過去のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で採択を受け、補助金の交付を受けたことがある場合「補助金をもらえて助かった、また利用したい!」と考える方は多いと思います。
また、不採択となってしまった方や、採択されたけれど辞退せざるを得なくなった方でも、再度チャレンジしたい!と考える方も少なくないのではないでしょうか。
大丈夫です。一定の条件を満たせば、いずれもデジタル化・AI導入補助金の申請が可能です!
このページでは、それぞれの場合においてどんな条件や注意点があるのかを解説して、
- デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、何回まで申請できるの?
- 複数回の申請をすると、不採択になりやすい?
- デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を毎年申請することは可能?
- 不採択になって、二度目の申請の際に注意すべきことは?
といった疑問におこたえしていきます。
目次
デジタル化・AI導入補助金で過去に「交付決定を受けた場合」
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で過去に交付決定を受けたことのある場合でも、下記の条件を満たせば、再度申請が可能です。
当法人がサポートさせていただいたお客様の中にも、過去に申請・採択経験があり、2回目も採択されたという実績が多数あります。
2回目以上(複数回)申請できる「条件」
下記いずれかの条件を満たすことで、デジタル化・AI導入補助金の申請が可能です。
ただし、交付決定(採択)を受けた後に事業を取りやめた場合は、適切に辞退を届出ている必要があります。
IT導入補助金2021以前に採択を受けた方の場合
デジタル化・AI導入補助金2026の申請が可能です。
IT導入補助金2022~2024で採択を受けた方の場合
■「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の登録を受けたITツールで採択されていないこと
該当するITツールで交付決定を受けている場合は、デジタル化・AI導入補助金2026で申請することはできません
■インボイス枠(インボイス対応類型)の申請時は、以下の申請枠で採択を受けていないこと
IT導入補助金2022 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
IT導入補助金2023 デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
IT導入補助金2023 デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)
IT導入補助金2024 インボイス枠
IT導入補助金2025で採択を受けた方の場合
■「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の登録を受けたITツールで採択されていないこと
該当するITツールで交付決定を受けている場合は、デジタル化・AI導入補助金2026で申請することはできません
■インボイス枠(インボイス対応類型)の申請時は、以下の申請枠で採択を受けていないこと
IT導入補助金2025 インボイス枠
■交付決定から12か月以上あけて申請する(インボイス枠以外)
インボイス枠以外は、前回の交付決定日から12か月以上経過していれば申請可能です。
「申請締切日」や「採択日」ではなく、「交付決定日」であることに注意してください。
■別の申請枠で申請する
12か月以上経過していない場合でも、別の申請枠/類型であれば申請は可能です。
デジタル化・AI導入補助金は5つの申請枠/類型があり、主に対象となるITツールによって申請枠/類型が異なります。
- 通常枠
業務効率化・売上アップといった、経営力の向上・強化につながる幅広いツールが対象 - インボイス枠(インボイス対応類型、電子取引類型)
会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つソフトウェアが対象 - セキュリティ対策推進枠
独立行政法人情報処理推進機構が運営する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているいずれかのサービスが対象 - 複数社連携デジタル化・AI導入枠
対象となるツールはインボイス対応類型と同様ですが、文字通り複数社が連携して申請するための特殊な枠です
■「別の事業者」が申請する
申請中または採択・交付を受けた事業者とは「別の事業者」として申請する場合、同じ年度内でも、申請が並行する場合であっても、新たに申請可能です。例えば、下記のような場合です。
- 個人事業主として申請中または採択・交付を受けた方が、代表を務める法人を申請事業者として申請する場合
- 法人として申請中または採択・交付を受けた方が、代表を務める別の法人を申請事業者として申請する場合
ただし、デジタル化・AI導入補助金では「みなし同一法人」の定義があり、みなし同一法人に該当する場合は同一事業者と判断され、申請できないケースがあるので注意が必要です。
みなし同一法人の定義は以下となります。
- 親会社が議決権の50パーセント超を有する子会社が存在する場合
※ 親会社が議決権の50パーセント超を有する子会社が、議決権の50パーセント超を有する孫会社や、更にその孫会社が議決権の50パーセント超を有するひ孫会社等についても同様の考え方に基づく - 同一の個人が複数の会社のそれぞれの議決権を50パーセント超を保有する場合
※配偶者・親子及びその他生計を同一にしている者は全て同一の個人としての取り扱い
※過去に交付決定を受けた個人事業主が設立した法人についても同様の取扱い - 代表者及び住所が同じ法人、主要株主及び住所が同じ法人、実質的支配者が同じ法人の場合
