IT導入補助金のIT導入支援事業者(ITベンダー)と申請者をサポート

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【非営利法人も使える!】医療法人・社会福祉法人・学校法人のIT導入補助金活用例

【非営利法人も使える!】医療法人・社会福祉法人・学校法人のIT導入補助金活用例

IT導入補助金は、株式会社や合同会社などの営利法人でなくても利用ができることをご存知でしょうか。

医療法人や社会福祉法人などの、これまで補助金の申請対象外であることが多かった非営利法人もIT導入補助金では申請が可能となっています。

そこで今回は非営利法人の方にもお使いいただけるIT導入補助金に関して、その概要やIT導入補助金でITツールを導入するメリットについて解説いたします。

医療法人、社会福祉法人、学校法人の課題

IT導入補助金について説明する前に、まずは医療法人、社会福祉法人、学校法人などの非営利法人が抱える問題を見ていきましょう。

ここでは当法人が補助金申請をサポートさせていただく中で、法人全体、また事業者様単位で共通して伺うことの多い課題をご紹介いたします。

人手不足

医療法人、社会福祉法人、学校法人が直面している問題の一つとして、まず「人手不足」が挙げられます。

当法人でも診療所、保育園、福祉施設、老人ホーム、私立学校などを営む事業者の方から「人材が足りていない」というお悩みをよく伺います。

人手不足の原因は一概には言えませんが、「給与が求職者の希望に合わず、なかなか採用に至らない」「体力を要する仕事で負担が大きいにも関わらず、仕事と責任に見合った待遇を受けられないため離職率が高い」といった要因が挙げられます。

少子高齢化が進み今後利用者がますます増える見込みである医療機関・福祉施設経営においては、人手が足りていないという現在の状況は特に深刻な問題であると言えます。

「どのようにして、限られた人員・経営資源で業務をこなせるよう効率化を図るか」
「新たな施策を考案し、収入を伸ばしていけるか」
そしてその結果、
「賃金を上げるなど、どれだけ待遇面を改善し、人材を定着できるか」

といったことが、人手不足解決のための鍵となっています。

業務量の多さ

業務の量が膨大であるという点も、医療法人、社会福祉法人、学校法人の課題の一つです。

業務過多になる原因としては、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 医療機関(医療法人)の場合
    把握するべき情報が多く、カルテや医療書類の記入、申し送りなどに時間がかかる
  • 福祉施設(社会福祉法人)の場合
    利用者の介助といった現場での仕事に加え、書類業務等もこなしていく必要がある
  • 幼稚園・保育園(学校法人)の場合
    子どものお世話だけでなく、書類作成業務や季節ごとのイベントに向けた装飾制作などの準備、保護者へのお便り作成や連絡帳記入など、保育以外の業務対応も求められる 

上述の人材不足も影響し、従業員に任される仕事の種類が多岐にわたり、必然的に業務量も増える傾向にあります。

これらの問題に対しては

  • 「現在のフローで改善できる部分は無いか、業務プロセスを見直す」
  • 「手作業で行っている仕事を電子ツールなどで代替し、業務を省力化する」

といった方法で膨大な業務量を削減する取り組みをされていることを、事業者の方からお聞きします。

IT導入補助金は非営利法人でも使える!

医療法人、社会福祉法人、学校法人の課題解決の推進には、IT導入補助金の利用がおすすめです。

IT導入補助金を使うメリットの詳細は後述いたしますが、大きな特徴の一つに「非営利法人でも申請可能な補助金である」ということがあります。

例えばIT導入補助金と並んでご相談の多い「小規模事業者持続化補助金」では、医療法人や社会福祉法人、学校法人、一般社団法人などは申請対象外となっていますが、IT導入補助金においてはこれらの法人も応募することが可能です。

診療所、保育園、福祉施設、老人ホーム、私立学校など、これまで補助金の対象外で申請する機会がなかった事業者の方も、ぜひ挑戦してみてください。

ITツール導入でできること

ここまでで、様々な課題と対策があることをご理解いただけたかと思いますが、ではそれらに対しどのようなITツールが導入できて、どのようなメリットがあるでしょうか。

ITツールを使い業務のデジタル化を推進することで、

  • それまで人的コストを割いていた部分を削減し、その時間を別の業務に充当することができる
  • 残業時間を短縮することができる
  • データの収集がしやすくなるため、利用者の情報を適切に把握できるようになりサービスの向上に活かせる

