人事・人材開発に関わる業務担当者の方々で、各種研修実施や学習状況管理の効率改善・生産性向上にお悩みの方!
そのお悩み、IT導入補助金を活用したITツールの導入で、解決できるかもしれません。
IT導入補助金では、中小企業・小規模事業者の方々の人事・人材開発 に関するお悩み解決(研修の効率化、管理工数の削減、効果的な人材開発による生産性向上)につながるITツール(ソフトウェアやサービス等)が、補助の対象になっています。
こうしたITツールは、一般的にeラーニングシステム・学習管理システム(Learning Management System=LMS)などと呼ばれていますが、その機能はメーカーごとに様々です。
この記事では、ITツールを導入したい事業者の方に対しては、どんな機能やメリットがあるのか、またITツールを開発・販売しているベンダー・サービス事業者の方には、どんな機能があればIT導入補助金の対象となり得るのか、 解説していきたいと思います。
目次
eラーニングシステム・学習管理システム(LMS)の機能
eラーニングシステム・学習管理システム(LMS) の機能として、多くのメーカーのソフトウェア・サービスに導入されているものは、
- 研修コンテンツ・教材の配信
- テストや課題収集
- 研修や学習状況の管理・集計・分析
- 外部システムとの連携
などが挙げられます。
研修コンテンツ・教材の配信
研修コンテンツ・教材の配信機能では、動画やスライドなどの研修コンテンツ・学習教材をWEB上で対象者へ配信することができ、研修講師の拘束時間削減や、受講者側も業務に支障のない時間を活用して受講することが可能になります。
また、大半のメーカーは、システムとともにeラーニングの各種研修コンテンツ(ビジネスマナーやコンプライアンス、セキュリティなどの基礎研修、管理者向けや役職階層ごとの研修、技術やスキルアップ研修など)を提供していることが多く、それらの研修コンテンツの提供を受けて活用することで、従業員の基礎的・標準的なスキルなどの効率的な向上に期待ができます。
もちろん、自社で研修コンテンツを作成してシステム内で使用することが可能なツールもあり、自社コンテンツは作成の手間を要するものの、より自社にあった内容や必要スキルの研修を効率的に実施することができます。
テストや課題収集
テストや課題収集機能では、eラーニング研修後にシステム上でテストの実施や、課題で作成したファイルの収集などを行うことができるため、研修受講だけで完了ではないカリキュラムとすることにより、研修効果や結果の可視化まで一元管理することが可能になります。
テストが基準に至らなかった場合でも、eラーニングの特性を活かして、研修の再受講が可能であるため、より確実な理解やスキル習得にも期待できます。
また、テストの実施においては、カメラ機能を用いた顔認証による本人確認や、テスト中のタブ移動やコピーを禁止する機能を持っているツールもあり、 対面実施ではない環境に対策を講じることができるため、社内試験や検定など、より厳密なテストや試験への活用も可能となります。
研修や学習状況の管理・集計・分析
研修や学習状況の管理・集計・分析機能では、配信している研修や教材の受講進捗などを管理画面上で一元管理・集計することができ、進捗や状況を把握できることにより手間をかけずに受講催促や期日のリマインド、研修結果の傾向把握・分析などが可能になります。
また、研修軸や受講者軸、役職や組織軸など様々な角度からの集計・分析が可能なツールもあり、詳細に把握・分析できることにより、効率的な人材開発や人材の発掘にも期待できます。
外部システムとの連携
外部システムとの連携機能では、たとえば人事DBとの連携や、自社イントラサイトとシングルサインオンの連携などを行うことができるため、管理者・利用者それぞれが活用し易い環境で、効率的な研修実施・管理が可能になります。
IT導入補助金の対象となるeラーニングシステム・学習管理システム(LMS)の要件
IT導入補助金の対象となるeラーニングシステム・学習管理システム(LMS)の要件としては、大前提として、IT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に事前登録されたものである必要があります。
IT導入支援事業者とは、IT導入補助金の事務局に事前審査を受け、登録されたITツールを提供するベンダーやサービス事業者のことをさします。
ITツールとしての登録要件
ITツールの登録要件の前提として、ITツールに含まれる「ソフトウェア」が、ツール登録要領で定義されているプロセス(業務プロセスまたは汎用プロセス)の中からいずれか1つ以上に該当する必要があります。
また、実際にIT導入補助金の申請を行う際は、汎用プロセスだけのソフトウェアの申請ができないため、基本的には「業務プロセス」の1つ以上に該当する必要がある、ということになります。
eラーニングシステム・学習管理システム(LMS)は、業種共通プロセスの「総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス」に該当します。
ただし、1つのプロセスの中で幅広く業務をカバーするソフトウェアであることも必要で、例えば研修動画を配信するだけなど、単一の処理を行う機能しか有しないものは、対象にすることはできません。
また、特定の顧客向けに限定され一般市場に販売されていないものや、スクラッチ開発が伴うソフトウェア、ホームページ制作ツールやブログ作成システム等で制作した簡易アプリケーション、ホームページと同様の仕組みのものも対象外です。
その他、対象要件には細かな項目がありますので、詳しくはツール登録要領をご確認いただくか、G1行政書士法人までお気軽にご相談ください。
eラーニングシステム・学習管理システム(LMS)の補助額・補助率・補助対象経費
IT導入補助金におけるeラーニングシステム・学習管理システム(LMS)は、通常枠に該当します。
※通常枠でも補助額150万円以上が認められるツールは、前述の「該当するプロセス数」が4種類以上である必要があるため、eラーニングシステム・学習管理システム(LMS)において対象となるツールは、ほぼないものと考えられます。
通常枠の補助額は5万円以上150万円未満、補助率は対象経費の1/2以内です。
例えば、200万円のITツールを導入する場合、100万円まで補助を受けることが可能です。
補助対象経費は、ソフトウェア購入費やクラウド利用料、導入関連費としてオプション(機能拡張やデータ連携ツール、セキュリティ対策実施にかかる費用)と役務(導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートに係る費用)です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、人事・人材開発に関するお悩み解決(研修の効率化、管理工数の削減、効果的な人材開発による生産性向上)につながるITツールとして、eラーニングシステム・学習管理システム(LMS)を導入したい事業者の方に対して、どんな機能やメリットがあるのか、またITツールを開発・販売しているベンダー・サービス事業者の方には、どんな機能があればIT導入補助金の対象となり得るのか、ご紹介しました。
ただ、ITツールの登録やIT導入補助金の申請に関しては、様々な要件や注意点があり、この記事だけではご説明しきれないことがたくさんあります。
これからITツールの登録をお考えのITベンダー・サービス事業者の方や、補助金申請を希望の事業者様は、ぜひG1行政書士法人にご相談ください。
G1行政書士法人では、IT導入補助金のIT導入支援事業者・ITツール登録から、交付申請、採択後の実績・効果報告まで、多数の実績(採択件数2,262件、2022年採択率90.9%)に基づきサポートを行っています。各種申請前の注意点・手続き説明から、交付申請時の申請内容の作成サポートまで、きめ細やかな対応を心がけています