2回目以上(複数回)申請する時の「注意点」
2回目以上の申請を行う際、申請そのものは可能であっても、審査を通過し採択されるためには注意点があります。
公募要領は年度・申請枠・類型ごとに異なる
過去にIT導入補助金の申請経験がある方も、申請の度に最新の公募要領の確認が必要です。
同じ年度内であっても、申請枠・類型が異なれば、それぞれに公募要領が用意されていますのでご注意ください。
また、公募要領は年度内に更新されることがあります。
軽微な更新も含むため、必ずしも要件や審査基準に影響するものばかりではありませんが、ご自身の申請タイミングに合わせ、修正・追記の履歴がないか、事前に確認を行いましょう。
申請要件や審査基準のほか、対象となるITツールや、年度によって補助金の事業目的そのものが微妙に変化することもあります。
事業目的を理解し、それに沿った事業を計画することが、採択の可能性を上げる重要なポイントになりますので、こちらも必ず確認しておきましょう。
要件の目標値が高くなる
労働生産性や賃金引上げなどの年平均成長率・向上率などを計画・申請し、それに対しても審査を受けますが、その設定値が上がります。
■通常枠
【労働生産性】
通常は1年後3%以上、3年間の年平均成長率3%以上ですが、過去3年間(IT導入補助金2023~2025)の通常枠・デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)・複数社連携IT導入枠いずれかで交付決定を受けている場合は、1年後4%以上、3年間の年平均成長率4%以上に引き上げられます。
【賃金引上げ】
通常は要件になっていませんが、過去4年間(IT導入補助金2022~IT導入補助金2025)に交付決定を受けており、かつ小規模事業者の定義に該当していない場合は、以下の賃金引上げ要件を満たす必要があります。
補助額150万円未満
・事業計画期間3年で、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3.5%以上向上
・交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を従業員へ表明
補助額150万円以上
・事業計画期間3年で、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3.5%以上向上させる
・事業計画期間の3年間、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
・交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を従業員へ表明
上記の賃金引上げ要件は、未達成だった場合に補助金の返還が必要になるため、注意が必要です。
■インボイス枠(インボイス対応類型)
【賃金引上げ】
通常は要件になっていませんが、過去4年間(IT導入補助金2022~IT導入補助金2025)に交付決定を受けており、かつ小規模事業者の定義に該当していない場合は、以下の賃金引上げ要件を満たす必要があります。
・事業計画期間3年で、1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の年平均成長率を3.5%以上向上
・交付申請時点で、上記の賃金引上げ計画を従業員へ表明
こちらの要件は、未達成だった場合に補助金の返還が必要になるため、注意が必要です。
■複数社連携デジタル化・AI導入枠
【労働生産性】
通常は2年間の年平均成長率5%以上ですが、過去2年間(IT導入補助金2024~2025)の通常枠・複数社連携IT導入枠いずれかで交付決定を受けている場合は、2年間の年平均成長率が6%以上に引き上げられます。
誤って通常の条件設定の計画で申請すると、要件を満たさない申請となってしまいますので、注意が必要です。
審査で減点されることがある
過去にデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で交付決定を受けていると、一定の条件で、減点措置を講じられることがあります。
また、過去に交付決定を受けたものだけでなく、デジタル化・AI導入補助金2026において別の申請枠で申請中・交付決定を受けている場合も、減点対象です。
その他にも、過去の申請内容によって減点項目が設定されていますので、詳しくは各申請枠・類型の公募要領を必ず確認するようにしてください。
減点対象となってしまうこと自体は回避できませんので、このような場合は逆に、加点項目の対象となるものがないか、一つでも多く見つけておくとよいでしょう。
過去に「不採択となった場合」

過去のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で不採択となった場合も、2回目以上(複数回)の再申請が可能です。
特に、2020年以前にIT導入補助金を申請された場合、採択率が非常に低い時期があったため、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は審査が厳しいと諦めていた方も多いかもしれません。
最近のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は比較的採択率も高くなっており、手続きもかなり簡略化されているため、是非再チャレンジしてみてください。
不採択になった場合の注意点
過去に不採択となった経験がある場合、2回目以上の申請にあたり、それ自体が減点対象になるということはありませんが、申請する回の公募要領や関連資料を熟読し、それに沿った申請を行うことが必要です。
ご自身だけでは難しい場合、当法人のような外部支援者や、多数の採択事例を持つIT導入支援事業者に支援を受け、第三者の目で内容をチェックしてもらうこともおすすめです。
要件を満たしているか?