といった効果が期待できます。

対人のやり取りが多く、また利用者とのコミュニケーションが肝となる業種だからこそ、ITツールをうまく利用して業務を効率化し、生産性や利用者の満足度の向上に繋げていきたいですね。

全法人で使用可能なITツールの例

「ITツールを導入する利点はわかったけど、じゃあ医療法人や社会福祉法人、学校法人の場合ってどんなITツールが使われることが多いんだろう」と感じる方もいらっしゃるかと思います。

ここからは、具体的なITツールの説明をしていきます。

まずは全法人で使用可能なものから見ていきましょう。

会計ソフト

まず挙げられるのが、マネーフォワードやfreeeといった会計ソフトです。

会計業務を手作業や紙管理で行っている事業者様は今日においても少なくありませんが、会計ソフトの利用により、単に記録をデジタル化できるだけでなく、帳簿やレポートの自動作成や会計事務所との連携なども簡単に行えるようになり、経理業務・売上分析の効率化が期待できます。

また、簿記や会計の知識がなくても、家計簿のような形で入力ができることから、専門の経理担当がいない事業者の方にもおすすめです。

さらに、会計システムの導入は、2023年10月よりスタートしたインボイス制度対応にも役立ちます。

「会計業務の効率化とインボイス管理を一緒に進めたい」という方は、是非導入をご検討ください。

【経理・会計】IT導入補助金で導入できる「会計ソフト」とは【経理・会計】IT導入補助金で導入できる「会計ソフト」とは

勤怠・労務管理ソフト

従業員のシフトやスケジュール、休暇等を管理し、人事や経理業務と連携できる勤怠・労務管理ソフトも生産性向上に有効です。

複雑になりがちな勤怠・労務の管理を、ITツールを用いて一括で処理することで、それまでこれらの業務に充てていた時間の省力化や、人的ミスの削減といった効果が期待できます。

勤怠・労務管理ソフトの詳細については当法人の別記事にも記載がありますので、ぜひ併せてご覧ください。

【総務・人事】IT導入補助金で導入できる「勤怠管理システム」とはIT導入補助金で導入できる「勤怠管理システム」とは

顧客管理システム

顧客管理システムとは、その名のとおり顧客の情報を管理するためのシステムのことで、CRM(Customer Relationship Managementの略)とも呼ばれます。

顧客情報や過去の取引履歴など、お客様に関する様々な情報を管理・分析することができるため、円滑な顧客対応や新規事業の立案などに資するシステムとなります。

非営利法人が顧客管理システムを導入するメリットとしては、下記のようなものが挙げられます。

【営業DX】IT導入補助金で導入できる「SFAツール」とは【CRM・SFA】IT導入補助金で導入できる「Salesforce」とは

医療機関(医療法人)の場合

  • それまでバラバラに保管されていた患者の情報をまとめて管理できるようになるため、業務を効率化できる
  • 患者やその家族とのやり取りが円滑になる

福祉施設(社会福祉法人)の場合

  • 利用者の基本情報はもちろん通院状況や親族に関するデータ等も一括で管理できるため、ケアプランやスケジュール、請求書の作成等を無駄なくできるようになる
  • ソフトによっては利用者の好きな食べ物や趣味といった項目も記載でき、施設内でのイベントやレクリエーションなどに活かすことで顧客満足度の向上を見込むことができる

幼稚園・保育園(学校法人)の場合

  • 園児と保護者の情報を同時に管理でき、保護者への連絡を円滑に行うことができる
  • 毎年の卒入園に伴う園児の情報の更新を簡素化できる

給食管理ソフト

給食管理ソフトとは、給食に関する情報を効率よく管理できるソフトのことです。

医療機関や福祉施設、幼稚園・保育園で働いている方が、利用者・患者の食事の内容や栄養バランス、アレルギー等細かい情報を適切に把握するのは通常大きな負担が伴います。

そこで給食の献立や調理方法、アレルギー情報等を一元管理できるソフトを導入することでメニュー考案時の能率向上や情報共有効率化による従業員の業務の負担削減等といった効果を期待することができます。

また、電子カルテや介護ソフトなど他のITツールと連携できるものや帳票作成が可能なものもあるため、事業に合わせた給食管理ソフトを使用することで相乗的な生産性向上を見込むことが可能となります。

