IT導入補助金の ITツール

IT導入補助金のITツール登録

IT導入補助金のITツール

IT導入補助金は、WEB・ECサイト制作事業者様などのIT事業者様が提供するサービスに補助金が活用する事が可能なため、顧客側からはコスト負担に対して補助金を活用できる大きなメリットがあります。

ただし、IT導入補助金を活用するためには、IT導入支援事業者登録だけでは、まだIT導入補助金を活用して顧客に提案する事はできません。

IT導入支援事業者IT導入補助金を活用するには【ITベンダー・サービス事業者編】

IT導入支援事業者登録が完了すれば、次に補助金を活用したい自社の提供サービスの「ITツール」への登録が必要となります。

これまでのIT導入支援事業者様からのご質問も非常に多くありますが、このITツールの登録の方法によっては、IT導入補助金の採択にも影響するため、制度の意味を理解した上でITツールの登録が必要となります。

平成29年度補正予算(平成30年度実施)のIT導入補助金では、全体的に採択率が高い傾向にありましたが、この点に対してあまり留意されなくても良かった側面がありましたが、平成30年度補正予算(平成31年度実施)においては、採択率が下がる事も想定されるため、IT導入支援事業者様はこのITツールの設計から採択を見据えて根拠を明確にして、審査員に理解いただけるように登録の準備を実施していく事が重要と当法人では考えています。

では、ITツールについて、概要を紹介していきます。

注意

本サイトでは、わかりやすく理解いただくために、言葉の言い回しなどの表現を変更して表記しています。

ITツールとは

自社の提供サービスに対してIT導入補助金を使えるようにするためには、各サービスを「ITツール」として事前審査にて登録する必要があります。

この事前審査にて登録されたITツールに対して補助金を受ける事が可能となります。

MEMO

主な登録する業務プロセス

  • 業務パッケージ
    ①顧客対応・販売支援②決済・債権債務・資金回収管理③調達・供給・在庫・物流④人材配置⑤業種固有プロセス(実行系)⑥業種固有プロセス(支援系)⑦会計・財務・資産・経営⑧総務・人事・給与・労務
  • 効率化パッケージ
    ⑨自動化・分析
  • 汎用パッケージ
    ⑩汎用

となります。

基本的には、上記の①~⑩の業務プロセスに対して、自社の提供サービスをどのように当てはめて登録するかがポイントになります。
※対象とする業種によって、詳細内容が変わります。

そして、このITツールを顧客が導入する事で、パフォーマンス、生産性が向上する事が必要となりますので、自社のサービスがどのような効果を発揮できるのかを事前に検討する事が必要となります。

ITツールによる効果

顧客がITツールを導入する事で効果性が見込めると判断されるとITツールの登録が認められます。

その効果とは、様々分類出来ますが、事務局が定義している効果性として、「労働生産性」が挙げられます。

IT導入補助金が定義する労働生産性

労働生産性=粗利(売上ー売上原価)÷(従業員数×1人当たりの年間勤務時間平均)

 

「平成30年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業 ITツール登録の手引き」サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局より抜粋)

この労働生産性が向上すると見込めるITツールが登録対象となります

この内容を見た際に、「自社のサービスってITツールに登録できるのかな?」と考えられるIT事業者様も多くいらっしゃいますが、既に提供されているサービスで、顧客から評価があるのであれば、何かしらの労働生産性向上が実現できているため、難しく考える必要はなく、ITツールへ登録申請していただいても問題はないと考えられます。

また、IT導入補助金事務局では様々な労働生産性の向上内容を定義しています。

ITツールの労働生産性向上内容

提供するサービスがIT導入補助金上で、どのようにパフォーマンス・生産性向上につながれば良いのかを見ていきます。

事業者の事業拡大と業務の効率化に起因するものである

平成30年度補正予算(平成31年度実施)のIT導入補助金では、事業者の①事業拡大②業務の効率化、が実現できる事が前提にあります。

また、ITツールの登録方法でも求められていますが、「点ではなく面での生産性向上」がキーワードとなっているため、先程挙げた「①~⑩の業務プロセス」に対し、複数の観点から生産性向上を見込めるサービスである事が求められています。