デジタル化・AI導入補助金に申請し採択を受けるには、要件を満たしていることが必須です。
要件は申請枠ごとに異なり、また事業者としての要件だけでなく、申請するITツールや、事業計画の目標に対しても要件が設定されています。
提出書類は正しいか?
交付申請に必要な書類は、公募要領に定められた通りのものを用意し、正しく提出する必要があります。
代替書類や期限切れのものは一切認められません。
また、全体がスキャンされていないなど不完全な書類も申請が受理されない、または不採択となる場合がありますので注意してください。
申請内容は正しく、分かりやすいか?
申請時に入力する情報(事業者に関する基本情報や財務情報、経営状況、計画数値、ITツールの内容・金額など)に誤りがある場合や、申請内容に合理性・一貫性がない、審査項目・審査事項をふまえた申請内容になっていない(審査者に分かりやすい記載になっていない)場合、不採択となることがあります。
デジタル化・AI導入補助金2回目以上(複数回)に関するよくある質問
何回まで申請できるか
申請者様
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、何回まで申請できますか?1回のみですか?
解決方法:同じ年度内に同じ申請枠で、同じ事業者が行う申請については、1回のみです。
年度や枠、事業者が異なる場合、公表されている情報の範囲内で回数制限はありません。当法人で申請のサポートをさせていただいている事業者様でも、複数回申請し、採択を受けていらっしゃる方が多数いらっしゃいます。
G1行政書士法人
不採択になりやすいか
申請者様
デジタル化・導入補助金(旧IT導入補助金)に複数回申請していると、不採択になりやすいですか?
解決方法:たしかに減点措置はありますが、一概に不採択になりやすいとも言えません。実際に、複数回申請し、採択を受けていらっしゃる方は多数いらっしゃいます。
G1行政書士法人
毎年申請できるか
申請者様
デジタル化・導入補助金(旧IT導入補助金)を毎年申請することは可能ですか?
解決方法:条件によって、可能です。詳しくは本記事「2回目以上(複数回)申請できる「条件」」をご参照ください。
G1行政書士法人
過去に不採択になった場合、何に注意すればよいか
申請者様
デジタル化・導入補助金(旧IT導入補助金)で過去に不採択になっています。二度目の申請の際に注意すべきことはありますか?
解決方法:不採択になる理由は様々ですので、まずは、前回の申請時になぜ不採択になってしまったのか、調べてみることです。ただし、事務局のほうでは「採択・不採択に関わらず審査内容・不採択理由については開示しない」とされていますので、ご自身で振り返る必要があります。
まずは提出した情報や添付書類が公募要領に合致していたかを確認してみましょう。また、次の申請の際は、過去に不採択になったことをIT導入支援事業者に相談されてみてください。IT導入支援事業者の方であれば、他のお客様の採択例も踏まえることができますし、当法人のような外部支援者と連携している場合もあります。
G1行政書士法人
まとめ
以上のように、一定の条件や注意点をふまえることで、デジタル化・導入補助金(旧IT導入補助金)を2回目以上(複数回)申請し、採択を受けることは可能です。
ただし、一見条件や注意点を網羅していると考えられる申請内容であっても、必ずしも採択が保証されるわけではありません。
G1行政書士法人では、デジタル化・導入補助金(旧IT導入補助金)のIT導入支援事業者・ITツール登録から、交付申請、採択後の実績・効果報告まで、多数の実績(累計件数4,500件以上)に基づきサポートを行っています。
各種申請前の注意点・手続き説明から、交付申請時の申請内容の作成サポートまで、きめ細やかな対応を心がけています。
また、どのITツールを選んでよいか分からないという中小企業・小規模事業者の方へは、IT導入支援事業者のご紹介も行っています。
G1行政書士法人へ、お気軽にご相談ください







