デジタル化・AI導入補助金のIT導入支援事業者(ITベンダー)と申請者をサポート

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デジタル化・AI導入補助金【賃上げ目標】注意点と設定・報告方法

デジタル化・AI導入補助金【賃上げ目標】注意点と設定・報告方法

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、ほとんどの申請枠や類型で「賃金引き上げに取り組んでいるか」という点が審査上の加点項目になっています。

しかし、賃金を上げることは事業者にとって容易な取り組みではなく、「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を申請するにあたり、賃上げ目標の詳細を事前にきちんと確認しておきたい」という方も多いのではないかと思います。

デジタル化・AI導入補助金(IT導入補助金)では、賃上げ目標を設定することで加点を受けられるものの、目標が未達だった場合のペナルティが設定されていますので注意が必要です。

そこで今回は、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の賃上げ目標の表明・報告方法や、達成できなかった場合のペナルティの内容等について解説します。

デジタル化・AI導入補助金の賃上げ目標とは

「賃上げ目標」とは、文字どおり賃金の引き上げに取り組むことを、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を申請する事業者に求めるものになります。

詳細な数字や内容については後述しますが、具体的な取り組み内容は「1人当たり給与支給総額の増加」と「事業場内最低賃金の増加」となります。

賃上げへの取組みが審査項目となっている理由としては、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上を目的とした補助金であることが挙げられます。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)における労働生産性は、従業員ひとりの時間あたりの付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)と定義されています。

この時間あたりの労働生産性がITツールの導入を通して向上していき、その結果を従業員の給与に還元する意向がある事業者を、より高く評価したいという事務局側の考えが背景にあるため、賃金引き上げが求められているのです。

賃上げ目標が加点になる場合/必須の場合

賃上げはほとんどの申請枠・類型においてはあくまで加点項目の一つとなっており、取り組むか否かは申請者の任意となります。

ただし、通常枠で以下の保有プロセス・補助額で申請する場合は賃上げが必須要件となりますので、注意しましょう。

保有プロセス数

補助額

4プロセス以上

150万円~450万円以下

なお、通常枠で上記の条件で申請する場合でも、以下に該当する事業者は必須要件の適用外になります。

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)で、 常時使用する従業員の数が5人以下の会社及び個人事業主
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業で、常時使用する従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主
  • 製造業・その他の事業者で、常時使用する従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主
  • 健康保険法、国民健康保険法、労災保険、自賠責保険の対象となる医療等の社会保険医療の給付等を行う保険医療機関及び保険薬局
  • 介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービスや施設サービスを提供する介護サービス事業者
  • 社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業及び更生保護事業法に規定する更生保護事業を行う事業者
  • 学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校

賃上げ目標の策定と表明方法

ここからは、賃上げに取り組む申請者向けに、具体的な賃上げ目標の策定内容や、表明方法について解説していきます。

なお、実際の申請に際しては必ず公募要領をご確認いただくようお願いいたします。

申請枠・類型問わずに共通すること

賃上げ目標の策定においては、いずれの申請枠・類型も1人当たり給与支給総額と事業場内最低賃金の2つの引き上げが求められます。

また、上記の賃上げ計画を交付申請までに従業員に表明する必要があります。

表明方法は、「社内掲示板等への掲載」「朝礼時や会議、面談時等で口頭での周知」「書面、電子メール」等、任意の方法で問題ありません。

また、従業員に表明したことについてエビデンス等の提出は不要ですが、申請時に賃金引き上げ計画を従業員に表明したと申告したにも関わらず、実際には表明していないことが交付後に明らかになった場合は、交付決定が取り消されてしまいます。

虚偽の申告とならないよう従業員への表明は必ず行うようにしましょう。

なお、従業員を雇用していない個人事業主や、いわゆる「一人会社」の場合も、賃金引き上げに取り組む事業者として申請することは可能です。

現状が上記のような事業形態でも、将来的に従業員を雇う可能性があるためです。

申請時点で従業員がいないという事業者の方も、賃上げを行う場合は1人当たり給与支給総額や事業場内最低賃金の引き上げの取り組みが必要となり、従業員を雇った段階で従業員への表面が必要となる点に留意しましょう。

通常枠(補助金額150万円未満の場合)、セキュリティ対策推進枠、インボイス枠(インボイス対応類型)

通常枠(補助金額150万円未満の場合)、セキュリティ対策推進枠、インボイス枠(インボイス対応類型)で賃上げ加点を受けるためには、以下の要件をすべて満たす3年の事業計画を策定し、実行することが求められます。

  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること。
  • 事業計画期間において、1人当たり給与支給総額を年平均成長率3%以上にすること。

なお、上記に加え、事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+50円以上の水準にする場合は更なる加点となります。

※参照:デジタル化・AI導入補助金公募要領

通常枠(補助金額150万円以上の場合)

通常枠で補助金額150万円以上の申請をする場合は、以下の要件をすべて満たす3年の事業計画を策定し、実行することが必須要件として求められます。

  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること。
  • 事業計画期間において、1人当たり給与支給総額を年平均成長率3%以上にすること。

なお、上記に加え、事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+50円以上の水準で申請した場合は加点となります。

※参照:デジタル化・AI導入補助金公募要領

インボイス枠(電子取引類型)

