土木工事業界は、都市開発や災害対策などに伴う需要が高まり、全国的に大規模プロジェクトが進行中です。一方で、高齢化による人手不足や技術者の確保が課題となっています。環境への配慮やデジタル技術の導入が求められ、省人化や効率改善が重要視されています。また、地域ごとのインフラ差や自然災害への備え、既存施設の改修などにも注力が必要です。業界全体での技術革新や労働環境の改善が求められ、持続可能な土木工事の展開が重要とされています。
小規模企業や個人事業主者様がIT導入時に直面する課題として、「資金不足」「人材不足」「情報収集不足」がありますが、そんな事業者様におすすめしたいのが「IT導入補助金」です。
IT導入補助金を利用すれば、ITツールの導入費用などあらゆるリソースを削減することが可能です。また、ITツールを販売する事業者の方にとってもIT導入補助金は重要です。「IT導入支援事業者／ITベンダー」に登録することで、顧客に補助金の活用を提案できるようになり、顧客満足度も向上することが期待できます。
このページでは、当法人が実際にサポートし採択された事例をもとに、IT導入補助金の活用例をご紹介します。
土木工事事業者の測量効率化システム採択事例
令和4年度補正予算(2023年)ＩＴ導入補助金を活用した事例を紹介しています。
今回は、太陽光発電所建設のための下請け土木工事をされている方で、現状アナログでの測量を行っており、精度の低さや処理工数の負担にお悩みだった事業者様の事例になります。
業種：土木工事業
従業員数：10人以下
事業年数：5年
直近の収益状況：営業赤字
事業上の強み
土木工事業として、豊富な知識と経験により、依頼内容に従った工事請負のみならず、作業手順や問題発生時の改善策などの提案を、元請けに対して出せることを強みとされていました。また、小規模事業者には珍しく、測量からデータ編集、設備取り付けまで自社で行うことが出来るため、小回りがききつつもノンストップでの施工対応で、付加価値の高いサービスの提供を可能としていました。
事業上の強みポイント
役員の方が設立以前から太陽光発電に携わっていたこともあり、豊富な知識と経験を生かし、太陽光発電所建設の下請け土木工事といった限定的な事業の中で高い信頼を得ていることが、事業の上の大きな強みとなります。
導入目的
施工工事全体の短納期化と高度な測量を両立する測量効率化システム
課題内容
これまでは、物理的に計器を移動させて測量しているため、規模が大きくなるとズレや工数過多が発生していました。また、測量の専門知識を持つ人員が少なく、対応可能件数に限りもありました。そういった測量の工数や正確性に問題を抱えながらも、ノンストップでの施工が出来るといった対応力により、依頼者の信頼を維持している状況でした。
測量効率化システムで解決できる課題ポイント
最新の測量効率化システムを導入することにより、写真測量による測量時の工数削減とデータ解析における正確性の向上が可能になることで、施工工事全体の短納期化と高度な測量に加え、より高付加価値のサービスが実現できるようになります。これにより、売上増加及び業務効率化による生産性向上の効果が期待できます。
【その他、測量・土木・建設業界のお客様からよく聞くお悩み・課題例】
- 経験豊富な技術者や作業員の確保ができず、プロジェクトの効率と品質向上が難しい
- 新しい技術や建設手法を迅速に取り入れられず、競争力維持の障害になっている
- 厳格な安全基準や環境規制に適応する必要があり、コストや時間とのバランスが難しい
- 顧客や社内関係者との情報共有が非効率で、十分な連携が取れていない
- 現場レベルでのアナログ計測・管理が原因で、棚卸にズレが生じている
課題解決内容
上記の通り、従来は物理的に計器を移動させるアナログな測量を行っていたため、大規模な測量ではズレや工数過多が発生してしまっていました。事業者としての対応力は評価されていたものの、今後少数精鋭で事業を拡大していくにあたり、精度の向上および効率化は必須になります。そこで、ＩＴ導入補助金を活用した測量効率化システム導入を行うことで、精度向上・工数削減の実現に取り組めるようになりました。それを競合他社との差別化・競争力強化の要因として、更なる依頼の獲得による売上増加を目指し、労働生産性を高めていくことが、今後の目標となりました。
測量効率化システムのポイント
測量効率化システムは、測量作業そのものの効率化から、その後の3Dデータ（オルソ画像、点群データなど）解析による測量精度向上など、現状の課題を解決するために必要なシステムを有しています。操作性やアフターサポート面も含め、自社に最適なシステムを採用することで、これまでの課題を改善するだけでなく、システムの機能を有効活用しながら、サービス品質の向上や新サービスの提案など、発展的な取り組みにもつながりそうです。
【IT導入補助金2023に登録されている測量効率化システムの例】
- 測量CADシステム
- 土木施工用、地籍測量用等、特化型測量システム
- 3D点群処理システム
- ドローン測量システム など
今回のIT導入支援事業者様について
本事業者様のIT導入を支援されたITベンダー様は、IT導入支援事業者・ITツール登録は自社で行っていましたが、お客様の補助金申請において、1件でも多く確実に採択を獲得したいという強いご希望があったため、当法人へサポートのご依頼をいただきました。
当法人からは、ツールの機能や特徴、メリット、提案先のお客様のニーズなど詳細までお伺いした上で、補助金申請者となるお客様からも直接お話をお聞きし、申請のサポートをさせていただきました。継続的にご依頼をいただくことで、様々な事業者様のツールの活用方法、期待、今後のビジョンなど、本ITツールに関する当法人内での知識も深まり、IT導入支援事業者様とはより発展的なコミュニケーションをさせていただけるようになりました。案件ごとのご相談に限らず、補助金活用に関する様々なご質問・ご相談をいただいています。
まとめ
こちらの事業者様は、太陽光発電所建設における土木工事の経験と実績を生かしながら、測量から太陽光パネルの取り付けまでノンストップでの施工対応に取り組む中で、アナログな測量による工数過多および精度の低さが課題になっていました。そこで、測量データの解析・処理・加工がスピーディーで精度の高い測量システムを導入することで課題解決を目指し、IT導入補助金を活用した事例となります。
少数精鋭で様々な工程を一貫して対応するにあたって必須となる業務効率化へ大きく前進されたことにより、更なる依頼の獲得、事業拡大に向けた取り組みもしやすくなったことと思います。
G1行政書士法人では、IT導入補助金を使って事業を拡大し、安定化させ、新しい事業に挑戦したい企業様と、それを支援するITベンダー様をつなぎ、IT導入補助金の取得をサポートしています。これまでに3,000社以上の採択事例をもとに、わかりやすく説明し、採択に向けて充実したサポートを提供しています。お気軽にご相談ください。
