「業務効率を改善し、労働生産性を向上させたいがうまくいっていない」
「無駄な作業時間や人件費を削減したいが、何から手を着けたら良いかわからない」
このような問題を抱えていらっしゃる介護業界の方はいらっしゃいませんか。
そのお悩み、ITツールの導入で解決可能かもしれません。
この記事では、介護業界の方がIT導入補助金を利用してどのようなITツールが導入できるのか、またそれらのITツールを導入するメリット等をご紹介いたします。
目次
介護業界の課題
IT導入補助金について説明する前に、まずは介護業界の課題を見ていきましょう。
ここでは当法人が補助金申請のご支援をさせていただく中で、業界全体、また事業者単位で共通して伺うことの多い課題をご紹介いたします。
人手不足
介護業界の課題としてまず挙げられるのが、「人手不足」です。
当法人でも、介護業界の方から「人手が足りていない」と伺うことは少なくありません。
人手不足の原因は一概には言えませんが、「給与が求職者の希望に合わず、採用活動がうまくいかない」「身体的にも精神的にも負担が大きい仕事であるにも関わらず、責任に見合った待遇を受けられないため人材が定着しない」といった要因が挙げられます。
「限られた人員で業務をこなすためにどのように工夫し、業務の効率化を図るか」
「顧客満足度を向上させ、収入を伸ばすことができるか」
そしてその結果、
「賃金を上げるなど、どれだけ待遇面を改善し、人材の確保に繋げられるか」
といったことが、人手不足解決のためのポイントとなっています。
膨大な業務量
業務量が多いという点も、介護業界の課題の一つです。
介護業界では食事介助や入浴介助など現場での介護はもちろん、介護報酬請求(レセプト)など各種事務作業なども必要であり業務内容が多岐に渡ります。
また前述のとおり業界全体で人手不足となっていますが、反対に高齢化の影響で利用者自体は増加しているため、必然的に一人あたりのスタッフに任される業務量が多くなる傾向にあります。
これらの問題に対しては
- 現状のフローで改善できる点は無いか、業務工程の見直しを行う
- マニュアルで行っている事務作業を電子ツールで代替し、業務を効率化する
といった方法で膨大な業務量を減らす、または処理していることを、事業者の方からお聞きします。
ITツール導入でできること
ここまでで、様々な課題と対策があることをご理解いただけたかと思います。
それでは、それらに対しどのようなITツールが導入できて、そしてどのようなメリットがあるでしょうか。
ITツールを導入し、業務をデジタル化することで、
- それまで時間をかけていた業務を省力化できる
- 労働生産性向上により生まれた時間を、現場での介護など本業に充てることでサービスの質をより高めることができる
- データの管理がしやすくなることから、利用者や施設の情報を適切に把握できるようになり、信頼度や顧客満足度の向上に活かせる
といった効果が期待できます。
利用者とのきめ細やかなやり取りが大切な業種だからこそ、ITツールを上手に活用して業務を効率化し、労働生産性や利用者の満足度を高めていきたいですね。
導入するITツールの例
「ITツールを導入するメリットがわかったので、介護業界の場合は実際にどのようなITツールが活用されているのか知りたい」という方もいらっしゃるかと思います。
ここからは、具体的なITツールの例をご説明いたします。
介護記録ソフト
まず挙げられるのが、介護記録ソフトです。
介護記録ソフトは利用者に関する情報を記録・管理することができるシステムです。
介護の現場においては利用者に対しての介護記録やケアプラン、各種スケジュールなどスタッフが記録しなければならない事項が数多くありますが、これらを手書きで対応すると膨大な時間がかかりますし、管理の手間も発生します。
そこで、介護記録ソフトを使用して電子ツール上で介護記録の作成を行うことで、記入時間を大きく削減することができます。
また、記録した情報も一括で保管できるため管理が容易になり、従業員間での情報共有も円滑化されるため労働生産性向上に役立ちます。
なお、ソフトによっては介護の中でも「訪問介護」のデータ作成などに特化したものもあるため、事業形態やニーズに合わせてツールを選択することも可能です。
給食管理ソフト
給食管理ソフトとは、施設内で提供する給食の情報を管理できるツールのことです。
給食の献立や調理方法、アレルギー情報等を一元管理できるため、利用者の食事内容や栄養バランス、アレルギー等、細やかな情報も効率よく、適切に把握することができます。
また、介護記録ソフトなど他のITツールと連携できるものや帳票の出力が行えるものもあるため、自社の課題に応じた給食管理ソフトを使用することで、相乗効果を狙うことができます。
見守りシステム
見守りシステムでは、利用者の状況をシステム上で管理することができます。
施設内に設置したセンサーやカメラを見守りシステムと連携させることで、モニターやパソコンなどの各種デバイスから利用者の状態を確認することができます。
利用者の各部屋の様子をまとめて把握できるため、それまで巡回に要していた時間や人手を省力化することが可能です。
また、転倒や一人歩きなど、利用者の動きに変化があった場合は通知がされる機能もあるため、大きな事故を未然に防ぐこともでき、利用者やその家族の信頼度の向上にも繋がります。
その他のITツール