インボイス枠(電子取引類型)で賃上げ加点の申請をする場合は、以下の要件をすべて満たす3年の事業計画を策定し、実行することが求められます。

  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること。
  • 事業計画期間において、中小企業・小規模事業者等については、1人当たり給与支給総額を年平均成長率3%以上にすること、中小企業・小規模事業者等以外については1人当たり給与支給総額を年平均成長率5%以上にすること。

なお、上記に加え、事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+50円以上の水準で申請した場合は更なる加点となります。

※参照:デジタル化・AI導入補助金公募要領

賃上げ状況の報告方法(効果報告)

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が交付された後、申請枠や類型を問わずITツール導入後の事業の効果を事務局へ報告する「効果報告」という手続きが必要となります。

効果報告に必要な情報は申請枠や類型によって様々ですが、賃上げに関する項目以外にも下記のような実績数値やデータの提出を求められます。

  • 営業利益
  • 人件費
  • 減価償却費
  • 従業員数
  • 従業員一人当たりの年間の平均労働時間
  • 給与総支給額
  • 事業場内最低賃金(時給換算)
  • 賃金台帳
  • ITツールの継続利用キャプチャ
  • セキュリティ対策状況
  • インボイス対応状況

この効果報告は、補助金が交付される前に行う「実績報告」(ITツール契約・発注、納品、支払状況などを事務局に報告するもの)とは別の手続きになります。

申請枠・類型、申請時期によって報告期限が定められていますので、事務局からの案内に従い、忘れずに申請マイページ上で手続きを行うようにしましょう。

IT導入補助金の効果報告とは?しないとどうなるか、報告期限や流れを解説!IT導入補助金の効果報告とは?しないとどうなるか、報告期限や流れを解説!
※実際の効果報告を行うにあたっての詳細は「事業実施効果報告の手引き」や、事務局からの案内をご確認ください。

賃上げ目標が未達の場合のペナルティ

IT導入補助金2024で賃上げ目標が未達の場合のペナルティ

過去のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)においては、策定した賃上げ目標が達成できなかった場合、賃上げが必須要件となっている一部の申請枠・類型以外はペナルティが設定されていませんでした。

しかし、IT導入補助金2024以降は、賃上げが加点項目となっている全ての申請枠・類型で、賃上げ目標が未達だった場合のペナルティが設定されています。

ペナルティの内容は申請枠・類型によって異なりますので、以下それぞれ確認していきましょう。

賃上げが加点項目となっている申請枠・類型の場合

  • 通常枠で申請額が150万円未満の場合
  • セキュリティ対策推進枠
  • インボイス枠(電子取引類型・インボイス対応類型)

上記の申請において、賃上げ加点を受けたうえで補助金が採択されたにも関わらず、賃上げの要件を達成できなかった場合は、効果報告で未達が報告されてから18か月の間、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を含む中小企業庁が所管する補助金を申請する際に大幅に減点されます(正当な理由がある場合を除く)。

「中小企業庁が所管する補助金」としては、現時点では、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)、事業再構築補助金(中小企業省力化投資補助事業を含む。) などが対象になっています。

この減点規定は、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)以外の上記の補助金で賃上げが未達成となった事業者がデジタル化・AI導入補助金を申請する場合にも適用されます。

例えば、ものづくり補助金で賃上げ加点を受けて採択されたものの実際には賃上げを達成できず、効果報告で未達となった旨を報告した事業者がその後18か月以内にデジタル化・AI導入補助金を申請する場合、デジタル化・AI導入補助金の審査において大幅に減点される、ということになります。

この減点措置は、賃上げが審査項目にも加点項目にもなっていない複数社連携IT導入枠においても適用されることなどから、事務局側が事業者に対して賃金引き上げに対する取り組みをこれまで以上に強く求めるようになった結果が反映されていると言えるでしょう。

賃上げが必須となっている申請枠・類型の場合

通常枠で、補助金額が150万円以上の場合、すなわち賃上げ目標が必須要件となっている場合、未達の際は残念ながら補助金の全部又は一部の返還が求められます。

また、過去のIT導入補助金2022~2025に交付決定を受けている事業者は、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上向上させることが必須要件となっているため、こちらが未達だった場合も補助金の返還が求められます。

賃上げ目標の達成・未達成の判定のタイミングは、1人当たり給与支給総額は3年度目の効果報告の時点、事業場内最低賃金については毎年の効果報告でそれぞれ判定されます。

まとめ

今回はデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の賃上げ目標や表明・報告方法、そして未達の場合のペナルティについて解説しました。

以前までは賃上げ目標が未達成でも発生しなかったペナルティが設定されるなど、IT導入補助金2024以降においては従来とは異なる賃上げとの向き合い方が求められています。

この記事が、賃上げについて事業計画に則した判断を行うためのきっかけになれば幸いです(なお、申請にあたっては必ず公募要領をご確認ください)。

G1行政書士法人では、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が開始された当初から、多数の申請サポートを行ってきました。

行政書士としてのナレッジや長年培ってきたノウハウを活かして、累計4,500件超の実績がありますので、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を利用したい中小企業・小規模事業者等の方やITベンダー・サービス事業者の方は、当法人までお気軽にご相談ください。