IT導入補助金の補助額・補助率・対象内容
IT導入補助金2023(令和5年度)は、中小企業のITサービス(ECサイト制作やその他ITサービスなど)の導入に対して、補助金を受けられる経済産業省が実施している補助金制度です。
これから、ECサイト制作や、ITサービスの導入を検討している中小企業の事業者様は是非ともこのIT導入補助金を活用して、事業の推進に役立てていただければと思います。
※本サイトでは、わかりやすく理解いただくために、言葉の言い回しなどの表現を変更して表記しています。
IT導入補助金とは
IT導入補助金は、中小企業の事業者様が自社の課題やニーズに合ったITサービスを導入する経費の一部を補助され、業務効率化、売上アップ、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化をサポートする補助金制度です。
法人、個人事業主の皆様が利用が可能であり、また幅広い業種や法人形態にも開放されている補助金制度であるため、現在、日本国内でも申請数が多く、採択数が多い補助金制度となっています。
令和3年度補正予算(令和4年度実施)
IT導入補助金の採択数:51,885社
※G1-info調べ
令和5年度においてもIT導入補助金の募集が行われますので、是非、この機会にECサイト制作やITサービス導入を検討されている事業者様のご利用いただきたいと考えています。
IT導入補助金の補助額、補助率
気になる、補助金の補助額、補助率は以下となっています。
- 補助額:通常枠:5万円~450万円、デジタル化基盤導入類型:(下限なし)~350万円
- 補助率:通常枠:1/2、デジタル化基盤導入類型:3/4(補助額50万円以下)、2/3(補助額50万円超~350万円)
※デジタル化基盤導入類型では、最大で約517万円の経費で350万円の補助金で戻ってくる
※デジタル化基盤導入類型:会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトのITサービスが該当、A・B類型はそれ以外のITサービスが該当するイメージです。
IT導入補助金は、支払いが先になり、後から補助金が戻ってくる仕組みとなります。
支払う前に補助金を受けられるわけではありませんので、注意が必要です。
となっています。
補助額上限が大きく取られえている事から、ECサイト制作はもちろん、大きな費用が必要となる、ITサービスの導入などに対しても使いやすくなっています。
その事から、導入経費のボリュームゾーンとしては、200万円~250万円でのIT導入補助金の活用が多くなるとも考えられます。
上記より、令和4年度に関しても広く多くの中小企業の事業者様に活用いただける補助金メニューであると言えます。
そして、デジタル化基盤導入類型では、補助率が約2/3であるため、逆の見方をすると、50万円で約142万円のECサイト制作ができる事になります。
ECサイト制作において、制作する内容によって、相場は大きく変わるものの、一般的に、集客できる、販売がしっかりできるECサイト制作ともなると、70万円以上になる事も珍しくありません。
ただ、これから新たにECサイト展開を実施するにあたり、中小企業の事業者様にとって、いきなり100万円以上の費用をかけて制作するには、さすがに二の足を踏んでしまいます。
ですが、IT導入補助金を利用すれば、50万円の費用で約142万円のECサイトを制作できる事となり、それは、大変魅力的な事であり、見方を変えると、ECの展開を「3倍速」で進める事につながるとも言えます。
そういった事からもECサイト制作を検討している中小企業の事業者様にとっては、非常に魅力的且つ、合理的に効果を見込みやすい補助金制度であると言えます。
※採択率について
経済産業者が実施している補助金のメニューは、基本的には審査制(採択制)となっています。
IT導入補助金も例外ではなく、審査制となっていますが、気になるIT導入補助金の採択率として、令和4年度では、全体で73.9%でした。
上記採択率は、令和4年に実施された他の補助金と比較しても比較的採択率が高い補助金であったと言えます。
令和5年度も引き続き高い採択率で推移するのではないかと考えられるため、令和5年度のIT導入補助金を活用する場合は、より採択率を意識した取り組みが必要であるとも言えます。
IT導入補助金を活用するには
ECサイト制作に対して、補助金を受けられる事は非常に魅力的です。
ですが、いざ、IT導入補助金を活用したいとなったとしても、全てのECサイト制作業者のサービスに対して補助金を使えるわけではありません。
それは、IT導入補助金の制度上、「IT導入支援事業者」の登録制度を採用しており、事前にIT導入補助金の事務局に登録されたECサイト制作事業者(法人のみ)でないとIT導入補助金を使う事が出来ない仕組みとなっています。
多い相談内容として、「知り合いがECサイトを制作してくれるためIT導入補助金を活用したい!」となっても、知り合いの方が個人事業主の場合は、IT導入補助金を使う事は出来ません。
そのため、事前に事務局に登録されている「IT導入支援事業者」のサービスを利用する事で補助金を活用する事が可能となります。
IT導入支援事業者は、サービスの提案・導入だけでなく、「IT導入補助金の各種申請サポート」を実施してくれる制度となっています。
これは、通常、補助金の申請は全て、自社で申請要件、スケジュール、採択されるための事業計画の作成、採択後も多くの書類を提出・・・など、非常に煩雑で手間がかかるものが多くあります。
