IT導入補助金2025の公募要領改訂(2025年6月17日付)があり、中小企業庁の『成長加速マッチングサービス』が加点項目として追加されました。
成長加速マッチングサービスは始まったばかりの新しいサービスです。
本記事では、成長加速マッチングサービスの詳細や登録手順、IT導入補助金で加点を受けるための条件やFAQなどを解説します。
目次
成長加速マッチングサービスとは
成長加速マッチングサービスは、「令和7年度中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業」の一環として、2025年3月24日にリリースされた中小企業庁が運営する新しいサービスとなります。
事業を成長させるための、資金調達・事業承継・経営相談などの支援を受けたい「事業者」と、金融機関や投資機関、認定経営革新等支援機関などの「支援者」をつなげるマッチングプラットフォームサービスです。
■事業者
主に中小企業や小規模事業者、個人事業主が該当し、成長加速マッチングサービスに会員登録することで、無料で活用することができます。
■支援者
各分野の専門家となり、以下に該当する機関だけが成長加速マッチングサービスの支援者として登録することができます。
・中小企業等経営強化法に基づく認定経営革新等支援機関
・認定経営革新等支援機関に認定された金融機関の推薦を受けた当該金融機関関係の投資会社
・(独)中小企業基盤整備機構が有限責任組合員として出資している投資ファンド(投資事業有限責任組合)を運営している投資機関
・中小企業投資育成株式会社法に基づく中小企業投資育成株式会社
IT導入補助金で加点を受けるための条件
成長加速マッチングサービスは、IT導入補助金の通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠の4枠で加点対象になっています。
IT導入補助金で加点を受けるための条件は以下の通りです。
①成長加速マッチングサービスに「事業者」として会員登録をおこなっている
②成長加速マッチングサービスに「挑戦課題」を登録している
③登録した挑戦課題が1つ以上「掲載中」のステータスになっている
会員登録だけでなく、挑戦課題も登録して掲載中である必要があります。
また、会員登録には「GビズID」が必要になるため、事前に準備しておきましょう。
成長加速マッチングサービスの登録手順
ここからは成長加速マッチングサービスの登録手順を解説していきます。
1.GビズIDを取得
成長加速マッチングサービスで会員登録をするためには「GビズID」が必要となりますので、GビズIDがない場合、まずはGビズIDを取得してください。
IT導入補助金と成長加速マッチングサービスは同じGビズIDを使用するようにしましょう。
GビズIDの詳細についてはこちらの記事もご覧ください。
【GビズIDとは?】取得方法や種類・ログイン方法を解説!
2.公式サイトからGビズIDでログイン
成長加速マッチングサービスの公式サイトTOPページにある「新規登録・ログイン」ボタンをクリックすると、「事業者」と「支援者」の選択画面がでてきます。
IT導入補助金で加点を受けたい場合は「事業者」を選択して登録を進めましょう。
事業者選択後は、GビズID入力画面になるため入力・ログインして、成長加速マッチングサービス利用規約を確認・同意します。
3.会員登録と挑戦課題登録
利用規約同意後は、会員登録・挑戦課題登録の画面になります。
会員登録画面の項目は、GビズIDに登録されている情報が一部に自動反映しますので、そちらの確認・修正と空欄項目の入力を進めます。
会員登録の次は挑戦課題登録です。
該当するカテゴリーを選択して、カテゴリーにより追加表示される項目を入力してください。
挑戦課題のカテゴリーは以下の4種類から選択する形になります。
■資金調達
■事業承継(後継者あり)
■事業承継(後継者なし)
■経営相談
カテゴリーごとの追加表示される登録項目は以下となりますので、登録前に内容を整理しておきましょう。
資金調達カテゴリーの登録項目
■資金調達の目的:選択項目
■IPO(新規公開株式)の希望:選択項目
■挑戦課題のタイトル(課題概要など):50文字以内
■資金調達の目的・詳細:500文字以内
■希望する資金調達の種類:選択項目
■資金調達の希望額:金額入力
■資金調達の希望時期:選択項目
■資金調達の実績:選択項目
■公開範囲:選択項目
※公開範囲は登録情報を公開する支援者の業種区分の選択です
