地質調査・地形測量業界は、建設や都市開発などの需要に支えられて拡大しています。地盤調査の適切な実施が建築物の安定性や安全性に直結するため、質の高いサービス提供が求められており、地震や自然災害リスクの高い地域では地質調査がより重要視されています。一方で、高齢化による人手不足や技術者の確保、デジタル技術への適応が課題となっています。業界全体で技術革新や労働環境の改善が求められ、持続可能な事業の展開が重要とされています。
デジタル化に対応するためのIT導入に関して、小規模企業や個人事業主である事業者様の多くは、資金面や人材面、情報収集面で課題を抱えており、これまで具体的な取り組みに至らなかったというお声もお聞きしますが、「IT導入補助金」を活用すれば、実質負担費用の何倍もの投資を行うことができ、補助金なしでは難しかったITツールの導入も実現することができます。
IT導入補助金は、IT導入を検討されている事業者様のみならず、ITツールの販売を行う事業者様にとっても魅力的な制度です。「IT導入支援事業者／ITベンダー」登録をすれば、顧客にも導入費用の負担を軽減していただくことができ、販売促進と顧客満足度の向上を両立させることができます。
このページでは、当法人が実際にサポートし採択された事例をもとに、IT導入補助金の活用例をご紹介します。
地質調査・地形測量事業者の測量効率化システム採択事例
令和4年度補正予算(2023年)ＩＴ導入補助金を活用した事例を紹介しています。
今回は、土質・地質調査や地形の測量を行っている方で、現状の測量方法では工数過多となっており、またデータの精度の低さや納期の長さにお悩みを抱えた事業者様の事例になります。
業種：地質調査・地形測量業
従業員数：10人
事業年数：10年以上
直近の収益状況：営業赤字
事業上の強み
地質調査・地形測量においては豊富な知識と経験、技術により、依頼主の様々な要望に応えられる対応力を強みとしていました。他社では対応できない調査・測量業務に付随する作業も自社で対応可能であり、少数精鋭で、対応力が高いことから依頼主からは厚い信頼を獲得していました。
事業上の強みポイント
経験豊富な社員（地質調査士）以外にも、資格を持った多様な人材が揃っており、地質調査業務で必要となる運搬設備設置作業や搬入路造成なども自社で対応できることが事業の上の大きな強みとなります。
導入目的
測量後の納品データの品質向上・短納期化を実現する測量効率化システム
課題内容
これまでの測量では複雑な地形の測量が困難なことと、処理ソフトの精度が低いことから、データの誤りや測量の工数過多が発生していました。大企業が実施する大規模な調査においてはICT化が進みつつあり、技術的な面でもハードルが高く、熟練技術者の勘や経験を頼りに、顧客満足度の維持向上に工夫を凝らしている状況でした。
測量効率化システムで解決できる課題ポイント
最新の測量効率化システムの導入により、写真測量データと3次元の設計データとの照合(ズレ確認）がデータ変換のミスなくタイムリーにできるため、サービス全体の短納期化を実現が可能となり、新たな付加価値提案により、売上アップ・業務効率化による生産性向上が期待できます。
【その他、総合建設・採石業のお客様からよく聞くお悩み・課題例】
- 経験豊富な技術者や作業員の確保ができず、プロジェクトの効率と品質向上が難しい
- 新しい技術や建設手法を迅速に取り入れられず、競争力維持の障害になっている
- 厳格な安全基準や環境規制に適応する必要があり、コストや時間とのバランスが難しい
- 顧客や社内関係者との情報共有が非効率で、十分な連携が取れていない
- 現場レベルでのアナログ計測・管理が原因で、棚卸にズレが生じている
課題解決内容
上記の通り、従来は依頼主への地質調査・地形測量結果データの納品にあたって、処理ソフトの精度が低いことから、データの誤りや測量の工数過多が発生していました。様々な業務への対応力が高いことから依頼主の信頼を獲得しているものの、この先少数精鋭で事業を拡大していくにあたり、効率化は必要不可欠な状況です。そこで、ＩＴ導入補助金を活用した測量効率化システム導入を行うことで、サービスの高精度化・短納期化の実現に取り組めるようになりました。それを競合他社との差別化・競争力強化の要因として、新規案件の獲得による売上増加を目指し、労働生産性を高めていくことが、今後の目標となりました。
測量効率化システムのポイント
測量効率化システムには、測量作業そのものの効率化から、その後のデータ解析、3Dデータ（オルソ画像、点群データなど）作成、データ編集や他のソフトウェアとの連携による精度の向上・工数削減など、用途に応じて測量データを活用するために必要な、様々な機能を持つシステムがあります。操作性やアフターサポート面も含め、自社に最適なシステムを採用されたことで、これまでの課題を改善するだけでなく、システムの機能を有効活用しながら、サービス品質の向上や新たなサービスの提案など、発展的な取り組みにもつながりそうです。
IT導入補助金2023に登録されている測量効率化システムの例
- 測量CADシステム
- 土木施工用、地籍測量用等、特化型測量システム
- 3D点群処理システム
- ドローン測量システム など
今回のIT導入支援事業者様について
本事業者様のIT導入支援を行ったITベンダー様は、IT導入支援事業者・ITツール登録については自社で対応していましたが、お客様の補助金申請を1件でも多く確実に採択を獲得したいという強い希望があり、当法人へサポートのご依頼をいただきました。
当法人からは、ツールの機能や特徴、メリット、提案先クライアントのニーズなどを細かくお伺いしたうえで、補助金申請者となるクライアント様にも直接お話をお伺いし、申請サポートに入らせていただきました。継続的にサポートのご依頼をいただけることで、様々な事業者様のツールの活用方法、期待、今後の方向性など、本ITツールに関する当法人内での理解も深まり、IT導入支援事業者様とはより発展的なやり取りをさせていただけるようになりました。案件ごとのご相談や、補助金活用に関する様々なご質問・ご相談をいただいています。
まとめ
こちらの事業者様は、地質調査・地形測量の分野で豊富な知識と経験を活かしながら、調査・測量及びそれに付随する様々な業務に取り組む中で、測量データの精度の低さや納品までの時間の長さが課題になっていました。そこで、測量データの解析・処理・加工の精度が高く、工数のかからない測量システムを導入することで課題解決を目指し、IT導入補助金を活用した事例となります。
少数精鋭で幅広い業務に取り組むにあたって必須となる業務効率化へ大きく前進されたことにより、新規案件の獲得、事業拡大に向けた取り組みもしやすくなったことと思います。
当サイトを運営するG1行政書士法人はITベンダー様とIT導入補助金を活用して事業の発展を目指す企業様とを結びつけ、IT導入補助金の採択へ向けて申請書類作成のサポートを行っています。これまでの3,000社以上の事例をもとに、分かりやすくご説明し、お手伝いいたします。何かご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
