建設業界は都市インフラの整備や老朽化対策、自然災害への対応などにより引き続き需要が高まっており、建設業界に依存する採石業界も同様です。地域社会への影響や環境保全・資源利用の問題が顕著である今、サステナビリティとの調和が重要となっております。「環境影響評価」や「再生資材の活用」、「労力削減」や「安全性向上」など様々な取り組みを行っていく必要がある中で、ICT技術の普及やデータ利活用は業界全体の課題です。今後のデジタルイノベーションが業界の未来を切り開く鍵となっています。
このような情勢の中、小規模企業や個人事業主である事業者様の多くは、IT導入に関して資金面や人材面、情報収集面で課題を抱えており、これまで具体的な取り組みに至らなかったというお声もお聞きしますが、「IT導入補助金」を活用すれば、実質負担費用の何倍もの投資を行うことができ、補助金なしでは難しかったITツールの導入も実現することができます。
IT導入補助金は、IT導入を検討されている事業者様のみならず、ITツールの販売を行う事業者様にとっても魅力的な制度です。「IT導入支援事業者／ITベンダー」登録をすれば、顧客にも導入費用の負担を軽減していただくことができ、販売促進と顧客満足度の向上を両立させることができます。
このページでは、当法人が実際にサポートし採択された事例をもとに、IT導入補助金の活用例をご紹介します。
総合建設業者の測量効率化システム採択事例
令和4年度補正予算(2023年)ＩＴ導入補助金を活用した事例を紹介しています。
今回は、総合建設、採石及び販売と幅広く事業を行っている方で、採石での基幹業務である石量把握をアナログで行っているため、精度の低さや処理工数の負担にお悩みだった事業者様の事例です。
業種：総合建設業・採石業
従業員数：50人以上
事業年数：30年以上
直近の収益状況：営業黒字
事業上の強み
総合建設においては長きにわたり、地域密着型で多数の事業実績を積み重ねてきた経験があり、取引先のニーズに柔軟に対応できることを強みとされていました。協力会社と連携しながら、幅広く高品質な業務遂行を実現されています。
事業上の強みポイント
総合建設業として公共土木工事を軸としながら、専門の現場が異なる複数の企業との連携により、各社のノウハウやリソースを状況に応じて共有できることが事業上の主な強みです。
導入目的
より正確に迅速な石量・在庫棚卸管理を実現する測量効率化システム
課題内容
当事業者様は採石において、石量把握のためにこれまで目視や巻き尺での計測を行っていましたが、工数がかかるだけでなく精度が低く、棚卸のズレと計画生産への弊害が発生していました。正確に把握するには時間がかかるため、結果、在庫切れによる工期の遅れや、過剰生産が生じている状況でした。
測量効率化システムで解決できる課題ポイント
最新の測量効率化システムの導入により、写真測量とそのデータ解析・処理が自社で行うことができ、専門業者に委託するのと同等の高精度測量が可能となり、またアナログでの測量に費やしていた工数の削減が実現できます。これにより、事業全体の短期化及び新たな付加価値提案による売上アップ・業務効率化による生産性向上が期待できます。
【その他、総合建設・採石業のお客様からよく聞くお悩み・課題例】
- 経験豊富な技術者や作業員の確保ができず、プロジェクトの効率と品質向上が難しい
- 新しい技術や建設手法を迅速に取り入れられず、競争力維持の障害になっている
- 厳格な安全基準や環境規制に適応する必要があり、コストや時間とのバランスが難しい
- 顧客や社内関係者との情報共有が非効率で、十分な連携が取れていない
- 現場レベルでのアナログ計測・管理が原因で、棚卸にズレが生じている
課題解決内容
上記の通り、従来は採石時の石量の把握にあたって、目視や巻き尺によるアナログでの計測を行っており、工数過多になっていました。今後更なる事業拡大を実現していくにあたり、効率化は必須になります。そこで、ＩＴ導入補助金を活用した測量効率化システム導入を行うことで、測量の精度を向上させながらも工数削減・省人化の実現に取り組めるようになりました。それを競合他社との差別化・競争力強化を促す要素として、更なる業務の依頼獲得による売上増加を目指し、労働生産性を高めていくことが、今後の目標となりました。
測量効率化システムのポイント
測量効率化システムには、測量作業そのものの効率化はもちろん、その後のデータ解析、3Dデータ（オルソ画像、点群データなど）作成、データ編集や他のソフトウェアとの連携など、工数削減や精度向上、利便性向上を実現するための、様々な機能を持つシステムが存在します。操作性やアフターサポート面も含め、自社に最適なシステムを採用されたことで、これまでの課題を改善するだけでなく、システムの機能を有効活用しながら、サービス品質の向上や新しいサービスの提案など、発展的な取り組みに繋げることもできそうです。
IT導入補助金2023に登録されている測量効率化システムの例
- 測量CADシステム
- 土木施工用、地籍測量用等、特化型測量システム
- 3D点群処理システム
- ドローン測量システム など
今回のIT導入支援事業者様について
本事業者様のIT導入支援を行ったITベンダー様は、IT導入支援事業者・ITツール登録については自社で対応されていましたが、お客様の補助金申請において、1件でも多く確実に採択を獲得したいというご希望で、サポートのご依頼をいただきました。
当法人からは、ツールの機能や特徴、メリット、提案先の事業者様のニーズなどの詳細をお伺いしたうえで、補助金申請者となる事業者様にも直接お話をお伺いし、申請のサポートをさせていただきました。継続的にサポートの依頼をしていただくことで、様々な事業者様におけるツールの活用方法、今後の期待・展望など、本ITツールに関する当法人内での理解が深まり、IT導入支援事業者様とより発展的な情報交換をさせていただけるようになりました。案件ごとのご相談だけでなく、補助金活用に関する様々なご質問・ご相談をいただいています。
まとめ
こちらの事業者様は、総合建設業として公共事業で活躍している傍ら、採石業も行っており、採石時の石量の測量かかる作業の工数削減・精度向上が課題になっていました。そこで、測量データの解析・処理・加工がスムーズかつ高精度な測量システムを導入することで課題解決を目指し、IT導入補助金を活用した事例となります。
今後更なる事業の発展を目指していくにあたって必須となる業務効率化へ大きく前進されたことにより、継続した業務の依頼獲得、事業拡大に向けた取り組みもしやすくなったことと思います。
G1行政書士法人は、IT導入補助金を活用して事業を拡大・安定化し、新しい事業に取り組みたいと考えている企業様とITベンダー様を繋ぎ、IT導入補助金申請のご支援を行っています。3,000社以上の採択事例をもとに、分かりやすく説明し、採択の実現に向けてサポートを行っています。何かご相談があれば、遠慮なくお問い合わせください。