医療法人で使用可能なITツールの例

医療法人で使用可能なITツールの例

次に、医療法人に特化したITツールの例を紹介します。

電子カルテ

電子カルテとは、これまで医師や歯科医師が記入していた紙のカルテを電子的なデータに置き換えたものです。

患者の情報を一元的に管理することが可能になるため、

  • 確認したい情報を見つけやすくなりそれまでカルテを調べるのに要していた時間を削減できる
  • カルテの記入作業が簡素化される
  • 病棟間でのデータの共有も容易になる

といったメリットがあります。

また、厚生労働省は2023年7月7日に発表した「医療DXの推進に関する工程表について(報告)」において、「概ねすべての医療機関において、必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す」という目標を掲げており、この点からもまだ紙のカルテを使用している医療機関も電子カルテの導入に向けて早い段階で具体的な対応を取る利点があると考えられます。

電子薬歴システム

電子薬歴システムとは、調剤薬局で使用されるレセプトコンピューターと連携して、患者にそれまで処方した薬の内容や効果、副作用の有無、服薬に際しての患者への説明事項や疑義照会などを電子的に記録できるシステムのことです。

電子薬歴システムを導入することで

  • 情報の確認が容易になる
  • 薬歴を手書きする必要が無くなり、記入時間を大幅に削減できる
  • 薬の調合や服用内容が前回と異なる場合、サジェスト機能やアラート機能でその旨が案内されるため、ミスを事前に防ぐことができる

といった効果が期待できます。

POSレジ

POSとはポイント・オブ・セールの略で、お客様と金銭の授受が発生した時点で商品の販売情報を収集、管理する機能を備えたレジのことをPOSレジと言います。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットでよく導入されており、「販売された商品が何か」「いつ売れたか」「いくらで売られたか」「何個販売されたか」などの情報を自動的に収集・集計することができます。

このPOSレジは医療機関でも活用することができ、「どの患者にいつどのような診察を行い、請求金額がいくらだったか」といった情報をリアルタイムで管理することが可能です。

POSレジを導入することで「保険適用額や未収金額を短時間で算出することが可能なため、窓口の負担を削減し人手不足解消に繋げられる」

その結果、「患者の待ち時間を減らすことができ、顧客満足度の向上を見込める」といった効果が期待できます。

またレジの種類によっては会計ソフトとも連携ができるため、売上データの分析等も行うことができ、事業の施策立案等に役立てることも可能です。

RPAツール

RPAツールとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略で、ソフトウェア・ロボットまたはロボットを使用して、人間が行うルーティーンを自動化することができるツールです。

RPAは、手順が定型化されている業務やデータ処理の自動化に特に適しており、画面上での操作やデータ入力、情報の取得などを自動的に行うことができます。

これにより作業者はより高度な作業や判断力を必要とするタスクに集中することができ、生産性を向上させることが期待されています。

医療法人においては、

  • レセプトのチェック
  • 各種データの自動登録
  • 電子カルテの取り込み

などに使用されており、それまで人間が手動で行っていた作業を機械が代替できることから人手不足解消や人的ミスの防止に役立ちます。

社会福祉法人(福祉施設等)で使用可能なITツールの例

社会福祉法人(福祉施設等)で使用可能なITツールの例

社会福祉法人で使用されるITツールの例としては、以下のようなものが挙げられます。

介護ソフト

介護ソフトとは、介護施設などで使用されるツールで、利用者への介護記録といった現場での作業内容から国保連合会への介護保険請求など、多岐に渡る業務を一括で管理することができます。

介護ソフトの導入により利用者の情報共有が容易になるだけではなく、職員の給与やシフトの管理も一元的に行えるようになります。

そのため、それまで本来の介護の仕事以外のバックオフィス業務に取られていた時間や人手を削減することができ、労働環境の改善などが可能となります。

また介護記録の作成に特化した「介護記録ソフト」や、訪問看護業務のデータ作成などに重きを置いた「訪問介護ソフト」などもあるため、自身の施設の課題やニーズにあったソフトを検討されてみるといいでしょう。

学校法人(幼稚園・保育園等)で使用可能なITツールの例

学校法人(幼稚園・保育園等)で使用可能なITツールの例

最後に、学校法人特有のITツールを見ていきましょう。

保育・教育施設向け ICTソフト

保育・教育施設向け ICTソフトとは、パソコンやタブレット、インターネットなど、情報通信技術(ICT)を利用して保育や教育に関する業務全般を支援するソフトのことです。