介護業界の生産性向上に資するITツールとしては、他にもどのベッドを誰が利用し、空きはどのくらいあるのか等をリアルタイムで把握できるシステムや、利用者を送迎するための車両や配車状況を管理することができるソフトなど、多種多様なものが存在します。
自社で抱えているお悩みやニーズに合わせたITツールがありましたら、ぜひ導入を検討してみてください。
ITツールの導入にIT導入補助金の利用をおすすめする理由
「ITツールの導入が生産性向上に有効なのはわかったけど、費用が高くつきそうで心配」といった方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような事業者の方に是非ご活用いただきたいのが、IT導入補助金です。
ここからは、IT導入補助金の概要と、利用するメリットを解説していきます。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者の方が生産性向上を目指すにあたって、業務効率化やDX化を実現するためのITツール(ソフトウェアやサービス等)の導入をサポートするべく設けられた制度です。
申請枠や類型は、導入するITツールの種類によって異なりますが、2024年度のIT導入補助金2024においては
- 通常枠
- インボイス枠(電子取引類型・インボイス対応類型)
- 複数社連携IT導入枠
- セキュリティ対策推進枠
が設定されています。
少ない自己負担でツールの導入が可能
当法人がIT導入補助金のご利用をおすすめする理由として、第一に「ITツール導入時の自己負担額を減らすことができる」というものがあります。
補助額・補助率・対象経費(対象ITツール)はどの申請枠や類型を使うかによって異なりますが、全体で最大補助額は450万円、補助率は1/2~4/5となっています。
これは、例えば補助率が一番低い1/2の申請枠の場合でも、採択されればITツール導入における自己負担を半分に抑えられるということになり、本来ITツールの投資に使う予定だった資金を人件費や設備費など、別の用途に充てることが可能となります。
補助金が交付されることで自己負担額を抑えてITツールの導入が可能となりますので、労働生産性の向上を推進したい事業者の方にぜひご活用いただきたい制度となっています。
申請作業はIT導入支援事業者がサポートするので安心
IT導入補助金が他の補助金と大きく異なる点として、「IT導入支援事業者と共同で申請作業を行う」というものがあります。
IT導入支援事業者とは、IT導入補助金に応募する申請者(中小企業・小規模事業者)に対して、ITツールの導入(販売)や運用方法の相談から、実際の申請作業及び採択後の手続きまで、様々なフォローをする事業者のことを言います。
IT導入補助金を利用する際は必ずIT導入支援事業者と連携して申請作業を行わなければならず、申請者単独で応募することはできません。
逆に言えば、どのようなITツールを自社に導入すればいいかなどを相談したり、申請作業のサポートを随時受けたりしながら手続きを進めることが可能ですので、
「補助金を初めて使いたいと思っているので、どのように作業を進めたら良いのかわからない」
「パソコン作業等が苦手なので、自分だけで手続きを行えるか心配」
という方も安心してご利用いただける制度となっています。
注意点としては、「IT導入補助金で申請の対象となるのは、事前にIT導入補助金事務局に登録されているIT導入支援事業者が提供するITツール(ソフトウェア、サービス等)のみである」という点です。
そのため、ITベンダー・サービス事業者、及びITツールを選ぶにあたっては、IT導入補助金事務局に登録されているかを、あらかじめ確認する必要があります。
なお、G1行政書士法人ではIT導入支援事業者をご紹介することも可能です。
「どのIT導入支援事業者に頼めば良いかわからない」という方は、是非当法人までご相談ください。
他の補助金より手続きがシンプル
「補助金の申請は手続きが難しそうなイメージがある」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、IT導入補助金では、申請に必要な書類も少なく、基本的にオンライン入力で申請が完了するようになっています。
さらに入力すべき内容も非常にシンプルに設計されているため、「日々目の前の業務で忙しい」という介護業界の方にも挑戦していただきやすい補助金となっています。
IT導入補助金を活用して業務の効率化、労働生産性向上の実現に成功した事業者が多数いらっしゃいますので、「どのような規模の、どういった事業者が申請しているのかな」と気になった方は、当法人の採択事例集も併せてぜひご覧ください。
まとめ
今回は、介護業界の方に向けて、IT導入補助金の概要や利用するメリットをお伝えしました。
この記事をとおして「IT導入補助金を使ってみたい!」とお考えになった事業者の方やITベンダー・サービス事業者の方は、G1行政書士法人にご相談ください。
当法人では、介護業界の方はもちろんのこと、様々な業種の方の申請サポートを行っており、累計採択実績は4,451件、2023年採択率は91.6%を達成しています。
また、申請作業だけではなく実績報告や効果報告、各種手続きについても多数の経験があり、採択後も綿密なアフターフォローが可能です。
IT導入補助金の申請を希望される事業者の方や、ITベンダー・サービス事業者の方は、G1行政書士法人までご遠慮なくお問い合わせください。