDF/XML形式)で受け取る方法です。
電子証明書が必要となり、選択項目は「納税証明書の交付請求(電子交付用)」です。
IT導入補助金の申請における電子納税証明書はPDF形式のみ認められています。
書面での取得方法
1.郵送による交付請求
納税証明書交付請求書を郵送で税務署に送付します。
<必要なもの>
- 納税証明書交付請求書
- 手数料相当の収入印紙
- 返信用封筒(切手付き)
- 本人確認書類の写し(個人のみ)
2.窓口での交付請求
税務署の窓口で直接行う手続きです。
<必要なもの>
- 納税証明書交付請求書
- 収入印紙または現金
- 本人確認書類(代理人による請求の場合は委任状が必要)
詳細は、税務署の「留意事項・記載要領」を確認してください。
納税証明書に関する注意点
申請書類に不備があると、申請が差し戻されたり、最悪の場合は不採択になることがありますので、法人税や所得税の税目が正しいか、年度が最新であるかなどを確認しましょう。
よくある間違いとして、税務署ではなく都税や県税事務所で取得できる納税証明書もありますが、これは税目が違うため申請には使えません。
必ず税務署で発行された納税証明書を取得してください。
また、納税額が0円でも、納税証明書を取得することができ、納税証明書上は「納付すべき税額がない」などと記載されますが、IT導入補助金の申請には支障ありません。
大切なことは、該当する納税証明書を提出することです。
しかし、事業者として初年度の決算および納税を迎えていない場合は、納税証明書は発行されないため、その場合はIT導入補助金の申請を見送る必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では申請に必要な書類、特に納税証明書の種類と取得方法、注意すべきポイントを解説しました。
申請時期に合わせて、適切なものを取得することが重要となりますので、スムーズに申請を進めるためにも、事前に準備を整えておきましょう。
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