「業務の省力化のためにAIを導入したいが、初期費用が高くて悩んでいる」
「人手不足を解消したいが、どんなAI技術を使えば良いかわからない」
このような事業者の方に活用していただきたいのが、省力化投資補助金(一般型)です。
省力化投資補助金(一般型)は省力化に役立つ様々な設備投資に利用できる補助金ですが、AIの導入にも活用することができます。
この記事では、省力化投資補助金(一般型)の対象となるAI技術にはどのようなものがあるのか、またAI導入に向けて省力化投資補助金を申請する際のポイントなどについて解説していきます。
目次
省力化投資補助金(一般型)とは
省力化投資補助金(一般型)は、中小企業等の売上拡大や生産性向上を推進するために、人手不足の課題を持つ中小企業等に向けて人手不足解消に効果のあるデジタル技術等を活用した専用設備の導入を支援することが目的の補助金です。
この「デジタル技術等を活用した専用設備」の中にはAIはもちろんICT・IoT・ロボット・センサーなども含まれており、事業者の課題や事業に合わせて自由度の高い省力化投資を行うことが出来ます。
補助額や補助率は業種や従業員数などによって変動しますが、補助金の最大額は1億円となっており、補助率は1/3~2/3で設定されています。
そのため、「AI技術を活用した設備投資をしたい」という方にもおすすめの制度となっています。
様々な業種に共通する業務で活用されるAIの例
省力化投資補助金(一般型)で導入できるAIは多岐にわたりますが、業種を問わず導入されることが多いものとしては以下が挙げられます。
AI×チャット対応
近年、多くの事業者がチャットを通じてお客様からの問い合わせに対応していますが、顧客からの質問などに人力で返信しようとすると、「営業時間内しか対応ができない」「返信が遅くなり、顧客を待たせてしまうことがある」「過大な人的コストが発生する」といった問題が生じることが少なくありません。
そこで、AI機能を搭載したチャット(AIチャットボットなどと呼称されることが多いです)を導入して活用することで、
●営業時間外や定休日でも問い合わせに応じることができる
●お客様を待たせずすぐに返信ができる
●顧客からの質疑応答に割いていた人的コストを削減できる
といったことが可能になるため、作業工数の大幅な削減や、労働生産性の向上に期待できます。
AI×コンテンツ記事作成
コンテンツマーケティングとして、記事を作成してWEB上で情報発信を行っている事業者の方もいるかと思いますが、このコンテンツ記事作成にもAIを活用することが可能です。
AIを利用することで下書きなどを即座に作成できるため、記事の構成や文章を考える時間を大きく削減できます。
また、内容に関しても例えばノウハウの発信やプロモーションの案内など、幅広いテーマに対応できるため、オリジナリティの高い記事を従来よりも効率的に作成できるようになります。
AI×画像認識
「画像認識」とは、文字どおり画像の中に映っている人や物を認識する技術のことを言い、これにAIを組み合わせることで、コンピューターが大量の画像から人や物の特徴を学び、そこに「誰が」または「何が」どのように映っているのかを判別できるようになります。
例えば、飲食業であれば食洗機にAI画像認識システムを導入することで、機械の方で食器の種類を自動で見分け、最適な洗浄方法を選択するなどが可能になるため、忙しい時でもムラなく食器を洗えるようになり現場の作業負担が削減されます。
また、製造業の場合であれば、製品の検査をAI画像認識で行うことで、作業品質の向上や業務時間の短縮といった効果を見込めるようになります。
このように作業のクオリティを一定に保ちながら業務効率を改善できるため、AI画像認識は今日幅広い業種で活用され始めている技術になります。
AI×営業支援
営業支援ツールは営業に関する様々な業務を効率化できるツールで、SFA(Sales Force Automation)などとも呼ばれています。
この営業支援ツールにAI技術が活用されることで、具体的に次のような効果を見込むことが可能になります。
●メールや議事録の作成などを自動で行えるため、業務の省力化に寄与する
●ツールの過去履歴から顧客分析を行えるため、成約可能性の高い見込み客をピックアップでき、契約率向上を期待できる
●顧客対応履歴もまとめて管理できるため、それぞれの顧客の時機やニーズに応じて効果的な働きかけが行えるようになり、信頼関係の強化を図れる
特定の業種で活用されることが多いAIの例
続いて、特定の業種で活用されることが多いAIの例です。
AI×調色
自動車整備業など調色作業(塗装などのために他の色同士を混ぜ合わせて目的の色を作ること)が必要になる業種では、手作業や従来の調色システムだと仕上がりにムラが出やすく、修正に時間がかかり生産性の低下に繋がることも少なくありません。
そこで、調色システムにAIを導入することで、機械側で色の調合を学習するようになるため、誰でも精度の高い調色を簡単かつ迅速に行えるようになります。
これにより作業の属人化や人的リソース不足が解消され、また納期も短縮可能となるため、顧客満足度を高められるようになります。
AI×生産管理
生産計画や工程の把握を効率的に行える生産管理システムにおいても、AIが搭載されているものがあります。
AI技術を用いた生産管理システムを活用することで、原材料費や市場ニーズの予測といった業務を自動で行えるため、生産管理に割く工数やマンパワーの削減を望めます。
更に、過去の販売データや市場価格の推移などの情報をベースに商品の生産量を正しく見積もることができるため、供給過多による廃棄処分や無駄なコストを減らすことができます。
AI×配車業務
運輸業や郵便業においては配車業務が不可欠ですが、この配車についてもAIを組み合わせる事が可能です。
システム側で効率的な配車計画を自動で立てられるため、配車担当者の労働時間短縮に役立ちます。
また、無駄のない走行ルートを策定できるため、余計な燃料費や人件費の削減も叶えることができるようになります。
AI×原価管理
製造業の場合などは、原価管理にAIを役立てることもできます。
例えば原価管理システムにAI技術を活用することで、莫大なデータを即時分析し、原価の予測や通常とは異なるコストの検出などを正確に行えるようになるため、速やかな判断や想定外の出費の回避に繋げることが可能です。
また、原価に関する情報の入力やレポート作成といった日々の作業を自動化できるため、従業員の負担や打ち間違いなどによる人的ミスの低減にも繋げられます。
省力化投資補助金(一般型)に申請する際のポイント
AIを導入するために省力化投資補助金(一般型)を申請する際は、「このAI技術を用いた機器やシステムを導入することで、日々の業務がどれくらい省力化されるか」をきちんと事業計画書上でアピールすることが大切です。
一連の業務フローを細分化して、各業務ごとに「●●分かかっていたところ▲▲分に削減できる」ということを、定量的かつ具体的に示すようにしましょう。
まとめ
今回は、省力化投資補助金(一般型)で補助対象となるAIにはどのようなものがあるのか、AI導入にあたって省力化投資補助金を申請する際のポイントなどについて解説しました。
省力化投資補助金(一般型)で導入できるAIは今回紹介したもの以外にも多くありますので、AIの導入を通して労働生産性の向上を図りたい方は、ぜひ省力化投資補助金(一般型)の利用をご検討ください。
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