が挙げられます。

自社が提供するサービスがどのような効果を発揮出来るのかを検討して、ITツールの登録準備を進めて下さい。

ITツールの登録

そして、ITツールを登録するために、事務局が用意している必要な項目に対して登録していく流れになります。

ここでは、ITツールの登録にあたって、主な項目を挙げています。

主なITツールの主な登録内容

・カテゴリーへの登録

こちらの登録が主要となるITツールになります。

自社のサービスを以下のカテゴリーから、

MEMO
  • ソフトウェア(業務パッケージ/効率化パッケージ/汎用パッケージ)
  • オプション(機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ、ホームページ関連費)
  • 役務(導入コンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守・サポート)

から選択し、登録します。

先程挙げた、①~⑩の業務プロセスは、「ソフトウェア(業務パッケージ/効率化パッケージ/汎用パッケージ」にて登録するため、ソフトウェア登録はマストで実施する必要があります。

そして、オプション、役務は自社が提供するサービスの必要性に応じて、登録を実施します。

※ホームページ関連のITツールを登録する場合は、オプション(ホームページ関連費)も登録します。
そして、申請時にソフトウェア+オプションとして申請を出す流れになります。

・保有する業務プロセスの選択

ITツールが対象とする「業種」とその「保有する業務プロセス」を登録します。

業種は、事務局が定めている、

  • 農業・林業・漁業
  • 建設業・土木業
  • 製造業
  • 情報サービス業
  • 運輸業
  • 卸売業
  • 小売業
  • 保険業・金融業
  • 不動産業
  • 物品賃貸業
  • 専門・技術サービス業
  • 宿泊業
  • 飲食業
  • 生活関連サービス業
  • 教育・学習支援業
  • 医療業
  • 介護業
  • 保育業
  • その他サービス業
  • 上記に分類されない業種

となります。

注意

上記の代表業種別に細かく業種が分類されています。自社のサービスがどの業種に対し対応するのかを事前に確認をしておく事をお勧めします

そして、その業種に対して「保有する業務プロセス」を登録します。

保有する業務プロセスに関しては、業種によって様々あって、違いがあるため、ここでは割愛しておきますが、大枠のポイントとして、

MEMO

10の業務プロセス

①顧客対応・販売支援②決済・債権債務・資金回収管理③調達・供給・在庫・物流④人材配置⑤業種固有プロセス(実行系)⑥業種固有プロセス(支援系)⑦会計・財務・資産・経営⑧総務・人事・給与・労務、⑨自動化・分析、⑩汎用

に分類され、それぞれ該当する項目に対して登録します。

各保有する業務プロセスの一例(小売業の場合)

①顧客対応・販売支援

外国人対応

マーケティング、コミュニケーション管理、問合わせ管理、営業行動支援

予約・受付管理

顧客管理(基本情報、来店履歴、嗜好情報、アンケート管理

②決済・債権債務・資金回収管理

決済(カード・電子マネー・ポイント・QR・バーコード)

発注・仕入・買掛・支払管理

POSレジ会計、売上・請求・売掛・回収管理、採算管理(原価計算)

EDI(電子データ交換)

③調達・供給・在庫・物流

仕入先管理

在庫管理(商品、商材、入庫、出庫、返品、トレーサビリティ、棚卸、賞味期限管理)

流通管理、納品管理(送り状・配送情報)

④人材配置

シフト組み

⑤業務固有プロセス(実行系)

MD支援(売れ筋把握、品揃管理、棚割管理、POP)

⑥業務固有プロセス(支援系)

賞味期限管理、検品・廃棄管理、リスクアセスメント

標準商品規格書(作成、依頼・回収)

⑦会計・財務・資産・経営

予算統制、経営計画立案、予算原価策定

財務会計、税務申告

⑧総務・人事・給与・労務

人事、労務(勤怠申請・承認、労務管理)、給与、福利厚生、教育、人事系法令手続

社内資産管理(器具、備品、ファシリティ、OA、IT資産等)

⑨自動化・分析

分析機能(BI)、自動処理(RPA)、自動情報収集(IoT)