保育・教育施設向けICTシステムの導入により、保護者とのやり取りや記録管理、書類の整理、請求処理などがオンラインでできるようになります。

これにより、職員間や保護者とのコミュニケーションが円滑になり、情報共有の迅速化、効率化、精度向上が期待できます。

ITツールの導入にIT導入補助金の利用をおすすめする理由

「ITツールの導入が生産性向上に有効だということはわかったけど、導入費用を払えるか不安」といった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような事業者様に是非ご利用いただきたいのが、IT導入補助金です。

ここからは、IT導入補助金の概要と利用するメリットを紹介していきます。

そもそもIT導入補助金とは

「IT導入補助金の利用がおすすめと言うけど、そもそもIT導入補助金って何?」と感じた方もいらっしゃるかと思います。

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者の方が、生産性向上を図るにあたっての課題やニーズに合ったITツール(ソフトウェア、サービス)を導入する際の、経費の一部に補助が受けられる制度です。

申請枠・類型は、どのようなITツールを導入するかによって異なり、2024年2月から始まるIT導入補助金2024においては、「通常枠」と「インボイス枠(電子取引類型・インボイス対応類型)」、「複数社連携IT導入枠」、「セキュリティ対策推進枠」が設定されています。

少ない自己負担でツールの導入が可能

補助額・補助率・対象経費(対象ツール)は申請枠・類型によって異なりますが、全体で補助額は最大450万円、補助率は1/2~4/5になっています。

申請が採択され補助金が交付されれば、自己負担額を抑えた投資が可能ですので、業務の効率化や労働生産性の向上を目指したい事業者の方にぜひご活用いただきたい制度となっています。

申請作業はIT導入支援事業者がサポートするので安心

IT導入補助金の大きな特徴の一つが、「IT導入支援事業者と連携して申請作業を行う」という点です。

IT導入支援事業者とは、IT導入補助金を申請する申請者(中小企業・小規模事業者)に対して、ITツールの導入(販売)や運用方法の相談等のサポート、及びIT導入補助金の申請や実績報告等の事務局に提出する各種申請・手続きのサポートを行う事業者です。

IT導入補助金は他の補助金とは異なり、必ずIT導入支援事業者と連携して申請作業をする必要があり、申請者単独で申請することはできません。

逆に言えば、どのようなITツールを導入するか等を適宜相談したり、申請作業のフォローを受けたりしながら手続きを進めることができます。

「補助金の申請をするのが初めてなので、何から手をつけたら良いのかわからない」
「パソコン作業等に不慣れなので、自分だけで手続きを行うのは心配」

という方には心強い仕組みと言えそうですね。

注意点としては、申請対象となるITツールは、事前にIT導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供するITツール(ソフトウェア、サービス等)のみとなっている点です。

そのため、ITベンダー・サービス事業者やツールの選定にあたっては、IT導入補助金事務局への登録があるかを、事前に確認することが大切です。

なお、G1行政書士法人ではIT導入支援事業者の紹介も行っています。

「いつも利用しているITサービス事業者がIT導入支援事業者に登録していない」
「新規で依頼したいと考えているが、自分の使いたいツールをどのIT導入支援事業者が対応しているのかわからない」

という方は、是非当法人にご相談ください。

他の補助金より手続きがシンプル

「補助金の申請って、手続きが複雑で難しそう」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしIT導入補助金では必要な書類も少なく、基本的にオンライン入力で申請が完結するようになっており、入力すべき内容も非常にシンプルに設計されていますので、日々の業務で忙しいという方にも挑戦しやすい制度となっています。

IT導入補助金を利用して業務の効率化、労働生産性の向上に成功した事業者様が多数いらっしゃいますので、「どんな規模の、どんな事業者が申請しているのかな」と気になった方は、当法人の採択事例集もぜひご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

少子高齢化など社会的背景も作用し、様々な問題を抱える医療法人、社会福祉法人、学校法人ですが、ITツールの導入や補助金をうまく活用し、着実に対処していけば、様々な課題も効果的に解決していけるものと考えます。

今回の記事を読んで「IT導入補助金を使ってみたい!」とお考えになった事業者様やITベンダー・サービス事業者の方は、G1行政書士法人にご相談ください。

非営利法人はもちろん、様々な業種のお客様の申請サポートに携わらせていただいた実績を活かし、申請書作成・実際の手続きのお手伝いをさせていただきます。(採択件数4,451件、2023年度採択率91.6%)

ぜひお気軽にお問い合わせください。