その申請や報告作業をサポートしてくれるため、中小企業の事業者様はより本業に集中する事ができ、ECサイト運営に時間を使う事ができるようになっています。
知り合いではない、ECサイト制作業者に依頼する事は少し不安な点もあると思いますが、その中でも信頼出来る業者を見つけて、IT導入補助金を上手く活用していただきたいと思います。

申請のスケジュール
IT導入補助金2023(令和5年度)は、通常枠(A・B類型)とデジタル化基盤導入類型とでは、申請・採択スケジュールが異なります。
※こちらではデジタル化基盤導入類型のスケジュールのうち、確定している募集回のスケジュールのみを記載しています。
・A・B類型(申請補助額:5万円~450万円、補助率:1/2)
・デジタル化基盤導入類型(申請補助額:下限なし~350万円、補助率:約2/3※補助額50万円以下:3/4)
1次締切分 | デジタル化基盤導入類型 |
交付申請期間(申請) | 2023年4月25日(火)17:00 |
交付決定日(採択結果日) | 2023年5月31日(水) |
事業実施期間 (サービス導入・支払い) |
交付決定~2023年11月30日(木)17:00 |
事業実績報告期間 | 2023年11月30日(木)17:00 |
2次締切分 | デジタル化基盤導入類型 |
交付申請期間(申請) | 2023年5月16日(火)17:00 |
交付決定日(採択結果日) | 2023年6月21日(水)(予定) |
事業実施期間 (サービス導入・支払い) |
交付決定~2023年11月30日(木)17:00 |
事業実績報告期間 | 2023年11月30日(木)17:00 |
3次締切分 | デジタル化基盤導入類型 |
交付申請期間(申請) | 2023年6月2日(金)17:00 |
交付決定日(採択結果日) | 2023年7月11日(火)(予定) |
事業実施期間 (サービス導入・支払い) |
交付決定~2023年11月30日(木)17:00 |
事業実績報告期間 | 2023年11月30日(木)17:00 |
4次締切分 | デジタル化基盤導入類型 |
交付申請期間(申請) | 2023年6月20日(火)17:00 |
交付決定日(採択結果日) | 2023年8月1日(火)(予定) |
事業実施期間 (サービス導入・支払い) |
交付決定~2023年11月30日(木)17:00 |
事業実績報告期間 | 2023年11月30日(木)17:00 |
5次締切分 | デジタル化基盤導入類型 |
交付申請期間(申請) | 2023年7月10日(月)17:00 |
交付決定日(採択結果日) | 2023年8月22日(火)(予定) |
事業実施期間 (サービス導入・支払い) |
交付決定~2023年11月30日(木)17:00 |
事業実績報告期間 | 2023年11月30日(木)17:00 |
6次締切分 | デジタル化基盤導入類型 |
交付申請期間(申請) | 2023年7月31日(月)17:00 |
交付決定日(採択結果日) | 2023年9月12日(火)(予定) |
事業実施期間 (サービス導入・支払い) |
交付決定~2023年11月30日(木)17:00 |
事業実績報告期間 | 2023年11月30日(木)17:00 |
補助金の還付時期
IT導入補助金は、申請して採択されれば、すぐに補助金が受けられるわけではありません。
IT導入補助金の補助金が戻ってくるタイミング・時期は、申請スケジュールによって異なるものの、平均して採択結果日から約6ヵ月前後が多い傾向にあります。※導入するITツールや支払いが早いと補助金の還付スケジュールも早くなります。
基本的には、採択結果日のスケジュールを確認し、補助金が戻ってくるタイミングを把握していただければと思います。
IT導入補助金のメリット、デメリット
IT導入補助金のメリットとしては、
①補助金で利用の約2/3が戻ってくる
(デジタル化基盤導入類型の場合:補助額上限350万円、補助率約2/3、下限金額なし)
②補助金50万円で約142万円のECサイト制作、ITサービスを利用する事ができる
(事業を3倍速のスピードで推進できると考えられる)
③申請関連を全てIT導入支援事業者が申請のサポートをしてくれる
(申請の手間などの負担を軽減してくれる)
が挙げられます。
IT導入補助金はEC特有のやりたい事に対する予算感の課題を解決してくれる補助金制度であり、また補助金申請に対する課題も同時に解決してくれる補助金制度であると言えます。
逆にデメリットとしては、
知り合いの業者がIT導入支援事業者でなければ補助金を活用する事ができない
ぐらいだと考えられます。
令和4年度、日本国内で利用が多かった補助金を活用して、中小企業の事業者の皆様にも事業の展開に役立てていただければと思います。
ECサイト制作の申請は採択される?
平成29年度のIT導入補助金までは、WEBサイト・ECサイトの新規制作、リニューアル制作どちらも採択されていましたが、令和3年度以降のIT導入補助金では、新規でECサイト制作する場合は採択されていたものの、既存ECサイトのリニューアルでは基本対象外となっていました。
令和5年度でも同様の基準となっていますが、新たなECサイトの展開に応じて利用が出来れば、中小企業の事業者様のEC活用が更に広がります。
令和5年度のIT導入補助金について期待しつつ、ECサイトの導入時期をご検討いただければと思います。