⑩汎用

文書証憑管理、ワークフロー、グループウェア、社内SNS、ビジネスチャットツール

業種・業務が限定されないソフトウェア

注意

IT導入補助金に採択されるためには、保有する業務プロセスを2つ以上登録されたITツールの導入が必要となります。

そのため、ITツール登録時に、なるべく保有する機能を2つ以上登録する事が望ましいと考えられます。

※A類型(申請補助額:40万円以上150万円未満)は上記①~⑧までで1つ以上、①~⑩までで1つ以上の合計2つ以上の登録が必要

※B類型(申請補助額:150万円以上450万円以下)は、上記①~⑧までで3つ以上、①~⑩までで2つ以上の合計5つ以上の登録が必要

上記を踏まえて、ITツールの登録内容の設計を検討します。

ITツールの登録方法

ITツールの登録する内容を設計が出来れば、実際にITツールの登録申請を実施します。

登録方法としては、IT導入支援事業者のアカウント(管理画面)から事務局側が用意しているフォーマットに沿って登録・申請します。

予め登録の設計が出来ていれば、登録申請する所要時間は10分ほどで完了します。

また、登録に対して、

MEMO
  • ITツールに登録するサービスの紹介がわかるURL、資料
  • 導入実績数

などが準備出来ていれば、スムーズに申請する事が可能です。

ただ、ITツールは登録申請すれば、自動で登録できるものではなく、すべてのITツールに審査が入ります。

審査要件は様々ありますが、ITツール登録対象外でなく、全体的な矛盾が生じていなければ、基本的には登録が出来るような仕組みとなっています。

申請するITツールに対して、説明が不十分なものであったり、ITツールの登録対象外に近いようなサービスであると、不採択となります。

そうなると、再度申請のやり直しとなるため、登録が完了するまで時間がかかります。

注意

スムーズにいけば、10日ほどで登録が完了しますが、何度もやり直しになると、登録までに2週間~3週間ほど時間がかかってしまう場合もあります。

そのため、スムーズに申請完了するためにも予め準備を進めていただく事をおすすめしています。

そして、見事ITツールとして登録されれば、事務局がオフィシャルで運営しているWEBサイト上で登録内容が公開され、検索できるようになります。

これは、余談ですが、IT導入補助金は、全国の中小企業の事業者様が検討し、同時にIT導入補助金のオフィシャルWEBサイト内でITツールを検索するため、他社が提供していないようなサービスをITツールとして登録しておくと、思わないところから問い合わせが入ります。

そのため、登録内容に関しても可能であれば工夫を持って登録する事も一つの取り組みであると言えます。

注意

ITツールの登録の対象外になるものがありますので以下についても確認が必要となります。

ITツール登録対象外について

以下の内容についてはITツール登録前に確認しておきたい内容です。

・ハードウェアは登録対象外

・ITツール(ソフトウェア)に、データ作成など代行サービスを含んでいる、または、役務を含んでいるもの

・組み込み系ソフトを含んでいるもの

・フルスクラッチ開発・一部スクラッチ開発のもの

・従量課金方式の料金体系を含んでいるもの

・広告宣伝費を含んでいるもの

・会員登録した利用者に対する情報提供サービスのもの

・恒常的に使用されないシステム

・VR・AR用コンテンツ製作、デジタルサイネージ用コンテンツ制作、コンテンツ配信管理システム

・利用者が所有する資産やブランドの価値を高める目的のシステム

ITツールの申請登録スケジュール

平成30年補正IT導入補助金(平成31年度)のITツールはいつでも登録が出来るわけではないため、登録期間内に申請する必要があります。

ITツールの登録申請 スケジュール
登録申請 2019年4月19日(金)~8月初旬(予定)まで

上記のスケジュールに応じて、申請を進めていただければと思います。

まとめ

上記のように、ITツールの登録対象外の内容もありますので、事前にどのような内容が登録対象外なのかを確認しておく事も重要であると言えます。

基本的にはITツール登録時に事務局側から不採択とされるため、登録対象外のITツールを顧客に対して提案する事はないと考えられますが、IT導入支援事業者として、事前に把握しておく事でスムーズなIT導入補助金の運用につなげたいものです。

以上にて、ITツールの申請が採択され、登録されれば、晴れてIT導入補助金を活用して顧客へ提案する事が可能となります。

ただし、ITツールの登録から、登録完了まである程度の時間がかかるため、スケジュールを逆算して顧客に対して案内・提案をしておく事をおすすめしておきます。