小規模事業者持続化補助金の「賃金引上げ特例」は、企業の成長を支えるために従業員の賃金アップを支援する特別な枠組みです。
従業員の待遇改善を図り、より良い労働環境を提供することで、企業の安定や地域経済への貢献を促進することを目的としています。
特に小規模な事業者は、厳しい経済環境の中で従業員の賃上げを図ることが難しい場合が多いですが、賃金引上げ特例を活用することでその負担を軽減し、企業と従業員が共に成長できる道を開くことができます。
この記事では、小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)の一般型通常枠に適用できる「賃金引上げ特例」の概要や申請条件について詳しく解説します。
持続化補助金「賃金引上げ特例」とは
持続化補助金一般型の通常枠は、地域で活躍する小規模事業者を支援し、販路開拓や業務効率化を促進することで企業の成長を支援するとともに、地域雇用の維持や創出にも貢献する補助金制度です。
持続化補助金一般型の通常枠で適用できる「賃金引上げ特例」は、従業員の賃金アップを目指す事業者に特別に設けられた特例となっており、地域別最低賃金に対して事業場内最低賃金を+50円以上引き上げる事業者が対象となります。
この取り組みにより、企業は従業員に成長の果実を分け与えることができ、従業員の働きやすさやモチベーションを向上させるとともに、企業の競争力を高め、地域経済にも好影響を与える重要な施策となります。
賃金引上げ特例を適用した場合、持続化補助金一般型通常枠の補助金額上限50万円に150万円上乗せされて、補助金額の上限は最大200万円までという条件になります。
このように賃金引上げ特例は、従業員の賃金引上げと企業成長を同時に実現するための大きな支援となりますので、取り組む事業者にとっては非常に有益な制度となっています。
賃金引上げ特例の要件について
賃金引上げ特例を適用するためには、以下の要件を満たす必要があります。
1.事業場内最低賃金の引き上げ
申請する補助事業が終了する時点で、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より50円以上引き上げることが要件になります。
また、申請時点ですでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より50円以上の金額になっている場合は、申請時点の事業内最低賃金から50円以上引き上げる必要があります。
2.従業員の在籍
申請時および補助事業終了時点で、役員・専従者・退職者を含めず従業員が1人以上在籍していることが必要です。
申請時点で従業員1人だったが、途中で退職して補助事業終了時点で従業員0人となってしまった場合は要件を満たせなくなります。
3.地域別最低賃金以上であること
地域別最低賃金の改定などにより、50円以上を満たしていても、地域別最低賃金を下回る場合は補助金交付の対象外となります。
これらの要件を満たしていない場合は、賃金引上げ特例で採択されても、補助金を受け取ることができなくなるため注意が必要です。
赤字事業者への特例(補助率3/4の適用)
賃金引上げに取り組む「赤字事業者」に対しては追加の支援があり、補助率が2/3→3/4へ増率されて、より有利な条件で支援を受けること可能になります。
赤字の要件
直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロ円以下(赤字)の事業者が赤字事業者の対象となります。
課税所得金額は、以下欄の金額で判断となります。
法人:法人税申告書の別表一・別表四「所得金額又は欠損金額」欄
個人事業主:確定申告書の「課税される所得金額」欄
支援内容
1.補助率の引き上げ
補助金額算出の補助率2/3が3/4に増加します。
インボイス特例も適用する事業者の場合は、その上乗せ分も同条件になります。
2.加点の優遇
賃金引上げ特例(赤字事業者)は、賃上げ加点に加えて赤字賃上げ加点も自動適用され、採択される可能性が高まります。
申請に必要な書類
賃金引上げ特例の申請は、持続化補助金の申請時に共通で提出が必要となる書類以外に、追加で以下の書類が必要となります。
1.賃金台帳
直近1か月分の賃金台帳を提出し、現在の賃金状況を証明します。
申請時点で直近1か月に支給した賃金を証明するため、たとえば5月申請であれば、基本的に4月分の賃金台帳の提出となります。
2.雇用条件確認書類
雇用契約書、労働条件通知書、就業規則等の1日の所定労働時間、年間休日が記載された書類を提出します。
役員、専従者従業員を除く全従業員分が必要になります。
3.法人税申告書または確定申告書
赤字事業者の場合は、直近の課税所得金額を確認するための書類を追加で提出必要となります。
・法人:法人税申告書(別表一・別表四)の写し
直近1期分の法人税申告書で、税務署収受印のあるものが必要です。
・個人事業主:確定申告書の写し
前年の確定申告書で、税務署収受印のあるものが必要です。
・電子申告(e-Tax)の場合
税務署収受付印の代わりにe-Tax「受付結果(受信通知)」を併せて提出してください。
・書面提出で控えに税務署収受印がない場合
法人税申告書または確定申告書に税務署収受印がない場合は、税務署が発行する「納税証明書(その2:所得金額の証明書)」の写しを追加で提出してください。
賃金引上げ特例申請時の注意点
賃金引上げ特例の申請時には、以下のポイントに注意が必要です。
1.計画通りの賃金引上げ実施
賃金引上げを補助事業終了時(実績報告時)までに実施できなかった場合、補助金が交付されません。
2.従業員の在籍状況
申請時点および補助事業終了(実績報告)時点で従業員が1人以上在籍していることが要件です。
3.期限内の申請
必要書類を揃えた上で、期限内に申請することが求められます。
申請期限を過ぎた場合は申請が受け付けられないため、早めの準備が重要です。
まとめ
今回は持続化補助金の賃金引上げ特例について解説しました。
賃金アップに取り組む事業者にとって非常に有益な特例条件となり、賃金引上げによって従業員の働きやすさやモチベーションを向上させるだけでなく、企業の競争力強化や地域経済の活性化にも寄与します。
さらに、賃金引上げに取り組む赤字事業者には追加の支援も設定されており、経済的な負担を軽減しながら賃上げを実現する大きなチャンスとなります。
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