事業承継(後継者あり)カテゴリーの登録項目
■相談したい事業承継の挑戦課題:選択項目
■挑戦課題のタイトル(課題概要など):50文字以内
■事業承継の取組状況等(支援機関への相談状況や社内での体制構築状況等):500文字以内
■事業承継の希望時期:選択項目
■後継者との関係:選択項目
■後継者の関係事業での経歴・スキル:500文字以内
■事業承継・引き継ぎ支援センターとの連携:選択項目
事業承継(後継者なし)カテゴリーの登録項目
■相談したい事業承継の挑戦課題:選択項目
■挑戦課題のタイトル(課題概要など):50文字以内
■事業承継の取組状況等(支援機関への相談状況や社内での体制構築状況等):500文字以内
■事業承継の希望時期:選択項目
■事業承継・引き継ぎ支援センターとの連携:選択項目
経営相談カテゴリーの登録項目
■相談したい挑戦課題:選択項目
■IPO(新規公開株式)の希望:選択項目
■挑戦課題のタイトル(課題概要など):50文字以内
■挑戦課題解決の目標・詳細:500文字以内
■挑戦課題解決の希望時期:選択項目
■公開範囲:選択項目
※公開範囲は登録情報を公開する支援者の業種区分の選択です
4.追加情報の登録
追加情報の登録は必須ではないため、入力しなくても登録を進めることはできますが、登録内容を充実させることで、より具体的な課題解決手段を提示・提案できる支援者とつながる可能性が高まります。
追加情報の登録項目
■財務情報:直近3年分の「売上高」と「営業利益」
■事業内容:500文字以内
■その他のアピールポイント:500文字以内
■特徴タグ:事業者の特徴に関連するキーワードで最大10個までタグ付けできます。
■相談先:既存で相談している商工会や会計士などを相談先に登録することで、支援者からコンタクトがあった場合は相談先にも通知が同報されます。
※事前に相談先へ同意を得たうえで登録することをおすすめします
追加情報画面の一番下にある「登録」をクリックすることで、会員登録と挑戦課題登録が完了します。
5.挑戦課題「掲載中」の確認
登録完了後は、挑戦課題が「掲載中」になっていることを確認しましょう。
会員登録が完了していても、挑戦課題が未登録であったり、挑戦課題のステータスが「掲載終了」となっている場合は、IT導入補助金の加点を受けることができませんのでご注意ください。
成長加速マッチングサービスFAQ
成長加速マッチングサービスのよくある質問を抜粋します。
利用料金はかかる?
成長加速マッチングサービスの利用は無料です。
ただし、マッチングした支援者から提供される各種支援メニューや提案内容を利用する際は、支援者に対して料金が発生することが通常です。
マッチングした場合は、支援者に予め料金を確認しましょう。
必ずマッチングできる?
事業者の会員登録後は、挑戦課題に興味や解決手段を持つ「支援者」からのコンタクトを待つ形になりますが、支援者からのコンタクトやマッチングを保証するサービスではありません。
追加情報などを含め登録内容を充実させて、より具体的・現実的な内容を記載することで、支援者とマッチングする可能性を上げていきましょう。
事業者と支援者の両方に登録できる?
どちらか一方しか登録できません。
そのため、すでに登録済みで登録していない方に登録したい場合は、一度「退会」することで登録したい方に改めて登録することは可能です。
ただし、退会した場合は、登録情報がなくなり退会した方のサービスも利用できなくなります。
GビズIDの種類は?
成長加速マッチングサービスで使用できるGビズIDのアカウント種別は、「GビズIDプライム」か「GビズIDメンバー」のどちらかです。
「GビズIDエントリー」のアカウントは使用できません。
※IT導入補助金の申請においても、GビズIDエントリーは使用できません
まとめ
本記事では、IT導入補助金2025の3次締切から加点対象として追加設定された、中小企業庁が運営する「成長加速マッチングサービス」の詳細や登録手順、IT導入補助金で加点を受けるための条件やFAQなどを解説しました。
IT導入補助金では、申請内容はもちろんのこと加点項目にどれだけ取り組んでいるかという点も重要な審査ポイントになっているため、可能な限り取り組むようにしましょう。
IT導入補助金のその他の加点項目についてはこちらのページもご覧ください。
IT導入補助金2025【加点項目】とは?賃金引上げの注意点等も解説
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